位置覚の検査方法!再現法・模倣法と運動覚との違いを図で解説

ベッドに寝ている女性患者。上肢を動かすセラピスト。 評価・治療・スキル
ダイ吉
ダイ吉

こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!

位置覚は、自分の手や足がどの位置にあるのかを感じ取る感覚です。

実習や授業では、

  • 位置覚ってどうやって検査するの?

  • 再現法と模倣法は何が違う?

  • 運動覚とは何が違うの?

と混乱しやすいところです。

そこでまず、位置覚の代表的な検査方法である、再現法と模倣法を整理しましょう。


スポンサーリンク

位置覚とは?

我々は、筋・腱・関節などから得られる感覚情報によって、手足の位置を把握できます。

だから、目を閉じていても、

「右膝はこのくらい曲がっている」

「左腕はこの高さにある」

と感じ取ることができるんですね。

位置覚の検査方法│ 再現法

再現法は、関節の位置を覚えてもらい、自分で同じ位置を再現できるかを確認します。

再現法の手順

まず、被験者を閉眼させます。

次に検査する上下肢を検査者が動かし、一定の位置で止めます。

位置覚検査をするイラスト。下肢を持ち上げてこの位置を覚えるよう指示。

その位置を覚えてもらったら、一度、ニュートラルポジションまで戻します。

そして、
先ほどと同じ位置まで動かすよう指示し、

位置覚検査をするイラスト。さっきの位置まで下肢を持ち上げるよう指示。

先ほどの位置を、再現できればOKです。

大幅にズレてしまったり、全然違う方向に動かせば、位置覚の低下を疑います。

位置覚検査をするイラスト。被験者が挙げた下肢が再現できているか確認している。

何回か繰り返して、上下肢の位置を再現できるか確認していきます。

位置覚の検査方法│模倣法

模倣法では、検査側の上下肢を他動的に動かし、反対側の上下肢で同じ位置を作れるか確認します。

模倣法の手順

まず、被験者に閉眼してもらいます。

次に検査する上下肢を検査者が動かし、一定の位置で止めます。

位置覚検査をするイラスト。下肢を持ち上げて反対の下肢もこの位置に揃えるよう指示。

その位置を保持したまま、
反対側の足を同じ位置にするよう指示し、

位置覚検査をするイラスト。次の指示を考えている様子。

両側の位置が近ければOK。

そのまま、次の課題を与えます。

位置覚検査をするイラスト。模倣法の次の指示を与えている様子。

大幅にズレてしまったり、全然違う方向に動かせば、位置覚の低下を疑います。

屈曲・伸展、外転・内転など、位置を変えながら何度か確認してみましょう。

再現法と模倣法はどう使い分ける?

再現法と模倣法の違いは、
検査したい側の上下肢を、

自分で動かせるかどうか? です。

もし、麻痺などで検査側を十分に動かせない場合、再現法は難しくなります。

その場合は、
検査側を自分で動かす必要のない、

“模倣法を選択” します。

ダイ吉
ダイ吉

麻痺なし → 再現法!

麻痺あり → 模倣法だよ!

位置覚と運動覚の違い

位置覚と混同しやすい運動覚

どちらも深部感覚であり、関節に関係する感覚ですが、確認している内容が違います。

  • 位置覚:手や足が「どの位置にあるか」

  • 運動覚:手や足が「どちらに動いたか」

運動覚では、例えば閉眼した状態で母指を軽くつまみ、上下どちらかへ動かします。

運動覚の検査のイラスト。母指を側方から把持し上か下かに動かす様子。

そして、

「上ですか?下ですか?」

と答えてもらいます。

関節の「位置」を確認するのが位置覚、動いた「方向」を確認するのが運動覚と整理すると覚えやすいでしょう。

位置覚・運動覚検査のポイント

位置覚や運動覚の検査ポイント!

✅ 必ず被験者を閉眼させて行う

✅ 痛みのでない可動域の範囲を動かす

✅ 5~10回の試行で正解率を記録する 

たとえ健常者でも、多少のズレが生じる検査です。もし、正解か不正解の判断に迷ったら、先輩や上司に相談してみましょう。

まとめ

位置覚は、自分の手足や関節が「どの位置にあるのか」を感じ取る感覚です。

検査は以下の2つ、

<再現法>
 覚えた関節の位置を自分で再現する

<模倣法>
 反対側の手足で同じ位置を作る

また、

 位置覚 = どの位置にあるか

 運動覚 = どちらに動いたか

この違いも整理しておきましょう。

検査手順だけを覚えるのではなく、患者さんの麻痺や筋力なども考えながら、再現法と模倣法を使い分けてみてください。

関連記事 感覚検査(触覚・痛覚)
10回法と10点法のやり方と判定基準
ダイ吉
ダイ吉

それでは、位置覚の検査が
上手にできますように。

【リハビリ評価】身体機能検査とバランスの正しい測定法まとめ
理学療法士が教える評価・検査マニュアル。ROM・筋緊張・深部腱反射などの基本から、バランス評価、感覚・神経系の検査をまとめてみました。