理科の中でも、電気系は苦手だったという人って、実は多いんじゃないでしょうか?
まぁ、私がそうんなんですけど…。
ということで、神経伝導速度
の国試対策をするよ!
うわ~、僕、電気苦手…。
大丈夫です!神経伝導速度の国家試験問題は、コツさえ掴めば、あとは小学生で習う計算だけで解けちゃいます。
それで3点も貰えたら、超ラッキー!
そこで今日は、過去の国家試験問題を使って、神経伝導速度系問題の解き方を解説してみたいと思います。
神経伝導速度の問題
図のように測定した尺骨神経の運動神経伝導速度で正しいのはどれか。ただし、小数点以下第2位を四捨五入する。
1) 59.2m/s
2) 64.5m/s
3) 69.7m/s
4) 88.2m/s
5) 96.1m/s
それじゃ、解いていこうか。
すでに、チンプンカンプン
状態なんですけど。
この問題、一見難しく感じますよね。
でも、大丈夫なんです!
ひとつずつ整理して理解していけば、暗記することなんてないし、同じような問題が出れば、1分以内に解けるはずです。
算数の計算
では、先ほどの問題を解く前に、この算数の問題にチャレンジしてみて下さい。
【問題】
A君は自宅を出てから20分で学校に着きます。途中、600m先にあるB君の自宅からは、8分で学校に到着します。
さて、B宅から学校まで何mですか?
※ 歩く速度は常に一定です。
これなら分かるっしょ?
ちょっと! 2人の歩く速度
が書いてないじゃん!
いや、そこが鍵なんだけど…。
このような問題は、すでに出ている数字を、足したり引いたりすることから始めます。
まず、Aくんは20分、Bくんは8分に注目すると、A宅からB宅までに掛かる時間は、12分だということが分ります。
600mという距離を12分で進むと、
600m÷12分=50m/分 ということで、毎分50mで歩いていることが分りました。
じゃぁ後は分かるよね?
えっと、距離と速度が…。
50m/分で8分歩いた距離ということなので、50×8を計算した400mが答えです。
この計算に自信がない人は、
【は・じ・きの法則】
は) 距離 ÷ 時間 = はやさ
じ) 距離 ÷ 速さ = じかん
き) 速さ × 時間 = きょり
この法則を思い出しましょう。
問題のキーポイント
では、先ほどの問題に戻ります。
速度を求める問題なので、まずは距離と時間を探していきましょう。
神経伝導の距離
では、先ほどの過去問の図から、刺激が走行する距離を算出していきます。
必要な情報は、陰極と陰極の距離です。
S2(-)と S1(+)の距離=225mm
S1(+)と S1(-)の距離=20mm
よって、S1とS2の陰極は、245mm離れていることが分ります。
【尺骨神経の運動神経伝導速度】
式)距離 ÷ 時間 = 速度
245 mm ÷ ? = ?
あとは、時間さえ分かれば解決です。
神経伝導の時間
距離の次は、時間を算出します。波形の左下にある2つの数字に着目して下さい。
この数字は、S1とS2の電極から筋肉に刺激が伝わるまでの時間です。
先ほどの例だと、Aくんは6.5秒、B君は2.7秒かかりました。2人の差は何秒ですか?という計算で所要時間が分かります。
遠いAくんをS2、近いBくんをS1とすると、6.5-2.7=3.8msec が時間となりますね。
【尺骨神経の運動神経伝導速度】
式)距離 ÷ 時間 = 速度
245 mm ÷ 3.8 msec = ?
神経伝導の速度
距離と時間が分かれば、後は計算のみです。
【尺骨神経の運動神経伝導速度】
式)距離 ÷ 時間 = 速度
245mm ÷ 3.8msec = 64.47m/s
ということで、尺骨神経の神経伝導速度は、64.47m/s ということが判明しました。
1秒でそんなに進むのか…。
やっぱ有髄線維は速いね。
問題の解答
国家試験は選択問題です、では先ほどの選択肢から選びましょう。
指示通り、64.47を捨五入をすると…
1) 59.2m/s
2) 64.5m/s ⇐ これだ!
3) 69.7m/s
4) 88.2m/s
5) 96.1m/s
うん、近い数字がありましたね。
これで3点ゲットだ!
本番も、この調子で解こう!
おわりに
さて、計算が苦手な人も解けましたか?
臨床では、医師や検査技師さんが担当するため、PTがこの計算をすることはありません。
そのため、PT国家試験の過去問では、似たような問題しか出ていませんので、今回の内容を覚えておけばバッチリ対策できるはず。
あとは計算ミスに気を付けるだけ!
それでは、神経伝導速度の問題が
国家試験で解けますように。