PT国家試験対策│重症筋無力症はこの3パターン!過去問解説付き

ぐったりしてベッドに寝ている女性。 国試対策
ダイ吉
ダイ吉

プク太くん、国試対策の

勉強は進んでる?

プク太
プク太

いや~、ちょっと苦戦中。

模試の点数が上がらない…。

国試対策では、ダイエットのような「停滞期」が必ず訪れます。

そんな時は焦らず、確実に1点を積み上げる勉強を続けて下さい。

そこで今日は、国試対策授業で教えている重症筋無力症の攻略法を紹介します。1点を取るために必要な知識をインプットしましょう!


重症筋無力症(MG)とは

この病気は、神経筋接合部でトラブルが起きる「自己免疫疾患」です。

Myasthenia Gravis(以下MG)

神経終末でアセチルコリンが放出されるが、骨格筋の受容体が自己免疫により破壊され、受け取れなくなる病気です。

神経終末から放出されたアセチルコリンと骨格筋のイラスト。

一番わかりやすいイメージはこれです。

<駅の自動改札の故障>
満員電車が駅に到着、ドアが開いて一気に改札に人が向かう。6台ある自動改札機のうち4台が故障で停止。2台しか稼働していない。
→ その結果、大渋滞が起こる

ようするに、アセチルコリンが筋肉に届く量が減るため、筋収縮が弱くなる状態です。

国試では、悪いのは筋肉側の受け皿である、アセチルコリン受容体に原因があると覚えておきましょう。

ランバート・イートンも同じ自己免疫疾患。ただし、神経終末でアセチルコリンの放出が阻害されるため、悪いのは神経側であることに注意。
ダイ吉
ダイ吉

自己免疫疾患なので、

女性に多いよ!

プク太
プク太

たしか、40歳くらいに

多かったような…。

では過去問をチェック!

重症筋無力症について正しいのはどれか。 (第52回 午後 88)

  1. 起床時に症状が強い
  2. 悪性腫瘍の合併が多い
  3. 自己免疫性疾患である
  4. 女性よりも男性に多い
  5. 40歳以前の発症は稀である
答えを見る(クリックして展開)

正解:3

1. × 夕方に症状が悪化する。
2. × 胸腺腫の合併が多い。
3. 〇 抗アセチルコリン受容体抗体による自己免疫疾患である。
4. × 女性(特に若年層)に多い。
5. × 女性は30~40代の発症が多い。

国試に出る3大症状とキーワード

MGの症状は多彩ですが、以下の3パターンは出題頻度が高めです。

眼瞼下垂・複視(夕方に悪化)

まぶたが下がってくる(眼瞼下垂)や、物が二重に見える(複視)が出現します。

眼瞼下垂のイラスト、眼輪筋の筋力低下を解説。

最大の特徴は「日内変動」です。

朝: 調子が良い

夕方: めっちゃ調子が悪い

プク太
プク太

なぜ夕方に悪くなるの?

ダイ吉
ダイ吉

さっきの自動改札で

考えてみようか!

6台中4台が故障。残りの2台がフル稼働している状態でしたね。

朝はまだ大丈夫だったけど、その状態で何時間も稼働していると、残った2台も徐々に疲労が蓄積してきますよね。

これを専門用語で「易疲労性」と呼びます。よって、日内変動が起こるのです。

それでは、過去問チェックです。

重症筋無力症について正しいのはどれか。2つ選べ。 (第48回 午前 90)

  1. 筋電図検査において末梢神経の連続刺激で振幅の増大がみられる
  2. 抗アセチルコリン受容体抗体陽性率は10%である
  3. 症状の日内変動がある
  4. 嚥下障害の合併はない
  5. 眼瞼下垂がみられる
答えを見る(クリックして展開)

正解:3, 5

1. × 振幅は徐々に小さくなる。(増大するのはランバート・イートン症候群)
2. × 約80%以上が陽性。10%は抗Musk抗体によるもの。
3. 〇 夕方に悪化する日内変動が特徴。
4. × 球症状(嚥下・構音障害)を合併しやすい。
5. 〇 初発症状として眼瞼下垂や複視が多くみられる。

構音・嚥下障害

舌や喉の筋肉も疲れてくるため、呂律が回らなくなったり、飲み込みにくくなったりします。

ST(言語聴覚士)さんの役割も重要になる疾患です。

呼吸障害(ここがひっかけ!)

