こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日のテーマは、不全麻痺の検査です。
見た目や動作では分かりにくい、隠れた麻痺には、専用の検査があるんですよね。
そんな検査あったっけ?
学校では教わらないかも。
私も実習先で存在を教わり、それ以降は臨床でバンバン使っています。
ということで今日は、臨床で使える不全麻痺の検査を、3つほど紹介したいと思います。
麻痺に対する検査
麻痺の検査と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは、ブルンストロームステージですね。
しかしこの検査は、脳卒中片麻痺における分離運動を、客観的に分類する評価なので、不全麻痺を見抜くことはできません。
実際、Brsは使わないって
セラピストは多いよ。
へぇ、そうなんだ。
不全麻痺が分かる検査
ということで、上下肢の麻痺の検査で、私がよく使うものを紹介したいと思います。
上肢のバレー試験
まず最初は、上肢に行う鉄板の検査、バレー試験になります。
【検査方法】
手掌面を上にて両手を前に出し、その状態のまま閉眼させる。
【判定基準】
もし不全麻痺がある場合は、前腕が回内もしくは落下し始める。
落下は分るけど、なんで
回内しちゃうの?
回内筋の緊張が、回外筋
よりも高いからだよ。
当然、腕が落下しながら、同時に回内する場合もありますので、見落とさないように!
下肢のバレー試験
続いては、下肢のバレー試験です。
【検査方法】
腹臥位にて両側の膝関節を、45~55°に屈曲させる。
【判定基準】
もし不全麻痺がある場合は、膝屈曲位が保てずに落下し始める。
検査が陽性の場合、すぅ~~って感じで、ゆっくり落下してきます。
Mingazzini試験
最後は、ちょっとマニアックな名前が付いている、「ミンガッチーニ試験」です。
ミンガツィーニ、ミンガズィーニ…、好きな発音で良いと思います。
【検査方法】
背臥位で両側の股関節と膝関節を90°屈曲させる。※体幹が弱い場合は片方ずつで
【判定基準】
もし不全麻痺がある場合は、膝関節が保持できずに落下し始める。
へぇ、ミンガッチーニか、
初めて聞いたかも。
結構使う場面が多いから、
覚えておくと良いよ。
どちらも、人の名前が付けられた検査で、バレーさんや、ミンガッチーニさんが考えたようですね。
一緒にやりたい検査
不全麻痺があった or なかった、これだけでは寂しいので、他にも検査を追加しましょう。
✅ ブルンストローム
✅ 筋緊張検査
✅ 深部腱反射と病的反射
✅ 感覚検査
錐体路徴候に関する検査を組み合わせ、患者さんの機能面把握に役立てて下さいね。
よし、中枢疾患の患者さんに
やってみるか。
おわりに
さて、不全麻痺に関する検査を、3つほど紹介してみました。
実は現役のPTでも、バレー徴候を知らない人が結構いるんですよね…。
馬鹿の1つ覚えのように、ブルンストロームばかりやっていると、隠れた運動麻痺を見逃してしまうかもしれませんよ!
それでは、不全麻痺が
見つけられますように!