こんにちは、理学療法士で
学校教員のダイ吉です!
リハビリ実習生や新人セラピストからしてみると、歩行分析って未知の世界ですよね。
私も学生時代はチンプンカンプンで、とりあえず関節を書く!筋力低下と結び付ける!といった作業をしていました。
まぁ、当然つまらないんですよね…。
正直、よく分からないよ。
お手本もないし、難しいよね。
そこで今日は、歩行観察で最も分かりやすい、イニシャルコンタクトという相に着目し、筋活動や関節運動を解説します。
いきなり全部の歩行周期は無理でも、この相だけなら分析できそうですよね。では、頑張って付いてきてください!
イニシャルコンタクトとは?
英語を日本語にすると、
イニシャル(Initial)= 初期
コンタクト(Contact)= 接地
初期接地になるので、立脚相がどこから開始したのかを観察することになります。
✅ つま先から初期接地
✅ 足底全面で初期接地
✅ 踵から初期接地
まずは横から眺めて、1番最初に床に触れた場所を確認しましょう。
私は、学生の頃からランチョ・ロス・アミーゴ方式で教えられたので、踵接地というよりはイニシャルコンタクトに慣れています。
カルテなどに記載するときは、頭文字を取ったIC(アイシー)で済ませると便利ですよ。
観察のポイント
それでは、イニシャルコンタクトの観察ポイントを挙げていきますね。
ピクチャーで捉えること
歩行分析の難しいところは、関節や重心が動き続けていることです。そのため何を捉えたらよいのか分からず、すぐに見失ってしまいます。
しかし安心して下さい。
このイニシャルコンタクトは、ピクチャーとして、瞬間的な一面を抜き出すだけでOK。
まずは静止画として、足部が床に接地した瞬間を、絵で捉えるようにしましょう。
カメラでパシャっと撮る感じ!
踵から着くメリット
先程、初期接地を観察すると言いましたが、踵から接地するには理由があります。
なぜ踵から着く方が良いの?
うん、衝撃吸収に関係するんだ。
重さ300tの旅客機を見てみましょう。
着陸する時に機首を上げ、後輪 → 前輪の二段階に衝撃を分散させていますよね。
人間の身体も一緒です。
踵 → 足底面の順番で接地する方が、膝や腰への負担が軽減できるんですよね。
ふ~ん、衝撃吸収か。
足の裏全面で着地すると、
ドスンって音が鳴っちゃうよ。
必要な筋活動
ここで着目する筋肉は、以下の2つ。
足関節を底屈させないための前脛骨筋と、踵で床を踏みしめるための大臀筋になります。
前脛骨筋は分かるけど、
なんで大殿筋が活動するの?
それは床反力に負けないため。
ボールを床に叩きつけると、バウンドして跳ね返ってきますよね。これと一緒で、踵が地面に着地する時も、床反力(反発力)が生じます。
その床反力は、足関節を急激に底屈させ、股関節を屈曲させる力に変化します。
その力に負けないために、足関節背屈筋群の前脛骨筋と、股関節伸展筋の大殿筋が頑張ってくれているってことですね。
へ~、そうだったんだ。
筋活動を確認しよう
ためしに、自分の大殿筋を触知しながら、踵から接地するように歩いてみましょう。
指を立てて、強く押し込むのがコツです。
おおー、踵が着くと同時に
大臀筋が指を押し返してくる!
ね、イニシャルコンタクトで
大臀筋が活動してたでしょ。
残念ながら、前脛骨筋は触知しながら歩けませんので、足関節をよく観察して、床反力に負けていないか確認して下さい。
おわりに
さて、イニシャルコンタクトで踵から着くメリットと、必要な筋活動を解説しました。
最後におさらいしておきましょう。
【イニシャルコンタクトの評価】
①どこから接地しているか観察せよ
②床反力に負けていないか確認せよ
③大殿筋の筋活動を触って確認せよ
この相は一瞬で終わってしまいますが、何度も繰り返し練習をすれば、短時間で評価できるようになるはずです。
そこまで上達したら、次はローディングレスポンスの観察に進みましょう!
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それでは、歩行の初期接地が
上手に観察できますように!