トウクリアランスとフットクリアランスの違いを解説!

歩行
ダイ吉
ダイ吉

皆さんこんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!

患者さんの歩行を観察していると、つま先の引っ掛かりや、足部と床との距離に、無意識に目がいってしまいます。

 「トウクリアランスが低下している!」

よく、こんなワードを耳にします。

プク太
プク太

あ~、よく聞くかも。

でもトウクリアランスの他にも、フットクリアランスという言葉もありますよね。

そこで今日は、歩行観察用語である、この2つの違いを解説してみたいと思います。

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トウクリアランスとは

では、まずトウクリアランスの解説から!

言葉の意味

ご存知の通り、トウ(toe)はつま先です。トウキックや、トウシューズで使われています。

クリアランスの意味はこうです。

この場合、2の間隔や空間という意味がマッチしそうですので、トゥクリアランスは、つま先と床面との隙間を指す言葉になりますね。

ダイ吉
ダイ吉

トウクリアランスの低下は、
歩行中の転倒につながるよ!

必要な能力

歩行の遊脚相におけるクリアランスの確保は、股関節の屈曲運動が鍵を握っています。

立脚後期で伸展させた股関節を、急激に屈曲させることで、膝関節は屈曲運動をします。

この膝関節の屈曲は、ハムストリングスの活動ではなく、慣性の法則によるものなので、無意識に曲げられているんですよね。

よって、股関節の屈筋群のパワーと、膝の柔軟性がなければ、十分なクリアランスは確保できないということになります。

足関節の影響

いくら下肢を素早く振り出しても、足関節がプラプラしていると、トウクリアランスは簡単に低下してしまいます。

それは下垂足(かすいそく)の影響ですね。

Drop foot gait とも呼ばれます。

主に腓骨神経麻痺で出現する症状で、前脛骨筋を軸とした、足関節の背屈筋群の筋力低下が原因となります。

この異常歩行については、こちらをどうぞ!

関連記事 下垂足の歩き方!鶏歩の観察ポイントと尖足位との違いを解説

動画での観察しよう

では実際にトウクリアランスが低下している、下垂足の歩容を動画で観察してみましょう。

左の足関節に着目して下さい。

膝が持ち上がるのと同じスピードで、足関節も底屈運動をしているため、プラマイゼロになっていますよね。

よって、トウクリアランスを観察する際は、遊脚初期でつま先が床から離れた瞬間から、遊脚中期までの足関節に着目しましょう!

プク太
プク太

すぐに底屈したら
要注意ってことね。

ダイ吉
ダイ吉

うん、そういうこと!

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フットクリアランスについて

もう1つ、フットクリアランスという言葉があります。フットは足部という意味ですので、足の裏と床面との隙間を意味します。

出現するのは遊脚中期です。

たとえ足関節を背屈させたとしても、フットクリアランスが低下してしまい、床面とスレスレで歩くことがあります。

このような現象は、立脚側への荷重移動が不足した場合に出現します。

立脚側へしっかり荷重が乗れていない場合、遊脚期は短縮されてしまいます。

捻挫した時の歩き方を思い出して下さい。

足を持ち上げられないのではなく、足を持ち上げている時間がない!のが原因です。

プク太
プク太

ふ~ん、荷重移動をしないと
足部が低空飛行するのか。

ダイ吉
ダイ吉

だから歩行って、全身くまなく
観察する必要があるんだね。

2つの違い

では最後に、トウクリアランスとフットクリアランスの違いをおさらいしましょう。

特 徴トウ
クリアランス
フット
クリアランス
観察場所つま先足底面
出現時期遊脚初期遊脚中期~後期
原 因筋力低下荷重移動不足
対 策装具の導入荷重移動訓練

下垂足は、前脛骨筋の筋力トレーニングでの改善は難しく、また物理療法などの効果も期待薄です。

そのため先ほどの動画のように、オルトップやアンクルソフトといった、装具療法を第一選択にするべきだと思います。

つま先だけではなく、足部全体のクリアランスが不足している場合には、反対の下肢支持性やバランス能力を鍛えていきましょう。

おわりに

さて、長くなりましたが、歩行における2種類のクリアランスについて解説してみました。

微妙な違いですが、歩行のメカニズムから考えると、原因や対象方法が、全然違うことが分りますよね。

歩行観察が苦手!という人は、このような小さな違いを、相ごとにしっかりと理解していないことが原因かもしれません。

まずはトウクリアランスと、フットクリアランスの使い分けから始めてみましょう!

ダイ吉
ダイ吉

それでは、歩行分析が
上達しますように!