こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
リハビリの評価実習や治療実習では、症例に対して治療プログラムを立案します。
でも、せっかく立てた治療プログラムを、レジュメ発表の質問で突っ込まれてしまい、困った経験はありませんか?
うん、フルぼっこされた…。
ありゃりゃ…。
粗探しをされると辛いですよね…。
そこで今日は、突っ込まれやすい治療プログラムの特徴と、無事にレジュメ発表を終わらせるためのコツを、紹介したいと思います。
突っ込まれる治療プログラム
レジュメ発表の最後の質疑応答では、
なぜ、その訓練内容なの?
なぜ、その回数にしたの?
といったように、残りのライフが少ない学生にも、容赦ない質問がバンバン来ますよね。
う…、実際こんな感じだった。
生きた心地しないね。
う~ん、せっかく頑張って考えたのに、なぜ突っ込まれてしまうのでしょうかねぇ…。
ちょっと、その特徴を振り返りましょう。
訓練内容が曖昧すぎる
例えば片麻痺患者に、麻痺を改善させて歩容を良くする!という目標を立てたとします。
そして、この治療プログラムを立てました。
【ゴール設定】
歩容改善(独歩自立)
【治療プログラム】
#1 下肢のストレッチ
#2 下肢の筋力訓練
#3 持久力訓練
#4 歩行訓練
いや、ざっくりし過ぎて、どのようなことをするのか、頭の中で想像ができません。
どの姿勢で、どのような道具を使い、何回実施するのかを記載しておかなければ、突っ込み所満載のレジュメになってしまいますね。
評価との整合性がない
レジュメ発表では、整合性が求められます。
よって、自分が実施した評価と、治療プログラムの内容が合っていなければ、当然質問の対象になってしまいます。
【評価結果】
方向転換が不安定なため、
移乗動作に介助が必要となる。
【治療プログラム】
#1 立ち上がり訓練
#2 車イス自走訓練
#3 ADL訓練(トイレ動作)
聞いているセラピストは、評価の項目と結果を見て、大事な部分が、しっかりカバーされているのかを確認するはずです。
ここがダメな原因だ ⇒ だからこの訓練だ!
この単純な公式が崩れていると、整合性がないぞ!って突っ込みが入ります。
内容が短絡的すぎる
最後は、患者さんの主訴や苦手な動作を、そのままやらせるだけのプログラムです。
【主訴】
食器の片付けができない
靴下を履くのに時間が掛かる
【治療プログラム】
#1 食器を持って歩く × 3往復
#2 靴下の脱ぎ履き × 左右5回ずつ
このような、ド素人でも簡単に思い付く、短絡的な治療プログラムもNGです。
この内容だったら、自分の家で
1人で訓練してるよね…。
う~ん、実習で怒られた理由が
何となく分った気がする…。
やはり治療プログラムは、様々な評価結果を反映した上で、根拠がある内容にしなくてはいけませんね。
根拠のある治療プログラム
根拠がある治療プログラムは、以下の2つの項目で構成すると失敗しにくくなります。
絶対に良いとされるもの
1つ目は、離床を促すための座位訓練など、当たり前すぎるプログラムはOKです。
その他にも、痙縮に対するストレッチや、体力向上目的の歩行訓練なども、当たり前の内容のため、突っ込み所がありません。
また、そのようなベーシックな訓練は、ジャーナルや論文で理論武装をしておくと、さらに鉄壁になるので安心できますね。
実際に効果があったもの
実は、文献に書いてあることよりも、実際に自分で確認したことの方が強い根拠になります。
例えばROM-exにより、即時的に関節可動域が改善し、自分で動かせる範囲が広がった!などが該当します。
この訓練をやると、こんな変化があった!
この練習の後は、こんなに上手にできた!
これが「根拠」となるので、どんな質問が来ても、このパワーワードで跳ね返せます。
「効果があったからです!」
これ、すごい説得力だね。
相手はぐうの音も出ないよ。
このように、効果があったもので、治療プログラムを構成しておけば、安心してレジュメ発表に臨めると思いますね。
おわりに
今まで、なぜ治療プログラムに自信が持てなかったのか? その答えは、情報が圧倒的に不足していることだったんですね。
だから、患者さんの身体をよく触り、よく会話をして、何個も何個も情報を積み重ねていきましょう。
そうすれば、いずれ誰にも文句を言わせない、その患者さんに適した、リハビリのプログラムが立てられるようになっています。
是非、頑張ってみて下さい!
それでは、実習のレジュメ発表が
無事に終われますように!