[リハビリ]初めての症例発表!スライド作成から話し方まで

セラピスト
ダイ吉
ダイ吉

PT・OTの皆さん、

症例発表してますか!

確か理学療法士協会の、新人プログラムの中にも、症例発表ってありましたよね。

その他にも、研究会や学会に所属していれば、学術大会や報告会などで、挑戦する機会は多いのではないでしょうか。

そこで今日は、症例発表をする際の、スライドの作り方、発表の方法などを、まとめて解説しちゃおうと思います。

内容は、初めて発表する人、発表経験が少ない人に向けた、ゆるめの内容です。また長文なので、肩の力を抜きながら見て下さい!

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症例発表について

実習中の症例レポートは、やらされていた感がありましたが、セラピストの症例報告は、

こんな治療で良い結果が出たよ!

こんな珍しい疾患を体験したよ!

こんな工夫で障害を乗り越えたよ!

このように、医学の進歩に貢献する、前向きな気持ちで実施されています。

そして、発表の形式は2つあります。

<ポスター発表>
掲示板に症例の情報を貼り付け、その前で来場者とディスカッションする。

<口述発表>
壇上でスライドを表示しながら、参加者に向けて発表する。

スライド作成の場合、細かなルールは発表する研究会や、学会により異なるので、指定されたルールに従って準備して下さい。

発表者
発表者

今回は、口述発表になりました。

スライド作成と話し方

それでは、架空の症例を使って、模擬的に症例発表を進めてみます。

発表者

ドキドキするな~。

ダイ吉

ははっ、頑張って。

タイトル

1枚目には、タイトルと所属を書きます。

座長がタイトルと、所属の説明をしたら、時計が動き始めるので開始となります。

面接官
座長

え~それではお願いします。

ここでは、落ち着いて、

発表者
発表者

それでは、発表を始め

させて頂きます。

と言って、次のスライドをポチしよう!

はじめに

まず最初は、全体的な流れを「はじめに」で伝えます。

どんな病気(障害)に対し、何をしてどうなったのか?まず聞き手に、注目するべき点を絞って伝えて下さい。

発表者
発表者

まず、はじめに

本症例は、経過8年目の四肢麻痺を呈する多発性硬化症患者です。

今回、症状増悪により自宅生活の継続が困難となったため、家族の介護負担軽減を目的にリハビリテーションを実施しました。

そこで今回は、自宅復帰までの経緯について報告をさせて頂きます。

この導入により、聴いている人に大まかな結末を予測させます。よって、ここはじっくりと時間を掛けて良いでしょう。

ダイ吉
ダイ吉

スライドは、キーワードを

時系列に並べて記載しよう。

説明と同意

私は、このスライドを必ず入れます。

発表者
発表者

続いて、倫理的配慮と

利益相反についてです。

今回の報告において、症例には事前に十分な説明をし、書面で同意を頂いてます。

書面っていうのが大事です。口頭だけの同意は、何も意味をなさないのでNGですよ。

また、利益相反にあたる企業はなく、当院の倫理委員会より認証を受けています。

ダイ吉
ダイ吉

症例報告の場合、倫理審査は

必ずしも必要ではないよ。

症例紹介

では、ようやく症例紹介になります。

ここでは、一般情報、医学情報、社会情報を混ぜつつ、単語だけをスライドでOKです。

発表者
発表者

続いて、症例紹介です。

症例の氏名はY氏、60代の男性で、身長、体重、BMIは以下の通りです。

診断名は、多発性硬化症で、合併症は排尿障害に伴う尿路感染があります。また、既往歴のヘルニアに関しては、Ope済で現在、症状はありません。

そして、スライドを進めよう。

[ポチっとな]

