COPDで口すぼめ呼吸をするのはなぜ?「ゆっくり吐く」理由とは

誕生日ケーキのろうそくを吹き消す女の子。 国試対策
ダイ吉
ダイ吉

こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!

COPDは、口すぼめ呼吸が有効。
※閉塞性肺疾患
これは国試対策をしている学生なら、多くの人が知っていると思います。
プク太
プク太

うん、基本だよね~。

では、なぜ口をすぼめると、
息が吐きやすくなるのでしょうか?

プク太
プク太

え、本にそう書いてあるし
(ゴニョゴニョ…)

そもそもCOPDは「息を吐きにくい」病気のはずです。それなのに、

早く吐きたいのに、
わざわざ出口を狭くしてゆっくり吐く。

なんだか矛盾していませんか?

先に答えを言います。

口をすぼめて、あえて「空気の渋滞」を作ることで、気道を潰れにくくしているからです。

では、順番に見ていきましょう。


COPDでは、なぜ息を吐きにくい?

まず、肺と気管支の関係を整理します。

呼気時と吸気時の肺の大きさと気管支の太さを比較したイラスト

息を吸って膨らんだ肺は、空気の通り道である気管支を拡げます。反対に、息を吐くと気管支は細くなるものの、空気は通れます。

ダイ吉
ダイ吉

これは、正常な気管支ね。

では、肺胞壁が破壊される肺気腫です。

正常な肺胞と、壁が壊れた肺気腫の肺胞の比較イラスト

<イメージ>
正常な肺 = ゴムの風船
肺気腫の肺 = 伸びた薄いビニール袋

肺気腫では、肺の組織が伸びきった薄いビニール状になり、空気が抜いていくと張りがなくなり、ペタンと潰れてしまいます。

プク太
プク太

ん、ということは?

【COPDの場合】
 息を吐く
  ↓
 肺の張りが弱くなる
  ↓
 細い気道を支える力も弱くなる
  ↓
 気道が潰れやすくなる

正常とCOPDの肺とそれぞれの気管支の太さを比較したイラスト

これが気道虚脱という状態で、肺から空気が出にくくなる原因です。


強く吐けばいい…は逆効果

だったら、頑張って一気に吐けばいいじゃん!と思うかもしれません。

ところが、そう単純ではありません。

肺気腫など、閉塞性肺疾患ではもともと細い気道が潰れやすいため、

頑張って吐く
   ↓
気道がさらに圧迫される
   ↓
途中で通り道が狭くなる
   ↓
空気が出にくくなる

ということがあります。

つまり、速く吐こうと頑張るほど、途中の気道が潰れてしまう。

ここがポイントです。


そこで「口すぼめ呼吸」

では、口をすぼめて、空気の出口を狭くさせたら、どうなるでしょうか?

プク太
プク太

一気には吐けないよね?

ダイ吉
ダイ吉

そう、つまり!

あえて出口に抵抗を作り、空気を渋滞させる。

口すぼめ呼吸をする女性のイラスト。空気の渋滞が気管支がつぶれるのを防いでいることを伝えている。

すると、口から肺までの気道内に圧力が残りやすくなります。

その圧力が、細い気道を内側から支えます。

結果として、

口をすぼめる
 ↓
出口に抵抗ができる
 ↓
気道内圧を保ちやすい
 ↓
細い気道が潰れにくい
 ↓
ゆっくり空気を外へ出しやすくなる

となります。


「ゆっくり吐く」のが正解

口すぼめ呼吸は、

息を速く吐くための呼吸法ではありません。

むしろ逆です。

あえて流れを遅くして、気道を潰さずに吐きやすくする呼吸法

と考えると理解しやすいです。

だから、

「COPDでは息が吐きにくいのに、なぜ口をすぼめるの?」

と聞かれたら、

口をすぼめて呼気時の気道内圧を保ち、気道虚脱を防ぎやすくするため

と答えられればOKです。


国試ではここだけ覚えよう

最後にまとめます。

COPD・肺気腫
→ 肺胞壁が壊れる
→ 弾性収縮力が低下
→ 呼気時に気道虚脱しやすい

口すぼめ呼吸
→ 出口に抵抗を作る
→ 呼気時の気道内圧を保つ
→ 気道が潰れにくくなる
→ ゆっくり吐きやすくなる

あえて少し渋滞させて、途中の道路を潰さない。こう考えると、分かりやすくなりますね。


そしてこの気道虚脱は、COPDのフローボリューム曲線にも顕著に表れます。

フローボリューム曲線と、各呼吸器疾患の関係については、以下の記事でまとめています。

第62回|PT国家試験対策!フローボリューム曲線を5分で理解する厳選5テーマ|ダイ吉@教員×理学療法士
フローボリューム曲線を見て、 「これはCOPD」 「これは拘束性」 と答えられる学生は多いです。 では、 この高さは何を意味するの? なぜ、左右にズレているの? なぜ、角度が違うの? なぜ、とんがり山? ここまで説明できますか? 黒のフロー...
ダイ吉
ダイ吉

それでは、模試の平均点が

あがりますように。