呼吸筋が疲労すると、吸う力も弱くなります。 ここで重要なのは、換気障害の種類です。

〇 拘束性換気障害:吸えない
(肺が広がらない)

× 閉塞性換気障害:吐けない
(空気の通り道が狭い)

胸を押さえて苦しそうにする女性。

「MGでは閉塞性換気障害がみられる」という選択肢は間違いです。ここで迷わないように線引きしておきましょう。

合併症と検査のポイント

続いては、この病気ならではの合併症と、診断するための検査について整理します。

胸腺腫(きょうせんしゅ)

MG患者の多くに、胸腺の異常である胸腺腫が見られます。

ダイ吉
ダイ吉

胸腺は免疫の司令塔だから

ここの異常は免疫の異常に

直結しちゃうよね…。

よって“重症筋無力症 = 胸腺の手術”という結びつきは国試の鉄板です。

重症筋無力症を合併することが多いのはどれか。 (第48回 午前 76)

  1. 肺癌
  2. 乳癌
  3. 中皮腫
  4. 胸腺腫
  5. 食道癌

1点を取りこぼさないように注意です!

テンシロンテスト

これは、診断に使われる検査です。

テンシロンテストのメカニズムをテキストで解説。コリンエステラーゼ阻害薬で改善すればMGとなる。

コリンエステラーゼの働きを邪魔する薬を投与して、一時的に症状が改善すれば陽性(MG確定)となります。

クリーゼについて

クリーゼは、脱力や呼吸症状悪化など、急性増悪する危険な状態です。

酸素療法をしている女性のイラスト。クリーゼは急性増悪であり、脱力や呼吸症状がでる解説あり。

きっかけは、ストレスです。

  • 例1:インフルエンザに罹患し免疫系に大きなストレスがかかった
  • 例2:転倒し骨折したため、身体的に大きなストレスがかかった

大きなストレスと戦うために『免疫』が暴走して、余計に自分(受容体)を攻撃しちゃうイメージです。

重症筋無力症で正しいのはどれか。 (第51回 午後 29)

  1. 脱髄性疾患である
  2. 午前中に症状が悪化する
  3. 複視を生じることは稀である
  4. 感染はクリーゼの誘発因子である
  5. 四肢遠位筋の筋力低下を生じやすい

急に息ができなくなるリスクがあるため、国家試験でも出題されやすいワードですね。

【重要】リハビリの禁忌(やってはいけないこと)

実習でも国試の実地問題でも、ここが一番問われます。

絶対にやってはいけないこと

 × 高負荷の筋力増強訓練

リハビリの注意点のイラスト。高負荷・高頻度は禁忌。休憩を入れた低負荷が基本。

無理に筋トレをすると、過用性筋力低下やクリーゼを招きます。 リハビリの基本は、以下の通りです。

  • 低負荷・低頻度で行う。

  • 休憩をこまめに挟む。

  • 易疲労性を考慮し、調子の良い時間帯(午前中など)に行う。
ダイ吉
ダイ吉

漸増負荷運動について

大事なことを言うよ!

