こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日のテーマは、足関節と歩行の関係です。
歩行観察では、頭のてっぺんからつま先まで、色々な場所に目が行きがちですよね。
うん、観ている間に
歩行が終わっちゃう…。
歩行観察あるあるだね。
慣れるまでは、地面とコンタクトをしている、足関節に着目するのがおすすめです。
ということで今日は、足関節の背屈制限で出現する、歩行中の代償動作を紹介してみます。
足関節の背屈制限
足関節の背屈は、約20°ほどの可動性を持ち、立ち上がり動作、階段昇降、しゃがみ動作などで重要となる運動です。
僕、しゃがもうとすると
後ろに転んじゃう。
足関節の背屈が硬い人に
ありがちだね。
アキレス腱短縮や、骨性の可動性低下がある人は、しゃがむと後ろに転びます。
これは、荷重をつま先に移動できないため、お尻の重さに負けてしまうんですね。
歩行中に出現する代償動作
足関節の背屈は、下腿を前傾させる瞬間、すなわち立脚後期で出現しています。
では、この関節運動に制限があると、どのような代償運動が出現するのでしょうか?
膝の過伸展
まず1つ目は、膝の過伸展です。
立脚後期に向けて、股関節は伸展するのに、下腿はこれ以上前には動けません。
伸展する股関節と、前傾できない下腿に挟まれた膝関節は、伸展させられてしまうのです。
伸展モーメントが発生
するってことね。
膝のロッキングも
出現してるね。
そう!
だから、脳卒中片麻痺患者に対しては、膝折れをさせにくくするために、装具を使って背屈を制動しているんですね。
骨盤の後方回転
もう1つの代償動作は、少し見づらいですが、骨盤が後方に引けてしまうことです。
下腿がつっかえ棒になるため、立脚後期になると、骨盤は立脚側に回転しちゃうんですね。
ここでもやはり、行き場を失った力が、代償動作を出現させてしまいます。
試しに、足関節を背屈しないで歩いてみて下さい。きっと、窮屈な歩き方を避けるため、骨盤が後方に回転し始めるはずですよ。
う~ん、やっぱり足関節は
歩行に重要なんだね。
この2つを覚えておけば、
歩行観察に幅が出るよ。
おわりに
実は、歩行に影響を与える、足関節の背屈制限には、もう1つあるんですよね。
実際には、足関節だけではなく、膝関節や股関節の影響もあります。
歩行観察に不慣れな人は、まず1つの関節から分析を開始し、徐々に隣接する関節との関連性を考えていきましょう。
それでは、歩行中の足関節が
しっかり観察できますように!