こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!
本日のテーマはくも膜下出血です。
脳卒中の国家試験対策では、被殻出血や脳梗塞の勉強はするけど、くも膜下出血は避けてしまう人が多い気がします。
ぶっちゃけ苦手。
ま、勉強するにも、まず何に注目したらよいのか迷いますよね…。
ということで今日は、国家試験の実地問題対策として、くも膜下出血の合併症について解説をしてみたいと思います。
くも膜下出血とは
くも膜下出血は脳血管が破れることで、くも膜下を満たしている、脳髄液に血液が混ざってしまう疾患です。
出血により麻痺や言語障害などが出現したり、出血量が多い場合には重篤な意識が戻らないこともあります。
英語ではsubarachnoid hemorrhageで、カルテではSAHと略され記載されます。
画像所見はCTで
意外と知らない人が多いのですが、PT/OT国家試験で使用される脳画像には法則があります。
当然、例外もありますが基本はこれです。
へぇ、そうだったんだ。
おいおい…。
ということで、くも膜下出血の画像問題には、ほぼCT画像が使用されています。
くも膜下出血の合併症
国試的にも臨床的にも、くも膜下出血には三大合併症があります。
①再出血
発症後24時間は、再出血のリスクがあります。
一度破れて塞がった血管が、何らかのきっかけでまた出血を始めるのですね。
②血管攣縮
最出血のリスクを回避したとしても、3週目までは血管攣縮(けっかんれんしゅく)の合併症に注意が必要です。
攣縮は痙攣のことですね。
では、脳の血管が勝手に縮んでしまうと、どのようなリスクに繋がるでしょうか?
血流が悪くなるから
脳梗塞かな?
うん、正解。
ということで、くも膜下出血発症後の3週間までは、血管攣縮による脳梗塞の可能性を頭に入れておきましょう。
③正常圧水頭症
さて、血管攣縮のリスクを回避しても、まだ合併症のリスクがあります。
最後の合併症は、3ヶ月まで可能性がある正常圧水頭症です。
水頭症って何だっけ?
脳室が大きくなるやつ?
そうなんです。くも膜下出血では、脳髄液に血液が混ざることで循環障害が起こります。
そのため、ジワジワと脳髄液が膨張し、正常圧水頭症になるのですね。
ん〜なるほど。
ということで、くも膜下出血の国試対策として、正常圧水頭症の三大症状も覚えておきましょう。
正常圧水頭症の症状は以下の3つ。
② 認知機能低下
③ 歩行障害(パーキンソン病)
よく出題されるので、絶対に覚えましょう。
過去問で確認
では、過去問で確認してみましょう。
うへぇ、難しい…。
よく読んでごらん。
発症から7日目ということは、再出血や水頭症ではなく、血管攣縮の可能性が高いです。
そして、突然の右片麻痺ということは、血管攣縮により血流が滞り、脳梗塞を発症してしまったようですね。
ということで、解答は3です。
うん、そういうことか。
ったくもう~。
かなり難易度が高く感じますが、くも膜下出血の三大合併症を覚えておけば、難なく3点がゲットできる問題でしたね。
おわりに
脳卒中の国試問題では、くも膜下出血以外にも、視床出血、被殻出血、脳梗塞などが出題されます。
特に脳画像が苦手という人に向け、有料ですがこんな記事もあります。国試の平均点Upに役立てて下さい。
ということで、最後におさらい!
それでは、くも膜下出血で
3点取れますように!