中殿筋の筋出力Upで改善したトレンデレンブルグ歩行の一例!

歩行
ダイ吉
ダイ吉

こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!

本日のテーマは、筋出力と歩行の関係です。

中殿筋の筋力低下で起こる、トレンデレンブルグ歩行は有名ですよね。

プク太
プク太

うん、僕でも知ってる。

ダイ吉
ダイ吉

実は、筋力低下じゃない
場合が多いんだよ。

本当に筋力低下なら、改善に数ヶ月は必要なのですが、原因によっては即時的に歩行を改善させることが可能です。

そこで今日は、トレンデレンブルグ歩行が改善した、治療アプローチの一例を紹介してみたいと思います。

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トレンデレンブルグ歩行の原因

中殿筋が弱いから、重さに耐えられずに骨盤が傾いてしまう…。

まぁ、運動学的に誰もが納得ができる理論ですよね。ただし、本当に筋力だけの問題なのでしょうか?

その他にも、こんな考えはどうでしょう。

このように、何らかの理由で筋出力や筋発揮が低下し、影響を与えていることも…。

ちなみに、筋力と筋出力の違いが分からない人は、こちらの記事で確認して下さい。

筋力と筋出力の違いと筋発揮が低下する9つの原因!
筋力と筋出力って言葉ですが、臨床で上手に使い分けられてますか?もしかして、ごっちゃにして使用していませんか?さらに筋発揮なんて言葉も出てきたら、もう頭が大混乱しちゃいますよね。そこで今日は、この3つの言葉の違いを、超簡単に解説したみたいと思います。

原因が違えば、アプローチも違います。

色々な考えができるにも関わらず、評価もしないで筋トレだけ進めてしまっていませんか?

トレンデレンブルグ歩行の治療

それでは、トレンデレンブルグ歩行に対する、評価から改善までの流れを解説します。

1⃣ 中殿筋の評価

まずは、ターゲットである中殿筋の筋力を、MMTを使って数値化します。

ここでは、段階3〜4になることが多いです。

う〜ん、耐えられず抵抗に負けてしまい、なんだか弱々しい感じがするはずです。

プク太
プク太

じゃ筋力低下なんじゃないの?

ダイ吉
ダイ吉

イヤ、ここで筋力低下と
決めつけるのはダメ!

先ほど言った通り、他の可能性を潰していかなくては評価とは言えません。

この時、私が優先的に考えるのは、中殿筋の筋スパズムです。

たとえ患者さんの主訴になくても、トレンデレンブルグ徴候が出ている人は、中殿筋に隠れた痛みを抱えている場合がほとんどです。

というか、全員だったような…。

2⃣ 中殿筋の治療

では、中殿筋に隠れた痛みを取りましょう。

私の場合は、中殿筋に対する横断マッサージで、痛みを根こそぎ取ります。

治療中、患者さんは痛みにビックリします。

なんせ今まで痛いと思ったことがないお尻に、こんな痛みが隠れていると気づくからです。

徒手療法でも物理療法でも、とにかくドクターと相談しながら、中殿筋の筋スパズムを改善させてみましょう。

3⃣ 中殿筋の再評価

痛みが改善したら、すぐにMMTです。即時的に筋力が変化したのかを確認します。

大抵の場合、段階がUpして4→5になるか、4は4でもかなり耐えられるようになるかのどちらかです。

抵抗を掛けた時に変化があれば、そのまま中殿筋のトレーニングをしてみましょう。

軽めの抵抗運動を、10回ほどで十分です。これで筋収縮を中殿筋に学習させます。

4⃣ 歩行のチェック

オープン状態での中殿筋の筋発揮は上がりました。ではクローズの状態でも効果が出るか、歩行をチェックしてみましょう。

ちなみに担当症例の方は、アプローチ後にトレンデレンブルグ歩行が完全に消滅しました。

そして、ドュシェンヌ歩行も一緒です。同じ手順で、何症例も治療した経験があります。

このアプローチの考察

この流れで分かったことは、中殿筋の痛みにより筋出力が低下していたことです。そして、その痛みは改善できること!

よって、この2つを問題点に絞り、プログラムを立案してアプローチをすれば、トレンデレンブルグ歩行は改善できると考えられます。

ダイ吉
ダイ吉

この経過が根拠になるんだよ。

プク太
プク太

エビデンスってやつね。

痛みを取って動作を確認!この治療的診断方法は、動作分析や歩行分析に役に立ちます。

このような変化も与えず、歩行を観察しただけで問題点を決めつけていては、いつまでたっても評価なんてできませんよ!

おわりに

ということで、本日はトレンデレンブルグ歩行の治療経験を紹介してみました。

痛みが取れるようになりたい人向けに、評価と治療方法をこちらの記事にまとめてます。

慢性疼痛を徒手療法で治す!痛みの評価から治療までを完全解説|ダイ吉@教員×理学療法士
こんにちは、理学療法士のダイ吉です。 肩が痛い、腰が痛い、膝が痛い…。 こんな訴えを患者さんから聞くと、何とかしてあげたくなりますよね。 痛みが取れるセラピストになる!これは、私の学生時代からの目標で、今でも慢性疼痛について勉強をしています...

時間もお金も掛かるけど、変化を与えられる理学療法士を目指しましょう!

ダイ吉
ダイ吉

それでは、患者さんの歩行が
改善しますように!