こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
PTやOTの国家試験では、筋肉や神経などに関する、基本的な生理学の問題が出ます。
ちなみに、運動単位と神経支配比について、皆さんはパっと説明できますか?
いや、何だっけ、それ…。
この前、教えたじゃん…。
基礎科目は、1点問題でしか出ないクセに、やたらと範囲が広くて困りますよね。
そこで今日は、生理学の国家試験対策として、運動単位と神経支配比について、解説をしていこうと思います。
運動単位とは
運動単位は、1本の運動神経と、その神経に支配される筋線維を指します。
運動神経と筋線維で1セット!
よって骨格筋には、大量の運動単位が存在しているということです。
ふ~ん、神経と筋線維ね。
もう忘れないでよね…。
神経支配とは
運動神経に支配される筋線維の本数は、骨格筋の大きさや役割によって変化します。
その比率を、神経支配比と呼びます。
神経支配比が大きい
まずは、比率が高い状態。すなわち、1本の運動神経が、たくさんの筋線維を支配している状態を説明します。
ちょっと、引っ越しを思い浮かべて下さい。
もし、指令を出す人間が1人で、それに従う従業員が多い場合には、パワーを出す仕事に向いていますよね。
簡単な動きで、かつ力を要する筋は、このように神経支配比が大きい方が有利です。
上腕二頭筋や、ヒラメ筋だね。
ちなみに、上腕二頭筋は1対800ほど。
ヒラメ筋は1対1500くらいです。
比率、デカっ!
神経支配比が小さい
しかし、仕事には繊細なものもあります。
先ほどとは違い、作業員の数が少なければ、より細かい指示を出すことができます。
パワーは不要だけど、小さくてゆっくりな動きは、神経支配比が小さい方が有利です。
外眼筋とか手指の筋だね。
なるほど、神経支配比が違えば
筋肉の役割も変わるんだね。
ちなみに、外眼筋は1対10ほど。
手指の筋は1対100くらいだそうです。
比率、ちっさ!
過去問にチャレンジ
では、運動単位と神経支配比を復習したところで、国家試験の過去問を解いてみましょう。
プク太くん、頑張って。
よし、やってやる!
では、この過去問題です!
【 第52回 AM-62 】
Q:運動単位について誤っているのはどれか。
① 1個の運動ニューロンとそれに支配される筋線維群を運動単位という。
② 1つの筋肉は多数の運動単位で構成される。
③ 1個の運動ニューロンが何本の筋線維を支配しているかを神経支配比という。
④ 上腕二頭筋より虫様筋の方が神経支配比は大きい。
⑤ 最も強い筋収縮は筋のすべての運動単位が同期して活動するときに起こる。
~シンキングタイム~
前半で解説したことが、頭に入っていれば、超イージーですね。
では解答と解説です。
【 解答 】 ④
【 解 説 】
①~③は前半で解説した通り。
④は、部下(筋線維)が多い方がパワーが出せるので、神経支配比は上腕二頭筋の方が大きい。
⑤は、フルパワーを出す時は、全ての運動単位が参加する必要があるので正しい。
いや~、簡単だったね…。
本当かよ(チッ)。
皆さんも、正解だったかな?
おわりに
やはり、PT/OTの国家試験では、筋肉に関する解剖学や生理学が狙われますね。
でも、丸暗記だけでは対応できません。
ぜひ、今回のように「引っ越し」などの、身近なもので理解をしていきましょう。
それでは、PT国家試験が
無事に突破できますように!
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