こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
リハビリでは、患者さんのバランスを評価することが多いですが、その中でも、立ち直り反応検査の難易度が突出して高いです。
皆さんも、立ち直り反応が上手く誘発できず、検査に苦戦した経験はありませんか?
正直、反応が出ているのか
出てないのかが分からないよ。
コチラが思い描く反応が
出てくれないよね。
そもそも、検査するセラピストが、立ち直り反応を理解していないと話になりません。皆さんは大丈夫でしょうか?
立ち直り反応とは
立ち直り反応のとは、身体の傾きに対し、鼻筋(はなすじ)を垂直に保つことです。
そして、骨盤の傾きに合わせて、脊柱が側屈していき、肩甲帯は水平もしくは逆に傾きます。
この反応は、生まれつき備わっているものではなく、成長に合わせて出現するんですね。
【出現の目安】
臥位:3ヵ月~生涯持続
座位・立位:6ヵ月~生涯持続
一度出現したら、一生続くよ。
反応と反射の違い
さて、ここが重要ポイントです!
立ち直りは「反応」なので、毎回、必ず出現してくれる「反射」とは違います。
⇒ 必要があれば出す
必要がなければ出さない
⇒ 必要があってもなくても出ちゃう
よって被験者の中脳が、立ち直る必要あり!と判断しなければ、この反応は絶対に出ないので覚えておきましょう。
立ち直り反応の検査
まず、鼻筋を真っすぐにする。この意味が伝わりにくいので、
① 頭に本が乗っているとします。
② これを落とさないでね。
③ 体重を移動して下さい!
この説明で、ほぼ全員が理解してくれます。
どっちに首を傾けるのか
分りやすいかも。
割れ物(お茶碗・お皿)にすると
余計に頑張ってくれるよ。
あとは、内乱(自動)で体重を移動するか、外乱(他動)でやるか決めてね。
激ムズな理由
検査がなんか上手くできない…、その理由は以下の3つが考えられます。
反応を出す必要がない
自動でも他動でも、傾け方が弱ければ、立ち直り反応はでません。
要するに、立ち直る必要がないのです。
足で踏ん張る、腹筋に力を入れる、この程度で身体の傾きが制御できるのなら、最初っから楽な方法を選びますわな。
説明が伝わってない
僕が後ろに引っ張るので、
倒れないようにして下さい。
倒れないようにね、
わかったよ。
このような説明で肩甲帯を引き、身体を傾けようとすると、
患者さんは、必ず力を入れて踏ん張ります。
いや、力を入れないで、
身体を動かして耐えて下さい。
(あれ?言われた通りに
したんだけどな)
被験者がイメージできないと、この検査は全く進みません。
だから、どのような動きをして欲しいのか、どこに力を入れたら良いのか、全て答えを教えて練習しましょう。
あれ、検査なのに練習OKなの?
うん、たっぷり練習してOK。
先程解説した通り、この反応は「ヤベっ、必要だ!」と思わないと、絶対に出てきません。
だから、こちらからお願いをしておかないと、やってくれないんですよね…。
検査者が反応を知らない
どこの場所を、どの方向に誘導したら、どんな立ち直り反応が出るのか?
検査をするセラピストが、これらを理解していなければ、検査は上手みません。
検査をやる前に、勉強を先に済ませてね。
おわりに
今回、お伝えした立ち直り反応については、かなり自己流が入っています。
もしかしたら「傾斜反応を使って立ち直る」と書いた方が、正確かもしれません。
でも、立ち直り反応って曖昧だから、誰もが納得する答えは恐らく無いでしょう。
それほど微妙で繊細な反応なので、検査が激ムズなのは当然なのかもしれませんね。
それでは、立ち直り検査が
上手にできますように!