METs計算で混乱する人専用|国試でも使える消費カロリーの考え方

砂浜で運動前のストレッチをする女性。 基礎医学
ダイ吉
ダイ吉

こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!

METsを使った消費カロリー計算。

計算自体はそれほど難しくないはずなのに、国家試験になると急に分からなくなる。そんな経験はありませんか?

実際、

  • 消費カロリーの計算だけならできる

  • 数字も公式も見たことがある

それでも、METs、酸素消費量、単位変換と条件が重なった瞬間、思考が止まる人は少なくありません。

プク太
プク太

そうそう、途中から何を
してるのか混乱する。

ダイ吉
ダイ吉

kg、ml、Kcal、など

色々な単位が出るし…。

そこで今日は、条件が1つ増えただけで計算が崩れてしまう人に向け、METs計算で何が起きているのかを整理していきます。

まずは、なぜ混乱が起きるのか、その正体から確認していきましょう。


なぜMETs計算は混乱するのか

METs計算で混乱が起きる原因は、計算の途中で「何を求めているのか」を見失うことです。

計算の場面では、

体重、運動時間、運動強度、METs、酸素消費量3.5mlなどの用語を一覧にしたテキスト表。

これらの用語を理解しつつ、同時に計算の処理をしていかなくてはなりません。

さらに、

✅ 酸素消費量を求めているのか

✅ エネルギーに換算しているのか

✅ 運動強度を反映させているのか

この区別が曖昧な状態で計算を始め、途中で数字の意味が分からなくなり、その結果、混乱が起きてしまいます。

特に、医療系の国家試験では、METs数を指定する、単位変換を途中に挟む、条件を文章で遠回しに示すといった形で、思考の整理力を試してきます。

ダイ吉
ダイ吉

PT・OTの国家試験では

五択問題なのに

正解率が低いんだよね。

プク太
プク太

うん、だって文章を読むと

難しく感じるんだもん。

つまり、つまずきの原因は、計算力ではなく、計算の中身を構造として捉えられていないことにあります。

METs計算の全体構造を整理しよう

METs計算で最終的に求めたいのは、消費カロリー(kcal)です。途中に出てくる数字は、すべてこのゴールに向かう通過点です。

そして、消費カロリーは「酸素消費量」をもとに計算することになります。

焚火のイラスト。酸素を吸収して消費カロリーに変換している様子。

ダイ吉
ダイ吉

運動で酸素を使うと

消費カロリーも増える!

プク太
プク太

なるほど、酸素を燃やして

火が強くなるイメージね。

つまり、酸素をどれだけ使ったかを求め、それをエネルギー量に換算し、最後に運動強度を反映させている、という流れです。

混乱の原因の多くは、今「酸素」を計算しているのか「消費カロリー」を計算しているのかを見失うことです。

国試で使うMETs計算の考え方

ここからは、先ほど整理した構造を使って、国試で実際に使える考え方に落とし込みます。

まずは、どの問題にも共通する「基本形」から確認しましょう。

体重と1分間の酸素消費量

1METs(安静座位)の状態では、体重1kgあたり3.5mℓの酸素を消費します。そのため、最初に以下の式を覚えましょう。

体重(kg)×3.5mℓ=1分間の酸素消費量
プク太
プク太

うん、これ位の計算なら
なんとかイケる!

ダイ吉
ダイ吉

う~ん、大丈夫かな…。

体重70kgだと、70 × 3.5mℓとなるため、1分間で消費する酸素は245mℓになります。

運動をした時間を掛ける

1分間の酸素消費量が分かったので、後は運動をした時間を掛け合わせましょう。

例えば、1時間の運動した場合、先ほどの数字に60を掛けるってことです。

 245mℓ × 60分 = 14,700mℓ

これは、60分で消費する酸素の総量です。

酸素消費量をℓに換算する

実は、このあとの計算からℓ(リットル)が出てきますので、1,000で割ってℓに換算しておきましょう。

プク太
プク太

え、1,000で割るの?

