こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
実習で担当した患者さんの情報は、すぐに膨大な量になってしまうので、レポートにまとめるのが大変ですよね。
問診やカルテから得られた情報は、記載したらすぐに整理しておきたいところです。
う~ん、メモがぐちゃぐちゃで
よく分からなくなった…。
ほら~、整理しないから…。
そこで今日は、患者さんの情報を見やすくする、症例紹介の書き方を解説していきます。
症例紹介とは
実習レポートには、こんな人にリハビリをしたよ!という、記録を残す役割があります。
そのため、「こんな人」に関する情報を、症例紹介で最初に提示しておくと親切です。
「はじめに」の次に書こう!
ここでは、パっ!と読み手に伝わるよう項目ごとに分類して、必要な情報を見やすくしてあげましょう。
患者情報の書き方
それでは、見やすい症例紹介にするため、3つの項目に分けて書いていきます。
一般情報
まず1つ目は、患者さんの「個人」を現す情報を、順番に並べていきます。
架空の症例で書くと、こうなりました。
[氏名]A氏
[年齢]60代
[性別] 女性
[身長]158.6cm
[体重]63.5kg
[BMI]25.2(肥満度Ⅰ)
[職業]主婦
[利き手]右手
[趣味]手芸、家庭菜園
[嗜好品]コーヒー
飲酒は月に2回程度
※情報は全て架空のものです
ここで忘れがちなのが、利き手です。食事動作や杖の持ち方など、後々の情報に使えるので、必ず本人に確認しましょう。
あと、高齢者で働いていない場合は、職業欄は無職にするか、前職を書きましょう。
でも主婦って職業なの?
こまけーことはイイんだよ!
え! 怖っ…。
医学的情報
医学的情報は文字通り、病気や障害の背景に関する情報を記載していきます。
続いて、架空の症例で書いてみます。
[診断名]右大腿骨頸部内側骨折
[術式]人工骨頭置換術(後方侵入)
※Total Hip Replacement
[現病歴]Y月Z日に自転車を走行中、凍結した路面に後輪をとられ転倒。翌朝に家族に病院連れられて診察を受ける。X線にて骨折の診断を受け入院となる。
[主訴]傷がズキズキ痛い
[Hope]自分の足で歩きたい
[合併症]なし
[既往歴]H.22~腰部脊柱管狭窄症
[服薬状況]メイアクトMS錠 100mg
[血液データ]
RBC 322↓
Hb 9.0↓
HT 28.7↓
TP 5.7↓
CRP 4.48↑
※基準値外のみ記載
[画像所見]術前のX線画像
Garden分類 Ⅲ-B
※情報は全て架空のものです
こんな感じでまとめてみました。
どんな病気やケガをしているのか、どんな治療を受けているのか、その全体像が、端的に把握できるといいですね。
こんなに情報収集できるかな。
カルテを見るか、他部門から
情報を収集するといいよ!
※ 他部門とのやり取りはコチラ
社会的情報
最後の社会的情報では、患者さんを取り囲む、症例の背景に関する情報になります。
では項目を確認していきましょう。
[家族構成]夫と2人暮らし
[Key person]夫
[使用保険]国民健康保険
[家屋情報]マンション2階(EV付)
[生活状況]夫は自営業で朝早くから作業場に出勤。ご本人は自宅で過ごすことが多い。家事全般を担い、買い物は自転車で5分程度の大手のスーパーを利用。月に数回は近くに住む孫の預かりを依頼される。
※情報は全て架空のものです
症例の家族構成や家屋構造により、自宅復帰に必要な条件が見えてきますね。
また、家族との関係性は、マンパワーに影響するので、できるだけ多くの情報を仕入れたいですね。
本人が分からないことは
どうやって調べるの?
MSWに聞くか、お見舞い
に来た家族からだね。
知りたい情報があれば、まずは実習指導者に相談してみましょう!
また、絶対的な決まりはないので、色々と改良しながら使って下さいな。
おわりに
実習生にとっては、情報収集が難しいと感じる項目が、何個かあったかもしれません。
でも、症例紹介がバッチリまとまれば、それでだけで問題点が見えてくることもあります。
身体機能にだけ注目するのではななく、患者さん個人の情報を、上手に扱いましょう!
それでは、症例情報が上手に
分類できますように!