こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日は、生理学のお勉強になります。
筋肉は温めたり、ストレッチをすることで伸びやすくなる性質があります。
でもそれだけではなく、筋肉を収縮させるストレッチも存在するんですよね!
え、筋肉を使うストレッチ?
うん、そうなんだ。
PNFストレッチ、ホールドリラックスなど、様々な呼び方がありますが、本日は、この筋が柔らかくなる仕組みを解説してみます。
自己抑制(Ⅰb抑制)
このストレッチ効果を知るには、自己抑制という言葉を、理解する必要があります。
う~ん、生理学は苦手…。
大丈夫、めっちゃ簡単に
解説してみるからさ。
では、ゆっくり進んで行きましょう。
筋収縮と関節運動
まず、筋の役割を考えてみましょう。
筋が縮むと、骨が引っ張られることにより、関節運動が起こりますよね。
いわゆる、求心性収縮ってやつです。
関節が動かない時の筋
そこで、ちょっとイジワルをします。
両端の骨を、手で止めてしまうことで、関節運動が起こせないようにしちゃいます。
その状態でも、筋は縮もうと頑張ってます。
負担が掛かる場所
このように、関節運動が起こせない状態で、筋が収縮をし続けると、とてつもなく負担が掛かる場所があるんですよね。
プク太くん、分るかな?
え、ちょっと何言ってるか…。
もう、じゃあこれを見て。
骨が動かない状態で、筋が短くなるということは、両端にある「腱」に負担が掛かります。
あ、そういうことか。
みんなは知ってたよね?
腱紡錘(ゴルジ腱器官)の役割
腱が引っ張られている感覚は、中にある受容器の、腱紡錘(ゴルジ腱器官)が察知します。
このままじゃヤバイ!切れるかも?って思った腱紡錘は、「筋が縮むのが悪い」と、筋肉が原因であることに気が付きます。
自分が腱紡錘だとしたら、何とかして筋肉の邪魔をしてやる!と思うはずです。
では、どうやって邪魔をしましょうか?
運動神経の抑制
筋肉を収縮する指令は、α運動ニューロンが伝えています。ということで、こいつの働きを邪魔してやりましょう。
では、腱が切れそうだという情報を、伝える役割が必要ですよね。そいつは、Ⅰb感覚ニューロンがやってくれるとのことです。
「いちびー」って読むの?
「ワンビー」じゃない?
お好きな方でどうぞ…。
腱紡錘からの情報は、Ⅰb感覚ニューロンが脊髄後角に伝えます。ただし、感覚神経は運動神経を相手に、強く物が言えません。
そこで出現するのが、介在ニューロンです。
介在ニューロンは、感覚神経からのお願いを、上手に運動神経に伝えてくれるのです。
Ib感覚ニューロン
「もう腱が切れちゃいそうなのさ」
介在ニューロン
「腱が切れそうだから緩めてあげて」
α運動ニューロン
「分った力を入れるのを止めるわ」
どうやら無事、α運動ニューロンが、筋に送っていた指令を取り下げてくれました。
その結果、筋が緩むメカニズムを、自己抑制またはⅠb抑制と呼ぶんですね。
ふ~ん、これが筋肉を
使ったストレッチなのね。
そういうこと!
筋肉を緩ませてみよう
では、筋肉が緩むメカニズムが分ったところで、実際の使い方を見てみましょう。
Youtubeで、PNFストレッチやホールドリラックスで検索すれば、すぐに見つかりますよ。
そんなに難しくないため、友達や家族で試してみて下さい。
きっと、すぐに習得できると思いますので、筋を緩ませたい!って思った時は、自分の引き出しの1つとして使ってみましょう。
よし、練習してみるか!
ダイ吉、身体を貸してよ。
あ~、はいはい。
おわりに
さて、腱紡錘の働きで起こる、自己抑制について解説をしてみました。
筋紡錘と腱紡錘の違いが曖昧で、あやふやに使用しているセラピストも結構います。
患者さんに使用するなら、しっかり生理学の知識を、頭に入れておきましょうね。
それでは、自己抑制が上手に
使いこなせますように!