こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日のテーマは、二関節筋のストレッチです。
複数の関節をまたぐ、二関節筋を理解することは、評価をする上で強い味方になります。
評価に関係あるの?
うん、もの凄い重要だよ。
そこで今日は、二関節筋のストレッチを例に、評価の流れを解説してみます。
まだ「評価」という言葉に不慣れな、実習生や新人セラピストは必見ですよ!
評価って何なの?
学生時代、「評価」という言葉が分からず、とても苦労した経験があります。
え、評価ってROMとか
MMTのことでしょ?
いや、それは検査だから…。
検査は、出てきた結果を基準や正常値に当てはめ、良い・悪いを判断する作業です。
しかし評価は、「知りたいこと」を自分で決め、仮説を立ててそれを証明することです。
【評価の流れ】
✅ 現象を見つける
✅ 仮説を立てる
✅ 検証をする
う~ん、難しそうだな。
じゃあ、一緒にやってみよう。
百聞は一見にしかず、評価を見てみましょう。
評価を体験しよう
では二関節筋を使い、評価を進めていきます。
もし可能なら、ペアで体験してみて下さい。
現象を見つける
現象とは、痛みがある、立てない、動かないなど、異常と思われるもの全てです。
今回の現象は、これにしましょう。
腹臥位での、膝屈曲制限です。
これに対し、なぜ膝の屈曲に制限が起こっているのか、これを評価していきます。
仮説を立てる
この状態から仮説を立てると、無限に広がってしまうので、きっと上手く行きません。
ある程度、試してから仮説を立てます。
この状態からストレッチをしたところ、特に変化はありませんでした。
じゃあ、大腿四頭筋は
無関係ってことか。
う~ん、もうちょっと
工夫をしてみよう。
セラピストの足の上に、患者さんの大腿部を乗せて、今度は股関節伸展位で伸長してみます。
すると、さっきまで余裕だったストレッチも、伸ばされる痛みの訴えに変わりました。
大腿直筋を分離した
ストレッチだね。
似てるけど、全然違うね。
ということで、仮説を立てましょう。
これで終わりではありません。この後、実際に仮説を検証していきましょう。
検証をする
では、大腿直筋の伸張性を向上させるため、持続的なストレッチをしてみましょう。
10秒、20秒…。
痛みや抵抗感が和らぐまで、ゆっくりと時間を掛けて伸長させていきます。
その後もう一度、可動域を確認したところ、先ほどの可動域制限が改善していました。
大腿直筋を伸ばしたら、膝の屈曲制限が無くなった。だから、立てた仮説の通り、これが原因だったということが判明しました。
知りたいこと(現象)が分かったので、これで評価は無事に終了です。
あとは、ストレッチ方法や頻度を吟味し、プログラムに取り組み入れればOKですよ!
この現象、仮説、検証が、
評価の基本だからね。
なるほど、検査とは違うね。
これを怠るセラピストは、へなちょこです。
どんな些細な現象も、しっかりと評価をして、真実を見極めて下さいね。
おわりに
さて、今回は二関節筋を使って、評価の流れを解説してみました。
このような検証作業をしていると、原因だけではなく、プログラムや改善経過なども、バッチリ把握することができます。
曖昧な予想だけで進めるのは、評価ではありません。必ずこの手順を守って、正確な評価を心がけて下さいね。
それでは、リハビリ評価が
上手に進みますように!