主訴は、麻痺により脱力感が強いこと、Demandは自宅復帰となっております。

Key personは、同居している妻で、その他のご家族は遠方に居住されています。

症例紹介の情報は、箇条書きで表示し、スライドは2~3枚で済ませましょう。

関連記事 実習レポートは最初が肝心!症例紹介に書く情報のまとめ

現病歴

現病歴とは、この病気の歴史と、入院するまでの経緯を、簡単にまとめる場所です。

大きな出来事を、時系列に並べて記載します。

発表では、1つずつ読み上げるのではなく、文章にして説明すると良いと思います。

発表者
発表者

続いて、現病歴です。

症例は、約8年前の発症から、全身に力が入らなくなり、その4年後に車イス状態になっております。

その後、定期的に入退院を繰り返していたものの、奥様より自宅生活が続けられないと訴えがあり、今回の入院に至りました。

ダイ吉
ダイ吉

現病歴は、その人の歴史。

単語やキーワードだけを並べるよりも、なんかドラマ仕立てにした方が良い気がします。

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理学療法評価

理学療法評価は、全部の検査結果を記載しようとすると、どうしても量が多くなります。

ダラダラした記載にならないよう、以下の2つを意識して、スライドを作るようにしてます。

<1~2枚目のスライド>
オーソドックスな検査結果を載せ、全体像をイメージさせる。

<3~4枚目のスライド>
テーマに沿った部分を強調し、症例らしさを表現する。

欲張って多くの情報を載せようとすると、スライドの枚数が、とんでもない数になります。

ダイ吉
ダイ吉

慎重に選定しなきゃね。

今回は、中枢疾患ということで、神経学的な所見から載せてみました。

発表者
発表者

では続いて、理学療法評価です。

四肢麻痺は、下肢の方が症状が強く、痙縮を伴う筋緊張の亢進があります。

また、DTRは全般で亢進し、病的反射およびクローヌスも陽性。

疾患特有のウートフ現象があり、体温の上昇に伴う症状増悪がありますが、クーリングにて即時的に軽減します。

※ウートフ現象=体温上昇による神経症状悪化
 

[ポチっとな]

発表者
発表者

え~、また

脳神経の異常としては複視がありますが、発話や飲み込みなどに問題はありません。

温痛覚に異常はないものの、外気温に過敏で、体温上昇を気にすることが多いです。

また、排尿障害に対しては、尿カテ留置で対応しています。

その他にも、身体機能の情報を載せたいところですが、残りは質疑応答で補足します。

この辺で一旦撤退して、動作やADL面に移りましょうか。

[ポチっとな]

発表者
発表者

え~、動作レベルでは

移乗に必要な立ち上がりですが、離殿後に両膝を伸展させロッキングをしています。

そこからベッド柵に掴まる際、身体が倒れてしまうので、移乗では、転倒および転落のリスクがあります。

[ポチっとな]

発表者
発表者

え~、また

起居動作や移乗は、自立~中等度介助と調子により介助量に幅があります。また、車イスは方向転換も含め自走可能です。

セルフケアは準備の介助があれば、車イス上で自立しているものが多い状況です。

また、主介護者は過介助傾向で、症例自身も受動的な生活になっているようです。

姿勢や動作では、画像とか動画を挿入したいところです。しかし、画像や動画の掲載は、主催者側が制限をすることが多いです。

ダイ吉
ダイ吉

年々厳しくなっているね…。

画像や動画の扱いは慎重に!

ICF分類

では、ここで一旦、情報を整理しましょう。

各項目に分けることで、症例の置かれている全体像を、あらためて伝えます。

発表者
発表者

では、ここで症例の情報を
ICFで分類します。

生活機能では、体調によりADLのレベルが大きく変化すること、またそのトリガーが体温上昇にあることが挙げられます。

背景因子では、妻の介護負担軽減が、自宅復帰に向けた課題だといえます。

本来なら、健康状態、心身機能と身体構造、活動と参加など、全ての項目を載せたいところですよね。

ただし、欲張ると小さい記載になるので、スライドでは不向きなんですよね…。

ダイ吉
ダイ吉

生活機能と生活背景の、

2つの項目でまとめよう。

統合と解釈

このスライドは、少し難しいです。

ICFで分類した情報から、原因となっていること、アプローチの優先順位、などを説明していきます。

当然、挙げ出したらキリがないので、ここは言いたい事を1つに絞って下さい。

では、発表を再開します!

[ポチっとな]

発表者
発表者

続いて、統合と解釈に移ります。

本症例が、動作において最大能力を発揮するには、体温を下げること、過介助とならないという、2つの条件が必要です。

よって、体温のコントロールと、最低限の介助方法を提示することで、介護負担感の軽減が可能だということが判明しました。

ダイ吉
ダイ吉

いや、少ないよね…。

でも仕方がない!

関連記事 リハビリ実習生に教えたい!これが統合と解釈の書き方だ

プログラム

では、自宅復帰に向けて、課題をクリアするための方法を説明しましょう。

[ポチっとな]

発表者
発表者

こちらが、リハプログラムです。

そこで、まず体温調整のために、腋窩および鼠径部への自己クーリングを指導しました。

続いて、立ち上がり訓練では、膝ロッキング後の上肢の使い方と、体幹前屈を抑えるための股関節伸展運動の実施。

最後に、片側からの腋窩介助で、アームレストから手摺りへの持ち替え、方向転換の反復練習を実施しました。

もちろん、その他にもたくさんやってます。痙縮筋に対するアプローチ、その他の動作練習もプログラムに入ってますよ。

発表後の質疑応答で、何とでも説明できるので、スライドは端的に絞っておきます。

関連記事 実習生は気を付けろ!こんな治療プログラムは突っ込まれる

ゴール設定

では、リハプログラムで達成したい、今後の目標を提示していきます。

[ポチっとな]

