
こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!
これまで、100人以上の面接練習を担当してきましたが、多くの学生が「ある勘違い」で損をしています。
それは、履歴書の内容を暗記し、そのまま話そうとすることです。“面接で響かない志望動機”の典型ですね…。

え? だって履歴書と
違ったら変じゃない?

ううん、台本みたいに
読むのがダメってこと。
本人は丁寧に説明しているつもりでも、面接官からすると「それ、もう読んでいるから」という反応になりがちです。
そこで今回は、面接時に面接官の心に刺さる、志望動機の話し方“簡単メソッド”を紹介したいと思います。
なぜ「履歴書を読む話し方」は面接で響かないのか
面接官が本当に知りたいのは、履歴書に書かれた「文章」ではありません。 その裏側にある、あなたの「温度感」です。

事前に送られたあなたの履歴書を、面接官はすでに読んでいます。
彼らが聞きたいのは、「貴院は〇〇に力を入れている」といった“病院の解説”ではなく、あなたが「なぜ、うちを選んだのか」という生の声なのです。
面接官が「読む」モードに入る
あなたが、頭の中の「台本」を読みながら話すと、面接官は手もとの履歴書を見ます。
これが「聞く」のをやめて「読む」モードに入ったサインです。
そして、あなたが少し言い間違えるだけで、

あれ、いまはどこを
読んでるのかな?
と、面接官は迷子になってしまいます。
その結果、あなたの熱意が伝わらないどころか、記憶にも残らなくなってしまうのです。
病院の強みに突っ込みたくなる
志望動機では、病院の強みを並べがちです。
「教育体制が整っている」
「症例数が多い」
「最新設備が豊富」
これらは一見、無難で良さそうに聞こえますが、どれも他の病院でも使える言葉です。
そのため_

教育体制が整っている
と感じ志望しました。

それなら、隣のA病院は
もっと整っているよ?
このように、面接官の頭の中には、自然と比較対象が浮かび、「他の病院の方が良いのでは?」と突っ込みたくなるんですね。
面接官に突っ込まれない志望動機の話し方
ここまでで、
・履歴書をなぞる話し方
・病院の強みを並べる話し方
この2つが、面接官の心に刺さらない理由を見てきました。では、突っ込まれない志望動機の話し方について解説していきます。
主役は「病院」ではなく「自分」
病院の魅力を伝えるのは、いったんお休みにして、視点を切り替えてみます。
主役を病院 → あなたに変えてみましょう。
面接官に、この人は_
・どんな理学療法士になりたいんだろう?
・この病院でどんな成長がしたいのか?
こう思わせることを目標に、突っ込まれない志望動機を構成していきます。
志望動機はストーリーで話すもの
面接官は、志望動機を一文ずつ評価しているわけではありません。話全体に「筋が通っているか」を聞いています。
話がバラバラだと、どんなに良い内容でも、面接官は途中で理解を止めてしまいます。
逆に_
「こう考えて」
「だから行動して」
「その結果、ここを志望した」
という流れがあれば、多少言葉が崩れても伝わります。
この流れを、誰でも簡単に作れるのが次に紹介する志望動機の4構造メソッドです。
教員が教える志望動機の簡単メソッド

面接官に絶対突っ込まれない、かつ心に刺さる志望動機の簡単メソッドは4構造!
①目標・理想のPT像を伝える
驚くかもしれませんが、まずは「どんな理学療法士になりたいか」という、あなたの夢からスタートします。

それでは、志望動機を
お聞かせください。

はい、私の夢は、患者さんの
痛みを根本的に治療できる
理学療法士になることです。
この理想のPT像は、履歴書と若干変化しても大丈夫です。ただし、具体的で分かりやすいものにしましょう。
②きっかけ(接点)を伝える
すかさず、この病院を知ったきっかけを端的に伝えます。

御院を知ったきっかけは、
相談していた教員から
おすすめされたことです。
実習生だった、就職説明会で話を聞いた、学校で求人票を見た、ここは短めに事実を伝えて下さい。
③病院見学で得た情報を伝える
ここが一番重要です!
パンフレットの知識ではなく、「自分の耳で聞いたこと・目で見たこと」を話します。

病院見学では、疼痛を抱える
症例が多く、リハビリの役割
が大きいと伺いました。

うん、うん。

また、医師も参加する
疼痛の院内研修会が
豊富だと伺い、学びの
深さに驚きました。

たしかに、うちの病院は
そこに力を入れているよ。
この部分は、病院見学でしっかりリハビリ科の強みを、聞き出しておく必要があります。
④マッチング(結論)を伝える
最後は簡単です。①と③を合体させるだけで、志望動機が完成します。

ここであれば、私の夢
である「痛みが取れる
理学療法士」になれると
確信し、志望しました。

なるほど、分かりました。
簡単な4ステップで、突っ込みどころがないだけじゃなく、面接官の心に刺さる志望動機が完成しました。

おおー、こりゃ簡単だ。

あとは、自分を主役に
当てはめてみてね。
その他、志望動機の例
それでは、せっかくなので、あと何パターンか例を挙げておきますね。
暮らしをサポートしたいVer.
これは、実習生で作ってみました。
患者さんが「その人らしい」暮らしをサポートできる理学療法士になりたい。
② きっかけ(接点)
実習生としてお世話になっていた。
③ 得た情報(気づき)
退院前の在宅調査訪問に力を入れている。そこで、知った情報をもとにリハビリ室での訓練を、対応させているのを実習中に見た。
④ マッチング(結論)
ここであれば、私の理想とする生活を支える理学療法士になれると確信した。

実習生は、超有利だね。

うん、説得力が増すからね。
雰囲気が良かったからVer.
あまり病院に特徴がなかったり、病院見学で深い質問ができなかった場合は、雰囲気で志望動機を作ることもできます。
患者さんの『心に寄り添える』理学療法士になりたい。
② きっかけ(接点)
学内の就職説明会でお話を聞いた。
③ 得た情報(エピソード重視)
病院見学の際、スタッフの方が移動中の何気ない会話でも、患者さんの表情をよく見て、声をかけている姿を見た。ここは、患者さんとのコミュニケーションを大切にしている印象が強い。
④ マッチング(結論)
ここであれば、心に寄り添うリハビリが、実践できる場所だと感じた。
ということで、病院の基本姿勢やリハビリ科の強みさえ分かっていれば、心に刺さる志望動機はそれほど難しくないでしょう。
とにかく事前のリサーチで勝負が決まるので、就活における病院見学では、どんな手を使ってでても情報を仕入れて下さいね。
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おわりに│志望動機に想いを乗せること
やはり、志望動機は自分の想いを乗せて、じっくり履歴書を仕上げたいですよね。
あとは、それを4つのステップで、面接官に伝えるだけでOKです。
面接の当日、面接官に突っ込まれて落ち込まないためにも、この簡単メソッドで志望動機をアピールして欲しいと思います。

それでは、志望動機が
上手に伝わりますように!
💡 就活中に「何を優先すべきか分からなくなったら」この「就活完全ガイド」に戻って全体の流れを確認してください。


