こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!
本日は、国家試験の過去問解説です。
対象問題は、第47回午前11の実地問題で、パーキンソン病のバランス練習です。
ちょっと、回答に納得が
いかないんだよな。
そっか、それじゃ僕が
解説してみるよ。
個人的には、かなり良い問題だと思いましたので、その理由についても触れていきますね。
第47回午前11の問題
問題の内容は、こんなやつでした。
50歳の男性。Parkinson病。4年前から右足のふるえが出現し、抗Parkinson病薬を服用している。ADLは自立し、家事を行うことはできているが、作業に時間がかかるようになった。最近、下り坂の途中で足を止めることができず、前方へ転倒するようになったという。自宅でバランス練習を行うことになった。練習方法として適切なのはどれか。
この問題の解答は、2番になります。
答えを暗記するのではなく、同じ問題を出されても100%解けるように、この問題に隠された3つのポイントを理解しましょう。
この問題のポイント
ヤールの重症度を分析
この問題文の中に出てくる、
✅ 足を止められない
✅ 前方に転倒する
この2つのワードから、既に姿勢反射障害が出現していることが分ります。
さらに、ADLや家事が自立している点からも、ヤールの重症度はⅢだと判断できます。
Hoehn-yahr の重症度分類 | |
Ⅰ | 症状が一側に出現する |
Ⅱ | 症状が両側に出現する |
Ⅲ | 姿勢反射障害が出現する |
Ⅳ | 生活に介助を要する |
Ⅴ | 寝たきり状態になる |
実は、国家試験的に、姿勢反射障害が出ているPD患者は、「すぐに転ぶ」、「簡単に転ぶ」という位置づけになっています。
よってここでは、転倒リスクを考えて、安全なプログラムを選ぶ必要がありそうです。
自主訓練ということに気付く
次に注目するべき点は、「自宅で」という部分になります。
ここでイメージして欲しいのは、自分一人で行う自主訓練なんだ!ということです。
あ、そういうことか。
ここは見逃しちゃダメ。
横にセラピストがいる訳ではないので、1人で安全に出来るプログラムが必要です。
姿勢改善も含むものを選ぶ
足が止まらない、前方に転倒することから、すくみ足と突進現象が連想されます。
これらの現象は、前傾&前屈姿勢によって、より顕著に出現しちゃいます。
よって、姿勢を良くしつつ、バランスも良くするプログラムが好ましいですね。
選択肢の絞り方
それでは、ポイントが分かったところで、5つある訓練を1つずつ絞っていきましょう。
まず、1人で出来るかどうかです。
3~5の訓練は、上の2つと比べても、難易度が高くて転倒リスクが高そうです。
自宅で転んだら、大けがに繋がりますので、この3つの選択肢は秒で消せますね!
う~ん、じゃあ残り2つか。
これなら簡単でしょ?
いや、なんで2になるのか
いまだに分からないよ。
では、この2つの絞り方です。
1の運動は、腹筋を伸ばして脊柱の伸展運動をしているので、一見良さそうに感じますよね。
でも、バランス訓練かな…?
対して2の運動は、肩甲帯から殿筋群まで、脊柱を真っ直ぐ伸ばす筋肉が鍛えられます。
そして、四つ這いという安全な姿勢で、左右のバランス感覚を養っていますよね。
だから、この5つの中で、最もこの患者に適した、バランス訓練ということになります。
よし、これなら納得!
そっか、良かったね~。
問題文をよく理解し、5つの絵の中からベストワンを選ぶ、中々と凝った構成でした。
こんな問題がパッと解けると、実地問題(3点)の対策も楽しくなりますね!
おわりに
さて、第47回午前11の解説を終わります。
パーキンソン病はよく3点問題に絡むので、この手の対策は万全にしておきたいですね。
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毎年15点分ほど出るので、1点でも多く取りたい人、平均点を短期間でUpさせたい人は、是非チェックしてみて下さいな。
それでは、国試合格の夢が
叶いますように!