ダブルニーアクションを見極めろ!歩行中の膝関節運動を解説

歩行
ダイ吉
ダイ吉

こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!

本日は、ダブルニーアクションのお話です。

運動学の授業で習ったけど、よく分からないまま歩行観察をしていませんか?

プク太
プク太

あぁ、授業でやったけど
あまりピンとこなかったな。

ダイ吉
ダイ吉

うん、一瞬の出来事だし
イメージが沸きにくいよね。

ダブルニーアクションとは、歩行周期の中で2回起こる、膝関節の屈伸運動のことです。

Double Knee Action = 二重膝作用

ということで、本日はこの膝関節の動きと役割について、簡単に解説したいと思います。

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立脚相のニーアクション

実際の歩行を図に起こしたので、こちらで解説をしていきます。

まず、1回目のニーアクションは、立脚相で確認することができます。

イニシャルコンタクトでは膝がほぼ伸展位のでしたが、ローディングレスポンスには14°の屈曲が確認できました。

その直後、膝は12°の伸展をしています。これは、ミッドスタンスで荷重を受け止めやすくするための伸展ですね。

プク太
プク太

ほ~、運動は小さいけど

確かに屈伸運動しているね。

ダイ吉
ダイ吉

ゆっくり観察すると分かるね。

遊脚相のニーアクション

2回目のニーアクションは、遊脚相で確認することができます。

プレスイングで162°だった膝関節は、つま先が離れた後、30°も屈曲していました。

その後、14°の伸展が起こりました。

これは、次のイニシャルコンタクトに向け踵接地するための運動です。

プク太
プク太

こっちは分かりやすいね

ダイ吉
ダイ吉

30°くらいの運動だからね。

ダブルニーアクションの役割

では、次に各ニーアクションの役割です。

立脚相での役割

1回目の役割は、衝撃の受け止めです。

ここでは、大腿四頭筋の遠心性収縮による膝のコントロールが重要です。片麻痺などで膝折れリスクがある人は、衝撃に負けてしまいます。

1回目のニーアクションが消失していたり、動きが小さい場合には大腿四頭筋の活動に着目してみましょう。

遊脚相での役割

2回目の役割は、床とつま先とのクリアランス確保です。             

この動きは、股関節を急激に曲がることで膝が屈曲運動をします。

プレスイングで踵を持ち上げ、腸腰筋の爆発的なパワーで一気に振り子運動を起こさせているんですね。

このタイミングで膝が曲がらないと、床とのクリアランスが確保できないため歩けません。

プク太
プク太

これができないとどうなるの?

ダイ吉
ダイ吉

ぶん回し歩行になったりするね。

その他、伸びあがり歩行や引きずり歩行にもなるでしょう。この2回目のニーアクションを見逃すことはなさそうですね。

遊脚相のクリアランスについては、こちらの記事でまとめてあります。

トウクリアランスとフットクリアランスの違いを解説!
歩行では、床とつま先の空間が十分に確保されていない場合に、トウクリアランスが低下している!なんて表現されます。でもフットクリアランスって言葉も聞いたことあるぞ…?さて、この2つの違いは何なのでしょうか。

おわりに

ダブルニーアクションを意識して歩行を観察すると、色々な情報が入ってきましたね。

床の情報を捉える足関節、骨盤や体幹と連携する股関節、このどちらからも影響を受ける膝関節って、かなり重要です。

屈伸運動しかできないクセに、歩行では観察ポイントがかなり多いのが特徴です。

また、脳卒中片麻痺においても、かなり鍵を握る関節だと思いますので、これを機に苦手意識を無くして下さいな。

ダイ吉
ダイ吉

それでは、皆さんの歩行観察が
上手に進みますように!

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