こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日のテーマは、筋力低下についてです。
普段のリハビリ評価において、私は絶対に「筋力低下」を問題点に挙げません。
え~筋力って大事じゃん。
うん、大事だよ。
大事ですが、問題点に挙げるのはNGです。
ということで本日は、普段から筋力低下を問題視しているセラピストを、完全に論破して行こうかと思います。
筋力低下は問題点じゃない
それでは、筋力低下が問題点にならない理由を、1つずつ挙げて行きますね。
高齢者なら当たり前
人間の身体は、必要な物は増やしていき、不要な物は捨てるという機能があります。
そのため、筋肉という物質は、加齢や運動不足により減少していきます。
廃用による筋力低下
ってことでしょ。
筋を使ってないなら、
弱くなって当然だよね。
使わない筋肉が弱くなったり、細くなってしまうことは、生理学的に考えても当たり前のことですよね。何も問題は無いはずです…。
もし使っていないのに、筋肉が強くなっていた場合は、急いで問題点に挙げて下さい!
問題にするメリットがない
よくありがちな、問題点抽出の例です。
#1 大腿四頭筋筋力低下
#2 大臀筋筋力低下
#3 下腿三頭筋筋力低下
#4 ・・・・筋力低下
このように、患者さんの弱い部分を指摘することに、何のメリットがあるのでしょうか?
もし自分が何かで入院した際、担当のセラピストが、こんな悪口を書いていたら、100%クレームを入れると思います。
人がやられて嫌なことは、他人にもやらない!人として当たり前のことですよね。
誰でも知っていること
当たり前ついでに、疾患特有の筋力低下を、当たり前のように問題点に挙げる人がいますが、全くもって意味が分かりません。
筋ジストロフィーなどのミオパチーでは、病名からして100%筋力低下が出現します。
セラピストが、「筋力が低下してますよ」なんて、わざわざ教える必要はありません。あなた以外の全員が筋力低下を知っています。
これは義足の人に、「あなたは足が無いので問題です」と、教えているようなものですね。
う~ん、無意味だね。
恥ずかしいので止めてね。
検査にバイアスが掛かる
もし、筋力低下が問題だと予測している人に、MMTを実施したとします。
その時、筋力低下が見つかったら、とても嬉しくなりませんか?
「あ、これで考察が楽になる」
あとはこれを問題点にして、適当に筋トレを処方すれば、自分の仕事は終わりです。
そして、それ以降は何も評価せず、ただ筋力が上がってくるのをひたすら待つだけ!
はい、へなちょこセラピストの典型です。
検証に時間が掛かる
筋力増強に関する文献では、2~3ヵ月という期間で観察をするものが多いです。
高齢者の筋力強化ともなれば、その倍以上の期間が掛かるはずです。となると、半年くらいは考えておくべきかも?
いや、退院しちゃってるよね。
自分が筋力低下だ!と決めつけて、筋トレをやらせたにも関わらず、その最終的な答え合わせもせずに終わっちゃったよ。
これじゃ、あまりにも無責任…。
リハビリで筋力はUpしない
そもそも、筋力Upをしたい場合は、脳に筋肉が必要だ!と思わせなければいけません。
高齢者では、そこまで追い込めませんよ。
もしかして、キッキングを10回やった程度で、筋力増強しちゃうかも!なんて甘い考えをしていませんか?
筋肉系Youtuberを観て下さい、少しの筋力Upのために、全員が寿命を削るほどのトレーニングを、極限まで続けていますよね。
ちょこっと運動をさせた程度で、筋力が付くなんて、天津甘栗よりも甘くないですか?
筋力はすぐに無くなる
では百歩譲って、筋力増強したとします。
でも、家に帰れば普通の生活に合わせて、筋肉の量は減って行くでしょう。
訪問リハ・通所リハだけで、その筋力を維持できそうでしょうか?では、その管理は一体、誰がするのでしょうか?
ということで、紹介した7つ全てを論破できるのであれば、リハビリにおいて、筋力低下を問題点に挙げても良いと思います。
どうです、勝てそうですか?
う~ん、勝てなそう…。
おわりに
リハビリの評価が苦手な人は、全てを減点方式で進めてしまう人が多いです。
なぜ出来ないのか?
どうして出来ないのか?
筋力低下が選択肢にあると、すぐにそっちに逃げたくなります。だから、今後は筋力低下を使うのを止めてみてはいかがですか?
そうすれば自然と、どうやったら出来るのか?を考えるようになります。
評価力を上げたいなら、一歩を踏み出そう。
それでは、問題点から
筋力低下が消えますように!