こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
症例報告の文献や発表においては、氏名や年齢など、多くの個人情報を扱います。
倫理的配慮やプライバシー保護は、各学会でも細かく設定しているため、たとえ不慣れな学生であっても遵守しなくてはいけません。
うん、学校でも
メッチャ言われる。
うっかりミスは、
絶対ダメだからね。
そこで今日は、匿名性を高めるために使用して欲しい、X年Y月Z日の使い方を紹介します。
最も多かった日付の設定
今回、この記事を書くにあたり、症例報告の文献をざっと20ほど読んでみました。
ほとんど医師の文献でしたが、最も多く使われていたのは発症日(入院日)でした。
皆さん最初に、「X年Y月Z日に発症」と書いておき、その後の文章で、発症-4日とか、発症の2日後とかの記載が多かったです。
あと、Y月とZ日は使わずに、
X年だけ書く人もいるよ。
X年Y月Z日の使い方
では、X年Y月Z日を使って、現病歴の日付を整理してみましょう。
2010年1月15日に発症したという設定で、模擬症例を進めてみます。
例)1月13日に症状を自覚した場合
X年Y月Z日に発症。
発症-2日、言葉のもつれが出現。
Z-2日でもOKですが、「発症」という単語に置き替えた方が書きやすいです。
例)1月18日よりリハを開始した場合
X年Y月Z日に入院。
入院+3日、リハビリテーション開始。
リハの場合、入院日の方が見やすいですね。
また、月が変った場合は、日数で書きます。
例)2月28日に転院した場合の書き方
X年Y月Z日に入院。
入院+43日、B病院へ転院となる。
この場合、Y+1月・Z+13日と書くとややこしいので、こちらの方が伝わります。
最後は、年も月も大きく変わる場合です。
例)2011年7月に再入院した場合
X+1年、7月に加療目的で再入院となる。
このように表記すれば、発症+18ヵ月とかよりもイメージしやすいと思います。
実習レポートも、匿名性の
高い現病歴を書いてね!
なるほど~、X年Y月Z日か。
現病歴の書き方
現病歴は箇条書きよりも、時系列に沿った文章の方が伝わりやすいです。
それでは、また別の症例で書いてみます。
【現病歴】
X年Y月Z日,自宅で立ち上がった際,右へ体がブレて座り込んでしまう.右上下肢に脱力感を認めたため,友人に電話で連絡.駆け付けた友人が119番に通報し救急車要請.友人に付き添われながら当院救急外来に搬送される.
搬送時の意識レベルはJCS:Ⅰ-2
頭部MRIで,左内包後脚付近に梗塞巣を認めたため入院となる.
発症+2日:ベッドサイドにてリハビリテーションを開始.
発症+4日:離床開始,リハビリ室にて起居動作.移乗動作訓練などを開始
※全て架空の情報です。
こんな感じでどうかな?
ふ~ん、なるほどね。
急性期であれば、ここ数日の情報をギュっと詰め込み、経過が長い慢性期であれば、断続的な情報を書いていきます。
実習のレポートと、学会の症例報告では、記載する情報も違うので、色々な文献を参考にしながら、その症例らしさを表現して下さいね。
おわりに
さて、患者情報の匿名性を確保するために、現病歴の日付に焦点を当ててみました。
色々な文献を読みましたが、適当に設定している人もいるので、それほどキッチリしなくても大丈夫そうです。
ということで、X年Y月Z日を使って、分かりやすい&伝わりやすい現病歴を作りましょう!
それでは、患者さんの現病歴を
上手に書けますように!