立ち直り反応の検査マニュアル|患者さんの誘導と説明について

セラボールに座る女性。両手を拡げてバランスをとっている。 評価・治療・スキル
ダイ吉
ダイ吉

こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!

リハビリで、必ず評価するバランス。その中でも、立ち直り反応の検査って、めちゃくちゃ難易度が高いですよね。

皆さんも、患者さんを傾けてみたものの「う~ん、これ反応出てるのか…」と困ってしまった経験、ありませんか?

新人PT
新人PT

いや~、立ち直り反応って

分かりづらい検査ですね。

ダイ吉
ダイ吉

実は、患者さんの誘導と

説明が重要なんだよね。

そこで今回は、実習や臨床の「立ち直り反応の検査マニュアル」として、患者さんへの説明や誘導のコツを分かりやすく解説します!


立ち直り反応とは

立ち直り反応のとは、身体の傾きに対して、鼻筋(はなすじ)を垂直に保つことです。

スティックピクチャのイラスト。鼻筋を垂直にしバランスを取る

そして、骨盤の傾きに合わせて脊柱が側屈していき、肩甲帯は水平もしくは逆に傾きます。

この反応は、生まれつき備わっているものではなく、成長に合わせて出現します。

【出現の目安】
・臥位: 3ヵ月~生涯持続
・座位・立位: 6ヵ月~生涯持続

ダイ吉
ダイ吉

出現したら一生続く!

身体の自動修正機能だね。

新人PT
新人PT

なのに検査だと上手く

行かないんですよね。

ちなみに、用語の整理!

<傾斜反応>
傾く床面に合わせてバランスを取ること

<平衡反応>
バランスを取るために行う全ての反応

 どちらも「転ばないための手段」です!

床が傾けば傾斜反応として立ち直り反応が出るし、電車の急ブレーキなら平衡反応の一部として立ち直り反応が働きます。

立ち直り反応の検査マニュアル

それでは、立ち直り反応の検査の手順と、コツを紹介していきます。

患者さんへの説明

まず患者さんに、何をするのか、どうして欲しいのか、事前に伝えてください。

新人PT
新人PT

これから、肩のあたりを

こっちに押します。

患者さん
患者さん

え、あっそうなの?

新人PT
新人PT

そこで、身体を傾けて

耐えてみて下さい。

患者さん
患者さん

うん、分かったよ。

どちらの方向か、どのような刺激なのかを伝え、必ず患者さんの同意を得ましょう。

最終姿勢の確認

患者さんも、身体を傾けるとは聞いたが、実際にどうなるのか不安ですよね。

だから、ここで一緒に最終姿勢を確認します。

新人PT
新人PT

僕が支えていますので

今の状態から、左のお尻を

持ち上げてみて下さい。

患者さん
患者さん

えっと、こうかな?

新人PT
新人PT

OKです、ちょっと手を

離すので3秒だけ

耐えてみて下さい。

患者さん
患者さん

うん、やってみる。

手で誘導させながら最終姿勢を確保、そこで3秒キープさせましょう。

もし、キープできれば「立ち直り反応」を出す能力は、ほぼあると考えてよいでしょう。

事前の練習

では、本番前の練習です。

ゆっくり外乱刺激を加えながら、患者さんにやって欲しい立ち直り反応を、身体で覚えてもらいます。

新人PT
新人PT

では、僕も手伝うので

左のお尻を持ち上げ

ながら移動しましょう。

患者さん
患者さん

う~んと、こうかな。

新人PT
新人PT

上手です、でも頭は

こっちに傾けて

欲しいんですよね。

患者さん
患者さん

了解、こっちね。

新人PT
新人PT

では、次は手伝わないので

1人でお願いします。

患者さんが「そうやって欲しいのね」とイメージできたら本番開始です。練習と同じく、外乱を加えていきましょう。

え、練習するの?

と驚かれるかもしれませんが、はい、検査前に練習をします。練習をしないまま、口頭説明だけで検査を始めると、必ず失敗します。

検査が上手くいかない3つの理由

では、立ち直り検査が上手く行かない理由を、3つほど挙げていきますね。

反応を出す必要がない(刺激不足)

自動でも他動でも、傾け方が弱ければ、立ち直り反応はでません。

要するに、立ち直る必要がないのです。

2体のスティックピクチャ。立ち直らずに耐える。立ち直ってバランスを取る。それぞれを解説。

足で踏ん張る、腹筋に力を入れる、この程度で身体の傾きが制御できるのなら、最初っから楽な方法を選びますわな。

説明が伝わってない

新人PT
新人PT

僕が後ろに引っ張るので、
倒れないで下さいね。

患者さん

倒れないようにね、

わかったよ。

このような説明で肩甲帯を引き、身体を傾けようとすると、

後方へ外乱を加える検査。成功と失敗パターンを解説。

患者さんは、必ず力を入れて踏ん張ります。

新人PT

いや、そうじゃなくって、

身体を曲げて耐えて下さい。

患者さん

(え? 何がダメだったの…)

被験者がイメージできないと、この検査は全く進みません。

検査者が反応を知らない

どこの場所を、どの方向に誘導したら、どんな立ち直り反応が出るのか?

検査をするセラピストが、これらを理解していなければ、検査は上手みません。

検査をやる前に、勉強を先に済ませてね。

伝わりやすい説明

立ち直り反応は、患者さんと検査者のイメージ共有がとても大切です。

そこで、伝わりやすい説明を紹介!

① 頭に本が乗っているとします。

② これを落とさないでね。

③ 体重を移動して下さい!

頭の上に本を置いて落ちないようにしている女性のイラスト。

この説明で、ほぼ全員が理解してくれます。

新人PT
新人PT

おおー、この説明は

理解しやすいですね。

ダイ吉
ダイ吉

お茶碗とか、お皿だと
もっと身近かもね。

あとは、一緒に練習をしてから本番です!きっとこれで、お互いストレスのない立ち直り検査ができると思います。

おわりに

今回の手順は、かなり自己流かもしれません。

もしかしたら「傾斜反応を使って立ち直る」という表現が正確かもしれません。でも、誰もが納得する答えは恐らく無いと思います。

それほど微妙で繊細な反応なので、たくさん検査を経験して、スキルUpして下さい。

ダイ吉
ダイ吉

それでは、立ち直り検査が
上手にできますように!