こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
今日のテーマは、統合と解釈の書き方です!
実際、臨床に出ているセラピストも、書き方を理解していないケースが多く、実習生への指導方法もバラバラなようです。
前回の実習で、レポートの
統合と解釈でボコられた…。
ありゃりゃ、大変だったね。
私からすれば、こんなシンプルなものが、なぜ混乱を招いているのか不思議です。
そこで今日は、統合と解釈の書き方を、ケーススタディ方式で解説していきます。ぜひ、実習前に習得して下さいね。
統合と解釈とは
統合と解釈という言葉は、一般的には使用しません。その証拠に、ネットで検索すると、リハビリの記事ばかりがヒットしますね。
言葉の意味
まず、言葉の意味を分解してみましょう。
統合(とう‐ごう)
二つ以上のものを合わせて一つにすること。「二つの部署を統合する」解釈(かい‐しゃく)
言葉や文章の意味・内容を解きほぐして明らかにすること。また、物事や人の言動などについて、自分なりに考え理解すること。デジタル大辞泉より
辞典には、このように書かれております。
これをリハビリに当てはめると、2つ以上の情報を合体させた時に、何が理解できたのか?という意味になります。
統合と解釈の役割
リハビリの評価には、患者情報や検査結果といったように、数多くの情報を扱うため、すぐに渋滞してしまいます。
たしかに、サマリーの文字が
多くて、見にくかったかも。
情報が多すぎると、
処理できないんだよね。
でも、もうその心配はありません。
正しく統合と解釈をすれば、全ての情報を小さく折りたたみ、優先順位を付けて、綺麗に陳列することができますよ。
考察との違い
考察との違いは、主観が入らないことです。
考えない! 悩まない! 推察しない!
そのため、考察は人によって答えが変わるのに対し、統合と解釈では、誰がやってもほぼ同じ答えになるのです。
といっても、イメージが付かないと思いますので、こちらの記事で確認してみて下さい。
統合と解釈の書き方
では、こんな例を用意してみました。
書き方その1
とある患者さんは、座位だと真っすぐに座れるが、どんなに頑張っても、立位では前傾・前屈姿勢になってしまう。
この情報だけで、統合と解釈してみます。
【統合する情報】
① 立位だと前傾姿勢になってしまう
② 座位であれば真っすぐに座れる
【解釈できること】
前傾姿勢の原因は下肢にある
はい、終わりました!
え、たったこれだけ?
うん、これだけだよ。
下肢の影響を受けない座位だとできるが、下肢の影響が大きい立位だとできない。
じゃあ、原因は下肢にあるんじゃん!ってことでOKですよね。さっき宣言した通り、主観が入ることなく結果が出せました。
書き方その2
あっけなくて、消化不良だと思いますので、少しずつレベルアップしていきます。
子供が三人いましたが、残念なことにケーキが2つしかありません。子供達は、全員ケーキを食べたがっています。
この状況で、統合と解釈をしてみます。
【統合する情報】
① ケーキを食べたい子供が三人いる
② 今あるケーキは2個だけ
【解釈できること】
ケーキが1つ足りないことが問題
はい、終わりました!
え、何も解決してないじゃん。
うん、だって問題点を
明確化しただけだもん。
ここで注意したいのが、これ以上の答えを求めると、必ず主観が入ってしまう点です。
ケーキをもう1つ買ってこよう!
いや、2つを三人で分ければいい!
といった感じで、きっと複数の意見に分かれるので、この情報だけでは判断に至りません。
ただし、統合する情報が変化すれば、どのように対応するのか判断することができます。
では、情報を追加してみましょう。
なんと、右にいる女の子は既にケーキを1つ食べていたのです。
【統合する情報】
① ケーキを食べたい子供は三人
② 今あるケーキは2個だけ
③ すでに1人はケーキを食べた
【解釈できること】
欲張りな子が1人いることが問題
う~ん、僕みたいな子だな!
いや、自分で言うの…?
③の情報が足されたことで、先ほどの統合と解釈よりも解決策が簡単になりました。
もう1つ買ってくるとか、三等分するよりも、右の子に我慢をさせる!ことが、より正しい対応だと判断できますね。
これが、統合と解釈の役割です。あとは、これを人間の身体に当てはめればOKですよ!
いや、そこが難しいんじゃん…。
統合と解釈が失敗する原因
今まで、統合と解釈が上手く書けなかった人は、以下の原因が考えられます。
<失敗する原因Best3>
✅ 考えなどの主観が入っていた
✅ 複数のことを解釈しようとしていた
✅ 解決策に感情が入ってしまった
まずは、主観や感情を排除することに専念して下さい。そうすれば、判断できること、証明できたことが浮かび上がってくるはず。
ぜひ、チャレンジしてみてね。
おわりに
統合と解釈は、三段論法に似ています。
A=B B=C よってA=C
そして、哲学でも使われています。
① 全ての人間は死ぬものである
② ソクラテスは人間である
③ だからソクラテスは死ぬものだ
実際は、この程度のシンプルさです。だから苦手意識があった人は、難しいことをやろうとし過ぎていたのですね。
これからは、肩の力を抜いてね!
それでは、統合と解釈が
上手にできますように。