片麻痺の異常歩行!なぜぶん回し歩行になるの?

歩行
ダイ吉
ダイ吉

こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!

本日のテーマは、ぶん回し歩行です。

この歩行は、脳卒中片麻痺患者でよくみられる異常歩行で、これを改善させようと多くのセラピストが頑張っています。

プク太
プク太

この歩行は実習でも
苦労したよ…。

ダイ吉
ダイ吉

最初は「なんだこれ?」
ってなっちゃうよね。

ぶん回し歩行は、脳卒中片麻痺患者さんが何とか前に進もうとした結果、色々な代償が詰まって完成した歩行です。

そこで今日は、この異常歩行の仕組みついて、簡単に解説してみたいと思います。

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なぜぶん回し歩行になる?

よくいわれるのが、共同運動により股関節屈曲させたら、ありゃ…勝手に外転筋にも力が入っちゃった!的な原因ですよね。

実際はもっとシンプルで、動かない足を何とか前に出そうという気持ちが、ぶん回し歩行を出現させているんです!

よくセラピストが、足は真っすぐ出して!と声を掛けていますが、もし私が患者なら

ダイ吉
ダイ吉

できるなら最初っから
やってるけど…。

と、ツッコミを入れると思います。

プク太
プク太

うん、そりゃそうだね…

ぶん回し歩行は、片麻痺患者さんが何とか足を振り出そうと、一生懸命に頑張った結果に出現する歩行です。

だから、否定をするのは止めましょう。

ぶん回し歩行の仕組み

では、ぶん回し歩行の解説に移ります。

下肢を浮かせたくなる

下肢の振り出しができない原因は麻痺です。だから、動かそうにも動きません。

でも、何とかしたいですよね。

足を浮かさなきゃ始まらない…。

麻痺側の荷重を抜く

まずは、麻痺側を持ち上げるために、非麻痺側に荷重を移行します。

ダイ吉
ダイ吉

非麻痺側だったら、
怖くないよね。

骨盤を引き上げる

続いて、体幹筋群をフル活用して、麻痺側の骨盤を引き上げる作業をします。

すると、筋や靭帯の張力により、麻痺側の股関節は外転してきます。

かなり不格好ですが、目標であったクリアランスは何とか確保できました。

非麻痺側股関節の内旋

ただし、下肢を振り出すための腸腰筋は、麻痺のため動きません。

プク太
プク太

じゃ、どうやって足を
前に出すのさ?

ダイ吉
ダイ吉

非麻痺側で麻痺側下肢を
コントロールするんだよ。

クリアランスが確保できた状態で、非麻痺側股関節を内旋させると、

なんと!

麻痺側下肢を前に振り出さなくても、麻痺側下肢がぶん回しの軌道で前に移動します。

これで半歩進むことができました。

このように、麻痺側が前に出せない人は、仕方なくぶん回してしまうんですね。

プク太
プク太

そっか、骨盤と非麻痺側を
観察する必要あるのね。

ダイ吉
ダイ吉

うん、そういうこと!

皆さんも、ぶん回し歩行を確認したら、骨盤の引き上げと一緒に、非麻痺側の股関節内旋もチェックしてみましょう!

おわりに

さて、ぶん回し歩行の仕組みが分かったら、その人にあったリハビリを提供していきます。

 必要以上に骨盤を引き上げていないか?

 足は毎回、同じ場所に着けているか?

同じぶん回し歩行でも、その患者さんの特徴をしっかり評価しないと、個別性の高い訓練はできません。

どうしたら少しでも恰好よくなる?と疑問を持ち、患者さんと相談しながらリハビリを進めていきましょう。

ダイ吉
ダイ吉

それでは、ぶん回し歩行の
観察が上達しますように!