今日は、理学療法士国家試験の
不適切問題に関する話だよ!
国家試験の問題を作るのは人間ですので、ちょっとした勘違いやミスで、成り立っていない問題を作成してしまうこともあります。
後日、国家試験の点数が送られてきますが、自己採点と比べた時に「全然違うやんけ!」と関西弁で驚く人もいるかと思います。
実はこれ、採点除外問題の数が関係しているからなんですよね。
採点除外問題…?
そこで今日は、国家試験における、これらの取り扱いについて解説してみたいと思います!
不適切問題とは?
不適切問題は、採点者によって正解が変化したり、不明確で答えようのない、解答する側に不利益が生じる問題のことです。
皆さんも、テストが返却された時、
えー、なんでこれが×なの?
といった経験があるかと思います。
これは、ネットで話題になった採点の例なんですが、ヒドイのでちょっと見て下さい。
いや、これ合ってるじゃん!
って、思いませんか?
大人ってヒドい…。
うむっ!
不適切問題の種類
それでは、理学療法士の国家試験でよく見られる、不適切問題の種類を紹介していきます。
解答が多いケース
国家試験は5択問題なので、問題文の終わりには以下の4つの指示があるはずです。
① 正しいのを選べ
② 誤っているものを選べ
③ 正しいものを2つ選べ
④ 誤っているものを2つ選べ
しかし、該当する選択肢が多い場合には、不適切問題として修正が入ります。
例えばこんな問題!
1.エビ
2.クジラ
3.タコ
4.カニ
5.フジツボ
この場合、1と4を選択すると思います。
でも、問題を作った時には気づかなくて、よく調べてみると、なんと5のフジツボも甲殻類だってことが判明しちゃいました…。
なんだよ、問題の指示と
解答の数が違うじゃん!
この場合は、正解の数が
増えるからお得なんだよ。
そうなの?じゃいいや。
やれやれ…。
解答が少ないケース
たまに、逆のパターンも出現します。
例えばこんな問題!
1.日本
2.アメリカ
3.マダガスカル
4.シンガポール
5.インドネシア
ちなみに分かるかい?
え、まずアメリカと…
マダガスカルかな?
ぶっぶ~~~!
当然、2のアメリカ以外は全て島国です。
問題で指定している数よりも該当する数が少ない場合、正解することは不可能。よって、採点基準から除外されることになるんですね。
そして、この問題は無かったことに…。
難易度が高すぎる
医療系の国家試験問題作成は、医師が関わることが多いため、問題の難易度を見誤ることがあります。
こんなの医師しか分からない!
現場で体験しないと判断できない!
といった、学生には正確な解答なんて出せないだろう!と判断されると、採点対象から除外されてしまうんですね。
でも、残念ながらこのケースは非常に稀で、数年で1問といった感じです…。
問題の構成にミスがある
国家試験って実は、問題文にスペルミスがあっただけでも、採点除外となります。
また、 「いいです」みたいな、Yes なのか No なのかが判断できない文章も、除外対象になってしまうんですよね。
表現が不明瞭で、どちらとも取れるような場合も採点除外!
こんな理由で、採点除外なら
少しラッキーだね。
変化する合格基準
不適切問題が出題されたとすれば、以下の2つの対応になります。
・正解数が増える
・採点除外となる
どちらもに、受験者のメリットになります。
合格しやすくなるの?
ちょっとこの表を見てみて。
採点除外数が増えれば増えるほど、合格基準点が下がってくるため、自己採点が168点未満でも合格になる可能性が残ります。
どの問題が採点基準になるのかは、厚生省の発表を見るまで分かりませんけどね。
164点で合格した人もいるよ!
不適切問題の頻度は?
受験生にしてみればメリットが多いので、不適切問題は多ければ多いほど嬉しいですね。
では、どの程度が対象になっているのか、過去の傾向を確認してみましょう。
実施回 | 対象問題数 | 合格点 |
第49回 | 9問(除外2問) | 167点 |
第50回 | 1問(除外0問) | 168点 |
第51回 | 5問(除外4問) | 165点 |
第52回 | 2問(除外0問) | 168点 |
第53回 | 5問(除外2問) | 165点 |
第54回 | 9問(除外5問) | 164点 |
第55回 | 6問(除外3問) | 167点 |
第56回 | 5問(除外3問) | 165点 |
第57回 | 12問(除外4問) | 164点 |
第58回 | 5問(除外2問) | 167点 |
おおー、結構多いんだね。
実地問題が運命を握っているね。
まっ、ボーダーの人はハラハラするかもしれませんが、合格発表まで希望を捨てなくても良さそうですね。
おわりに
不適切問題は、問題作成者にとっての不名誉。
本来であれば、少ないに越したことはありませんが、合格点ギリギリの人にとっては、多ければ多いだけ嬉しい存在です。
しかし、その恩恵を受けるためには、せめて惜しい!って所まで、辿りついている必要があります。
130点や140点じゃ、どうもならん!
受かるも落ちるも努力次第。
だから、頑張って勉強してね!