
本日のテーマは症例発表の
スライド作りだよ!
症例発表のパワーポイント、何から作ればいいか分からず困っていませんか?
「スライドの枚数は?」
「構成の順番は?」
「先輩に怒られない書き方は?」
など、実習中の忙しい時期に1からスライドを組み立てるのは本当に大変ですよね。
そこで今回は、そのまま文字を打ち込むだけで学会・実習レベルの発表スライドが完成する「症例発表パワーポイント構成テンプレート(.pptx)」を無料で配布します。

ここからテンプレートを
ダウンロードできるよ!
症例発表スライドの作り方(初心者向け)
1枚目から順番に作り始めるのは、途中でストーリーが破綻しやすいため絶対NGです。
失敗を回避する手順は以下の3つです。
✅ 先に「結論」を決める
「この症例で何を伝えたいか」発表のゴールを1行で決定しておく。
✅ データを冷酷に絞り込む
結論に関係のないノイズとなる評価データは、すべてスライドからカットする。
✅ テンプレートを埋める
揃ったデータと結論を、配布したテンプレートの枠組みに流し込む。

流れさえ決まったら、
あとは枠を埋めるだけ!
スライド構成テンプレ
配布した「shourei-template.pptx」の全15枚の構成は以下の通りです。学校や実習地で最も標準的な王道ルートとなっています。
◆ 2〜5枚:基本情報と現病歴
“はじめに”の下部に「書面にて同意を得た」旨を明記してあります。
◆ 6〜8枚:理学療法評価
結論に必要なデータのみに絞り込みますが、スライドが増えてもOK。
◆ 9〜10枚:ICF分類
情報や評価結果を、心身機能・活動・参加・背景因子の2枚に分けて整理。
◆ 11〜12枚:プログラムとゴール
リハ内容とSTG・LTGを明記します。
◆ 13枚目〜:経過・考察・まとめ
必要なら“まとめスライド”を作成。最後は「ご清聴ありがとうございました」で終了。
このテンプレが軸になるので、初心者でも迷わずスライドを作れます。
タイトルの作り方
タイトルは、発表の“入口”です。ひと言で内容を伝え、聞き手に「この発表で何が学べるのか」をイメージさせましょう。

失敗しないタイトル作成のポイントは3つ。
-
ひと目で分かる「テーマ」を決める
まずは、どんな症例か、どんな状況かを伝え、最も伝えたい軸をはっきりさせます。テーマの例_
・重度の上肢麻痺を呈する〜
・パテラ欠損症例に対する〜
・急性期でせん妄を合併した〜 -
「この発表の見どころ」を添える
続いて、どこに着目した介入なのか、過程における工夫などを示します。アピールの例_
・早期介入により体温変動へ着目した
・独自の立ち上がり介入を取り入れた
・環境調整と家族指導に重点を置いた -
最後に「どんな変化があったのか」を示す
聞き手が欲しがる、最終的にどう良くなったのか(アウトカム)を示します。アウトカムの例_
・動作能力が改善した一例
・立ち上がり動作が安定した症例
・在宅復帰につながったケース


実際に“どうなったのか”
結末を書いてね。
「〜を目指した症例」「〜に取り組んだ症例」など、過程だけで終わると、何が良くなったのかが伝わらないため避けましょう。
「はじめに」の書き方
発表は「はじめに」で始まります。理由は、発表全体の道筋を示すパートだからです。
次の3つの要素を参考に、どこに注目すべきかを聞き手に伝えていきましょう。
- 対象(どんな症例か)
例:経過の長い中枢疾患、ADLに波がある症例など。 - 問題点(なぜ介入が必要だったか)
自宅生活が困難、介助量が増えた、など背景を簡潔に。 - 発表の目的(どんな点を報告するのか)
自宅復帰までのプロセス、症状増悪への対応など。


