こんにちは、理学療法士で
学校教員のダイ吉です!
本日の内容は、モーメントに関する問題です。
物理の問題に対して、軽いアレルギーがある人って多いんじゃないでしょうか。
僕は、この分野を捨ててます!
いや、ドヤ顔されても…。
でも、大丈夫!
今日は、簡単な公式と計算に慣れて貰えれば、国家試験で簡単に3点が貰えるってことを証明したいと思います。
それでは、解説していきますね。
モーメントとは
モーメントは、「回転する能力」です。
PTとOTの国家試験では、この回転する力の強さを計算させる問題が出題されます。
そんなん習ってないよ。
いや、もう習っているはず。
公園のシーソーを思い出して下さい。
体重が重ければ、回転する力が強くなる。
支点から離れると、回転する力が強くなる。
たとえ物理を勉強していなくても、日常生活から学んでいるんですね。
プク太くんなら、
強いモーメントが生じるね。
ほ、放っておいてよ。
ね、習っていたでしょ?
モーメントの求め方
力点に掛かる重さは[N]、支点から力点までの距離は[m]で計算します。
Nはニュートンで、1kgあたり約10Nで計算します。※厳密には9.8N
モーメントの求め方は、重さ × 距離 になるため、以下の公式を覚えておきましょう。
【モーメントの公式】
① 重さ[N] × 距離[m] = モーメント[Nm]
② 1kgw= 約10Nm
このように、回転する能力の強さというのは、Nm(ニュートンメートル)という単位で表すことができます。
例えば、支点から2m の場所に、1kgの重りを置いた場合に発生する、モーメントの量はこうなります。
簡単な掛け算で解けるっしょ。
うん、これなら楽勝かも!
過去問題を解いてみよう
では、この問題で腕試しをしましょう。
<第47回:午後問4>
体幹を前傾して静止した人体の模式図を示す。図中の数値は、人体の各部位の重量と、各部位の重心を鉛直に投影した点と基準点との距離である。
人体全体の重心を投影した点と基準点との距離はどれか。
1) 0.4m
2) 0.5m
3) 0.6m
4) 0.7m
5) 0.8m
うへぇ~、なんだこりゃ。
現時点で、チンプンカンプンだ!という人も、安心して下さい。
この記事を読み終わったあと、類似問題が解けるようになっているはずですよ!
情報を整理しよう
まず、この手の問題は、余計な情報を取り除くことが重要なのです。
だから、簡単に問題を書き換えてみます。
まずは、肘関節のようなレバーアームの上に、重さの異なる3つの鉄球が乗っていると考えて下さい。
青い鉄球、緑の鉄球、茶色い鉄球の3つが、時計回りに回転させる力を持っています。
【公式のおさらい】
① 重さ[N] × 距離[m] = モーメント[Nm]
② 1kgw= 約10Nm
青)450N × 0.4m = 180Nm
緑)50N × 0.6m = 30Nm
茶)100N × 0.9m = 90Nm
この3つを合計すると、300Nmというモーメントが、時計回りに働いていることが分りました。
力をまとめてみよう
そこで、3つの鉄球ではなく、1つの鉄球だったらどうでしょうか?
45kg + 5kg + 10kg = 60kg
力をまとめることで、60kgwの鉄球を1つ使って、300Nm のモーメントを発生させなさい!という問題文に変わります。
先程は、3つの鉄球の距離がバラバラでしたが、今度は1つです。
【公式のおさらい】
① 重さ[N] × 距離[m] = モーメント[Nm]
② 1kgw= 約10Nm
だから、求めたい距離を?mとすると、
600N × ? m =300Nm
で求められますね。
プク太くん、答えは?
えっと、0.5mかな?
正解、おみごと!
ということで、支点から0.5mの場所に鉄球を置くと、時計回りに同じ大きさのモーメントが発生することになりそうです。
選択肢に0.5mはあったかなぁ…?
うん、2番がドンピシャです!
よって、第47回、午後の問4の回答は2ということになりますね。
これで、3点ゲットだぜ!
別の問題を解いてみよう
それじゃ、忘れる前にもう一問、モーメントに関する問題を解いてみましょう!
図は立位で5kgのダンベルを持ち水平位に保持している。肩関節外転筋群が作り出している反時計回りの力のモーメントで、正しいのはどれか。 ※1kg重=10Nとする
では、この問題を自分で解いて下さい。
あえて選択肢は書かないので、計算ミスをしないよう、慎重に解きましょう!
Step1:支点、距離、力を把握する
Step2:回転する力を把握する
Step3:回転する方向が同じなら合算する
※答えの単位はNmになります。
解答は、本文の最後に
用意しておくね。
おわりに
今、振り返ると、自分が国家試験を受ける時には、こんな解き方はしていませんでした。
解説本の式を覚えて、何となく当てはめながら解いていたんじゃないかと思います。
物理系の問題は、3点問題になることが多いので、何となくではなく、しっかり理解して解くことが望ましいですね。
モーメントを使った応用問題は、全てチェックして自信をつけて下さいね。
高校時代、物理とは無縁だった私が解けるんだから大丈夫!
それでは、答え合わせだよ!
【解答】
0.1m × 15N + 0.5m × 60N
= 31.5Nm
みんな正解できたかな?
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