正常な姿勢って何なの?変化させる能力と保持する能力を評価

姿勢・動作
ダイ吉
ダイ吉

こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!

リハビリの評価では、臥位、座位、立位などの姿勢分析をすることがあります。

でも、なぜ姿勢を評価するのでしょうね?

プク太
プク太

いや、なんとなく雰囲気で…。

ダイ吉
ダイ吉

最初は、レポートのために
仕方なくやるって感じだよね。

実は、私も理学療法士になった1年目は、なぜ姿勢を評価するのか?って疑問を持ちながら、日々の臨床に出ていました。

だから新人セラピストや、実習中の学生達も、きっと同じ悩みを抱えているはずです。

そこで今日は、猫背のクセに患者さんの姿勢に文句をつける私が、姿勢の評価について解説をしてみようと思います。

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正常な姿勢とは

立位、座位、臥位で「正常」における定義は、こんな感じじゃないでしょうか。

「正常な姿勢」
いかなる条件でも、姿勢を環境に適合させることができること。

ちょっと、以下の例を見て下さい。

このように、どんな条件でも問題ない場合、正常な姿勢と判断できますよね。

だから、骨盤を後傾しないと座れない、腰が痛くてうつ伏せになれない、といった場合は姿勢に異常があると判断できます。

ダイ吉
ダイ吉

みんなも正常な姿勢でしょ?

姿勢の評価ポイント

姿勢の評価は、患者さんのアライメントを、スケッチするだけでは不十分です。

これから紹介する2つの項目は、姿勢を評価する際に絶対に確認しましょう。

環境に合わせられる能力

人間は、生まれた時から姿勢制御が備わっており、必要に応じて姿勢を変化させます。

同じ姿勢でいれば、圧力により身体がダメージを受けるため、座り直したり、寝返りをすることで防御をしているんですね。

また、生活場面によって変わる環境に対し、姿勢を変化させて対応しています。

坂道になれば、前傾姿勢で歩きます。また、電車で駅に止まる時は、反対に体重を寄せて踏ん張るはずです。

このように、姿勢を変化させる能力は、必ず評価して欲しい項目になります。

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姿勢を保持する能力

次の評価ポイントは、適合した姿勢を保持する能力になります。

ダイ吉
ダイ吉

プク太くん、立位姿勢の
ランドマークは?

プク太
プク太

え、ランドマーク?

ランドマークは指標という意味で、立位姿勢では、以下の配列が望ましいとされています。

この通りにアライメントを整えると、脊柱の弯曲や骨盤の傾きが生理的な形になります。

ダイ吉
ダイ吉

でも、疲れるんだけどね…。

しかし、円背などで前傾姿勢になると、外耳孔が前に移動してアライメントが崩れます。

プク太
プク太

じゃあ、頭部を後ろに移動
させればいいんじゃない?

ダイ吉
ダイ吉

よし、ちょっとやってみよう。

それでは、直線上に外耳孔が来るよう、徒手でセッティングしてみましょう。

すると、

今度は肩甲帯が後ろに移動しちゃいました。

これにより、姿勢を保持するための、腹筋群と下肢に余計な筋活動が生じます。

ということで、この時点で、

・頸椎の前弯が減少している

・胸椎の後弯が増強している

・腰椎の前弯が減少している

・股関節に屈曲拘縮がある

この辺りの機能低下が疑わしくなります。

でも、後ろに倒れないために、腹筋群の活動で身体を前に引っ張り、膝が曲がらないよう、下肢の筋力で踏ん張る能力も分かりました。

ということで、2つ目の評価ポイントは、セッティングした姿勢に対し、どのような能力で保持をするのかを調べることです。

プク太
プク太

ふ~ん、姿勢も奥が深いね。

ダイ吉
ダイ吉

やりごたえのある評価だよ。

姿勢の評価では、この2つをやってみよう!

おわりに

さて、姿勢の評価に対して、少しだけ前向きになれたでしょうか。

今までイメージできなかった人は、きっとこのような表記で終わっていたでしょう。

悪い例

[立位姿勢の評価]
頭部:中間位
上肢:両肩関節軽度屈曲位
   肩甲帯軽度外転位
体幹:軽度前傾位
骨盤:軽度後傾位
下肢:股関節軽度伸展位
   膝関節伸展位
   足関節軽度底屈位

これじゃ、どんな姿勢なのか、どこに問題が隠れているのか分かりませんよね…。

だから、正常な姿勢を理解し、変化させる能力と、保持する能力を分析してみて下さい。

きっと評価が楽しくなりますよ。

ダイ吉
ダイ吉

それでは、姿勢の評価が
上手にできますように!

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