こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日のテーマは、最大膨隆部の周径です。
リハビリ実習生に、最大膨隆部の周径をやらせてみると、間違った方法で測っている学生が、かなり多いです。
え、巻いて測るだけなのに
間違いってあるの?
いや、それだけじゃ
不十分なんだよね…。
え、そうなの…。
見た目で太いと思った場所にメジャーを巻き、メモリを見て記録して、はい終わり!
これだけではダメなんですよね…。
ということで、実習で失敗しないための、最大膨隆部の正しい測り方を紹介します。
最大膨隆部の測り方
周径の測り方は、くるっとメジャーを巻いて、キツ過ぎずユル過ぎずでしたね。
ただし、最大膨隆部という条件が付くと、もう少し注意する点が増えてきます。
①まずは見た目で周径
初めての介入であれば、最初は見た目で太そうだな…と思う場所に、当たりを付けます。
まずは当てずっぽうでOK!とりあえず、何センチだったのかを確認します。
これは、最大膨隆部も
最小膨隆部も一緒だよね。
②数カ所測ってみる
半分くらいの人は、たった1ヵ所の計測で終わりますが、それだけでは不十分。
少しずらして、数カ所のポイントで計測をし、数値を比較してみましょう。
この作業を追加したことで、とりあえず1番太い場所の計測ができました。
うん、これで終わりでしょ?
いや、まだまだ~!
ほとんどの学生さんは、ここまでやった後、満足して終わってしまいます。
③ランドマークを確認
最後に、もうひと手間加えましょう。
計測した場所と、各ランドマークとの距離を確認し、それも一緒にメモっておきます。
でも、ランドマークは1つじゃダメ!
必ず2つの点を線で結び、どっちかからの距離を記載して下さい。
周径の場所 | ランドマーク1 | ランドマーク2 |
上腕周径 | 肩峰 | 肘関節裂隙 |
前腕周径 | 肘関節裂隙 | 橈骨茎状突起 |
大腿周径 | ASIS | 膝蓋骨上縁 |
下腿周径 | 腓骨頭 | 外果 |
そうすると、記載はこうなります。
【上腕最大膨隆部】
Rt:28.9cm(肩峰より13.5cm下)
Lt:27.5cm(肩峰より13.5cm下)
【下腿最大膨隆部】
Rt:37.1cm(腓骨頭より5.0cm下)
Lt:38.4cm(腓骨頭より4.7cm下)
これで、完璧な周径結果の完成です。
う~ん、かなりの手間だね。
仕方ないよ、正しい数値を
知るためなんだからさ。
ここで手を抜くと、せっかく計測した数値が、使い物にならないケースが出てきます。
再現性が大事な理由
ランドマークからの距離を測っておかないと、次に最大膨隆部を計測する時に、全然違う数値になっていることがあります。
この原因は、検査の再現性です。
たとえ1回目の検査で、正確な数値が出せたとしても、次に同じ数値になる保証がないので、経過が追えなくなります。
う~ん、なるほど。
再現性か…。
いつ、どこで、誰がやっても
同じ数値にならないとね!
筋トレの成果や、萎縮の進行具合など、数値を経時的に並べるのであれば、必ず再現性のある検査を心がけましょう。
おわりに
ということで、四肢長周径の練習では、メジャーの扱い方だけじゃなく、一緒にランドマークの触診技術も磨いておきましょう。
パッと触れて、パッとメジャーを巻く。
そして、パッと記録を取る。
この流れをしっかり練習しておけば、リハビリ実習でも、正確な計測ができるはずですよ。
せっかく検査するんだから完璧にね!
それでは、上手にメジャーが
扱えますように。