発表者
発表者

ゴール設定はこちらです。

STGでは、パフォーマンスを上げるためのクーリングを指導し、手摺りの持ち替え時だけの介助で移乗が可能となることとしました。

LTGでは、自宅復帰の課題である、妻一人の介助で、負担なく移乗が可能となることに設定しました。

ここでは、達成基準と期間を、具体的に説明できるといいですね。

関連記事 リハビリのゴール設定!具体的な達成基準と期間の決め方

経過

それでは、どのように変化があったのか、週単位で経過を載せていきましょう。

[ポチっとな]

発表者
発表者

それでは経過に移ります。

リハビリ中も体温調整をすることで、最大能力が出しやすい環境となりました。

2週目からは、平行棒内であれば立位保持が可能となり、パフォーマンスの向上がみられました。また、妻が来院している際には、簡単なストレッチと、介助方法を指導しました。

4週目には、ベッド~車イスでの移乗が、見守り~軽介助となったため、一泊二日の試験外泊後に自宅退院となりました。

ここでは、良くなったことだけじゃなく、悪化してしまったことも書いてOKです。

ダイ吉
ダイ吉

大きな変化があったものは、
全て記載しておこう。

考察

では、その経過を踏まえて、どのような考察に至ったのか説明しましょう。

[ポチっとな]

発表者
発表者

では、考察に移ります。

虎吉らは、介護負担に対するケアが、在宅復帰率へつながる可能性を示唆しています。

また、タマらは、低体温症による生理機能の低下が、原疾患の症状悪化につながるリスクについて報告しております。

発表者
発表者

よって、本症例においては、

空調も含めた、生活サイクル全般の見直しが必要だと考えました。

今回、症例だけでなく、家族への指導も含めて、介護負担軽減の対策ができたことが、自宅復帰の実現につながったのではないかと考えます。

どこに原因があって、なぜその結果になったのか、考察でプレゼンして下さい。

関連記事 考察の書き方は無限!だからどうやって書くのかが分からない

その後は、まとめスライド、結語スライドを使って、締めくるのもOKです。

発表者
発表者

以上で、発表を終わります。

ご清聴ありがとうございました。

とりあえず、無事に終われたようです。

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症例発表の注意点

では最後に、スライド作成と発表に関して、何個か注意点を書いておきます。

スライド作成の注意点

まず、文字は詰め込み過ぎに注意です。そして半角や全角、フォントなどは全体を通して統一しましょう。

もし、書き方がよく分からない場合は、とりあえずキーワードの箇条書きでOK。

ダイ吉
ダイ吉

派手なアニメーション機能は、
使わない方がいいかも?

もし、カチカチっとしたスライドが作りたい人は、「内科医たくゆきじ」さんの、この記事がおすすめです。

学会発表を控えた医学生、研修医は必見! 症例報告のスライドの作り方を解説!
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やはり、ドクターの発表は違うね。

時間を守ること

社会人のモラルとして、発表時間は必ず守って下さい。与えられた時間の、前後30秒で終えられるのが理想です。

また、時間が足りない人は、

発表者
発表者

ご参照下さい。

を連打する場合が多いです。飛ばす位の情報なら、そもそも載せなくても大丈夫でしょう。

ダイ吉
ダイ吉

スライド削っちゃいなYO!

質疑応答のコツ

座長やフロアーから質問があった場合は、

発表者

ご質問ありがとうございます。

といってから、回答し始めましょう。

また、複数の質問をされることもあるので、聞き返さないようにメモを取って下さい。

最後まで気を抜かないように!

おわりに

今回の内容は、全ていち個人の経験談です。

本番の前には、施設内の予行演習会などで、色々な人から意見をもらいましょう。

本番は噛まずに伝えられるといいね!

ダイ吉
ダイ吉

ご清聴ありがとうございました。

慢性疼痛を徒手療法で治す!痛みの評価から治療までを完全解説|ダイ吉@教員×理学療法士|note
こんにちは、理学療法士のダイ吉です。 肩が痛い、腰が痛い、膝が痛い…。 こんな訴えを患者さんから聞くと、何とかしてあげたくなりますよね。 痛みが取れるセラピストになる!これは、私の学生時代からの目標で、今でも慢性疼痛について勉強をしています。 そこで今日は、慢性疼痛を改善させるための、徒手療法について解説をして...