(なんでだろう…)

ダイ吉
ダイ吉

m(ミリ)を取るには

1000で割るんだよ…。

14,700mℓ ÷ 1,000 = 14.7ℓ

60分で消費する酸素をリットルに直しただけ。

ℓをkcalに換算する

酸素消費量1ℓにつき、5kcalを消費しますので、先ほどの数値に5を掛けてみましょう。

焚火のイラスト。酸素1リットルで5Kcal消費することを解説。

14.7ℓ× 5kcal= 73.5kcal

これは、体重70kgの人が1METsの運動(安静座位)をすると、1時間あたり73.5kcal ほど消費するという意味です。

計算はまだ続きます!

METs(運動強度)をかける

では、洗濯物を干したり、ジョギングなどで運動強度が増えた場合はどうでしょう。

✅ 2METsの運動なら×2

✅ 3METsの運動なら×3

METsの数字を倍数にすれば、消費カロリーも増えていくことになります。

ダイ吉
ダイ吉

さっきの人で計算してみて?

プク太
プク太

えっと、2メッツなら
73.5×2=147Kcalかな。

ダイ吉
ダイ吉

じゃ、3METsなら?

プク太
プク太

73.5×3=220.5Kcal…。

ダイ吉
ダイ吉

正解!その調子。

それでは、混乱しないで計算できるか、練習問題で確認してみましょう。

練習問題その1

快適な歩行(3METs)を、体重64kgの人が80分間した場合の消費カロリーは?

プク太
プク太

えっと、まず体重に3.5を
さらに、分をかけて…

ダイ吉
ダイ吉

そうそう、その調子!

それでは、解答を書いていきますね。

【問題の解き方】
① 64kg × 3.5mℓ= 224mℓ

② 224mℓ× 80分 = 17,920mℓ

③ 17,920mℓ÷ 1,000 = 17.92ℓ

④ 17.92ℓ× 5kcal = 89.6kcal

⑤ 89.6kcal × 3METs = 268.8kcal

1時間20分運動しても、菓子パン半分くらいのカロリーしか消費しないなんて…、ちょっと食事の内容を考えてしまいますね。

練習問題その2

次は難易度Upです。ぜひ頑張って下さい!

運動負荷テストを行ったところ、最大まで運動したときの酸素摂取量は 1分あたり2,100mℓでした。この人の体重は 50.0kg です。
このとき、この運動は何METsに相当するかを求めなさい。

1.6 METs
2.8 METs
3.10 METs
4.12 METs
5.14 METs

ダイ吉
ダイ吉

解答は最後に書いておくね。

プク太
プク太

よし、やってみるか!

理解できた人向け:0.0175の計算式について

ここまでの内容を整理できた人に向けて、最後に0.0175を使った計算式を紹介します。

この式は、単純に消費カロリーだけを計算したい時に便利な方法です。

① 体重(kg)× 時間(分)× 0.0175

② その答えにMETsを掛ける

先ほど同様、体重70kgの人が1時間運動した時の消費カロリーを計算してみると、

70kg × 60分 × 0.0175 = 73.5kcal

これに、METsの数字をかけ合わせれば、簡単に消費カロリーだけを求められます。

ただし、この式だけを覚えても、国試では通用しません。あくまで、考え方を理解した人が使う補助的な手段として扱ってください。

おわりに

さて、METsと消費カロリーの関係を、混乱しやすい人向けに解説してみました。

しかし、疾患により60%の運動強度にしなさい!など、イレギュラーな問題も出ます。

だから、単純暗記ではなく、解き方を理解し状況に合わせて計算ができるように、慣れてくれたら嬉しいです。

ダイ吉
ダイ吉

それでは、消費カロリーの
計算が成功しますように。

【練習問題その2の解答】

2,100mℓの酸素を消費。これを体重で割ると、2100 ÷ 50  = 42mℓ

1METs の運動なら3.5mℓの消費なのに、42mℓも消費している。42 ÷ 3.5 = 12

普通の状態の12倍も消費している。よって、答えは12METs(4)だよ!

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