コツは、発表のゴールを
先に伝えること。
ここで方向性が明確になると、後のスライドが自然に理解されやすくなります。

患者情報(症例紹介)のまとめ方
症例紹介は、発表の“基本情報”を確認するパートです。
ここでは、発表テーマに関係する情報だけを、シンプルにまとめることが大切です。
また、主訴・生活背景・家族構成などは、まとめて載せるよりもスライド2枚に分けて記載すると読みやすくなります。
現病歴のまとめ方
現病歴では、発症から現在に至るまでの“変化点”だけを時系列で整理します。
情報が細かすぎると流れが分かりにくくなります。次の3つのポイントを意識し、大きな出来事に絞り込みましょう。
- 時系列を簡潔に並べる
発症 → 入退院 → 悪化 → 今回の入院、など、重要な変化点のみを拾うこと。 - 今回のテーマにつながる要素を入れる
介助量が増えた、動作が不安定になった、家族が困っていた…など、後の介入や評価に影響する要素を先に伝える。 - スライドは箇条書き、説明は口頭で補足
箇条書きは視覚的にスムーズに伝わります。必要に応じて口頭で補足しましょう。

現病歴は、症例の歴史を簡潔に伝えるパートです。ここが整理されていると、後の評価や介入の流れが非常に理解しやすくなります。
評価スライドの作り方
評価のスライドは、どうしても情報量が多くなりがちです。

聞き手にストレスなく伝えるには、発表テーマに関係する情報だけに絞る必要があります。
次の2段階でまとめるとスッキリします。
- 全体像を伝える評価(1〜2枚)
疾患の特徴や現在の状態がイメージできる程度でOK。
・麻痺・筋緊張・反射
・基本動作の概要
・神経・感覚所見の要点細かい数値は不要で、「どんな患者か」が分かれば十分です。
- テーマに沿った評価(3〜4枚)
発表の結論につながる部分を強調します。
・パフォーマンスを左右する要素
・生活上のリスク
・介助方法との相性評価項目が増えると、情報が散漫になりがちです。発表の目的に関係ない情報は削ることで、テーマが明確に伝わります。

ICFの見せ方
症例の情報整理に役立つICFですが、情報を詰め込み過ぎると逆効果です。
テーマに関係する部分だけを、以下の2つに絞って聞き手の理解を深めましょう。
- 生活機能(心身機能・活動・参加)
・動作がどの程度できるか
・体調や環境で能力がどう変動するか
・ADLの自立度
- 背景因子(環境因子・個人因子)
・家族の介護負担
・住宅環境や支援体制
・症例の性格・生活習慣など
ICFでは、何が“ボトルネック”になっているかを、一目で伝えられるようにしましょう。

細かい分類なんて、
気にしないでOKだよ!
問題点抽出のコツ
問題点抽出は、評価結果をもとに“問題の本質”を整理する重要パートです。
難しく考える必要はなく、2つの問いに答えるだけで、簡潔に整理できます。
- 症例が最大限の能力を発揮できない理由は何か?
- その問題を改善するために必要な条件は何か?
評価で得た情報をすべて並べるのではなく、“介入に直結する要因を”1〜2つに絞ることがポイントです。
問題点抽出の例_
・筋スパズムによる動作能力低下
・過介助が自立支援の妨げになっている
・疼痛管理不足による回復遅延
単なるまとめではなく、発表者の臨床推論を示す重要な場所です。

ここが明確になると、後のプログラム・ゴール設定・考察まで自然につながり、発表の軸がしっかり通ります。
プログラムの書き方
プログラムでは、問題点抽出で明らかになった課題に対して、どんな介入を、なぜ選んだのか を短く示します。

新人がやりがちなのは「実施した内容を全部書く」ことですが、発表では3〜4項目に絞るのが最も伝わりやすい形です。
まとめる際のポイントは次の3つです。
- 課題に直結する介入だけを選ぶ
例:体温管理(自己クーリング指導)、立ち上がり動作(自立度向上)、移乗(家族の介護負担軽減) - 優先した理由を一言添える
パフォーマンス向上(自立度向上)、介助量の軽減(家族負担の軽減)など、発表のテーマに直結する理由を簡潔に示す。 - 実施内容はキーワード中心に書く
実施内容は簡潔なキーワードで書く。詳細な方法や技術的な部分は、発表時に口頭で補足する。
プログラムは作業の羅列ではなく、“問題をどう解決するか”の道筋を示すパートです。
結論までの流れが自然に通るよう、必要な介入だけに絞って整理しましょう。