最近、国試でMGに対する漸増負荷運動について出題されます。これは、ドローム法のように1セット目より2セット目を強くする意味での漸増なら×です。
ただし、弱い負荷から始めて、長期間で徐々に負荷を上げて行きましょうという意味なら〇です。
では過去問でチェックしてみましょう。

重症筋無力症で正しいのはどれか。 (第57回 午後 44)

  1. 過用に注意して運動は漸増負荷とする。
  2. 日内変動として午前中に症状が悪化する。
  3. 低頻度連続刺激の筋電図でwaxing現象がみられる。
  4. 運動神経末端からのアセチルコリン放出が障害される。
  5. クリーゼによる呼吸症状悪化は閉塞性換気障害で起こる。
答えを見る(クリックして展開)

正解:1

1. 〇 過用性筋力低下に注意しつつ、長期的な視点で徐々に負荷を上げていく。
2. × 夕方に悪化する。
3. × 振幅が減衰するwaning(漸減)現象はランバート・イートン。
4. × アセチルコリンの放出障害はランバート・イートン症候群の特徴。MGは受容体の障害。
5. × 呼吸筋麻痺による「拘束性換気障害」を呈する。

実践!国試過去問にチャレンジ

マークシートを塗っている画像。

では、ここまでの知識を使って過去問を解いてみましょう。


問1 重症筋無力症で正しいのはどれか。 (第49回 午前 89)

  1. 女性より男性に多く発症する
  2. 四肢では遠位筋の筋力低下が起きやすい
  3. 夕方にかけて症状は軽快する
  4. 末梢神経の連続刺激で振幅の増大がみられる
  5. コリンエステラーゼ阻害薬が用いられる
答えを見る(クリックして展開)

正解:5

1. × 女性(特に40代前後)に多い。
2. × 頸部体幹~四肢近位筋に起きやすい。
3. × 夕方に悪化する(日内変動)。
4. × 受容体が疲労するため連続刺激で振幅は減弱していく。
5. 〇 コリンエステラーゼの働きを邪魔すると症状は改善する。


問2 重症筋無力症患者のQMG score<Quantitative Myasthenia Gravis score>に含まれる評価はどれか。2つ選べ。 (第59回 午前 44)

  1. 意識状態
  2. 嚥下機能
  3. 感覚障害
  4. 眼球運動
  5. 排尿機能
答えを見る(クリックして展開)

正解:2と4

MGで出現する症状は、嚥下機能障害と複視などの眼球運動である。その他の選択肢は直接、出現しない症状である。


問3 重症筋無力症のクリーゼについて誤っているのはどれか。 (第53回 午前 46)

  1. 嚥下障害を認める。
  2. 咳嗽機能が低下する。
  3. 閉塞性換気障害をきたす。
  4. 発症率は20%以上である。
  5. ステロイドの急激な減量が原因となる。
答えを見る(クリックして展開)

正解:3

1. 〇 球症状(嚥下・構音障害)が悪化し、誤嚥のリスクが高まります。
2. 〇 呼吸筋の低下により、痰を出す力(咳嗽力)も低下します。
3. × 呼吸筋麻痺による「拘束性換気障害」をきたします(閉塞性は誤り)。
4. 〇 全経過中で約20%の患者さんがクリーゼを経験すると言われています。
5. 〇 薬(ステロイド)の急な減量や中断は、クリーゼの誘因となります。

ダイ吉
ダイ吉

全問正解できたかな?

プク太
プク太

うん、全問正解だった!

まとめ:神経難病は「パターン」で勝てる!

さて、重症筋無力症の国試対策。必勝までの3パターンは身に付きましたか?

✅ 受容体が壊れる自己免疫疾患

✅ 夕方に悪化する日内変動

✅ 高負荷はダメ ※クリーゼの誘発

重症筋無力症(MG)は、理解してしまえば確実に1点が取れる「おいしい分野」です。

でも、実はこれだけではありません。

国試に出る神経・筋疾患には、MGと同じように「ここだけ覚えれば解ける」という決まった勝ちパターンが存在します。

  • パーキンソン病
  • ギランバレー症候群
  • 筋萎縮性側索硬化症、他

これらの神経筋疾患を、国試本や教科書で勉強しているとしたら、それは時間の無駄づかいかもしれません。

残りの疾患も、MGと同じように「図解」と「裏技」でサクッと攻略したい人は、次の記事を読んでみてください。

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