ゴール設定の書き方
ゴール設定は、介入の方向性と成果を示す重要なパートです。ここが曖昧だと、発表全体の印象も弱くなってしまいます。

よって、STG(短期ゴール)、LTG(長期ゴール)に分け、具体的に示すことが大切です。
押さえるポイントは次の3つです。
- 具体的な動作がイメージできる
「片側介助で移乗ができる」「立位保持が30秒安定する」など、介助量や時間を入れましょう。 - 変化が追える形で書く
STG「立位保持30秒」、LTG「立位保持自立」など、“段階的な変化”が説明できると、この後の経過に移りやすくなります。 - 症例の実情に合った目標にする
普段、車いす移動が基本であれば、たとえ平行棒内で介助歩行が可能でも、車いす自走自立をゴールにすることで、介入の意図が聞き手に伝わります。


症例の実情に合った、
現実的な目標に設定してね。
ゴールは“大きな成果”を書く場所ではなく、なぜその目標を設定したのか?これを事実ベースで説明できることが大切です。
経過スライドの作り方
経過スライドでは、介入によってどんな変化が起きたのかを、時系列で簡潔に示すことが目的です。
細かい経過をすべて載せる必要はなく、“大きな変化点だけ” を拾うのが最も伝わりやすい形です。
まとめる際のポイントは次の3つです。
- 変化のあった週だけ記載する
例:クーリングで動作が安定、立位保持が向上、介助量が減った など。 - 主観より客観を優先する
「〜が可能となった」「〜を安定して行えた」など、事実ベースで。 - ゴール設定とつながる記載にする
STG・LTGがどの程度達成できたのかが分かる内容を中心にまとめる。
経過は、介入と結果のつながりを示すパートです。良くなった点だけでなく、悪化や停滞も正直に記載すると、発表に厚みが出ますよ。
考察スライドの作り方
考察では、「なぜその結果になったのか」「どの要因が影響したのか」を短く整理します。

難しい理論を詰め込む必要はなく、結論 → 根拠 → 文献(または理論) → 示唆 の4つを簡潔に並べるだけで十分です。
まとめ方の流れはこうです。
- 結論(今回の結果を一言で)
例:体温管理と介助方法の見直しが、動作能力の向上につながった。 - 根拠(経過や評価から得られた事実)
例:クーリングで動作が安定した、適切な介助でパフォーマンスが出せた、など。 - 文献・理論の裏付け※短くてOK
症状増悪と体温、介護負担と在宅復帰など関連するものを1〜2個。 - 示唆(今回得られた考え)
例:生活環境や家族教育が能力発揮に影響する、など。

考察は「きれいな答えを書く場所」ではありません。症例から“自分が何を学んだか”を言語化することです。
シンプルに、カッコつけず、正直にまとめる方が、きっと聞き手に伝わりますよ。

スライド準備お疲れ様。
あとは、発表の準備だね!
スライド完成後は発表の準備
症例発表の場では、たとえ発表スライドが良くても、「時間オーバー」や「質疑応答での沈黙」などの落とし穴があります。
新人が本番で絶対に失敗しないための「台本の作り方」や「質疑応答を安全に切り抜ける極意」は、以下の記事で徹底解説しています。
発表直前になる前に、余裕をもって確認をしておきましょう。
まとめ
症例発表のスライド作成はセンスではなく、正しい「型」に沿ってデータを流し込むだけの作業です。
タイトル → はじめに → 患者情報 → 評価 → ICF → 問題点抽出 → プログラム → ゴール → 経過 → 考察
この流れを守れば、初心者でも迷わず学会レベルのスライドを組み立てることができます。
まずは、配布したテンプレートに、手元にあるデータを冷徹に絞り込んで、枠を埋めることから始めてみてください。
👉 カルテ業務や症例発表の準備なら、このまとめ記事をチェック!


それでは、次の発表準備に
取り掛かろう!


