こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
リスク管理は、全ての業種で求められる重要スキルですよね。リハビリの現場では、実習生の時にイヤってほど叩きこまれます。
もちろん、学校で対策をしてから実習に行きますが、リスク管理って学校の授業で習ってもイメージが付かないんですよね。
僕も、実習でボコられた…。
医療現場のリスク管理は
超シビアだからね。
そこで今日は、学生でも簡単に理解できる、ベッドサイドのリスク管理について、解説をしていきたいと思います。
リスク管理とは
リハビリにおける「リスク」は、やはり転倒や失神などが思い浮かびます。
でも中には、骨折や再出血など、取り返しのつかない重篤なリスクも起こり得ます。
絶対に避けなきゃね。
ヘタしたら実習中止だ…。
そのため、考えられる事故やケガを予防し、起こってしまった場合には、適切に対処をすることが、リスク管理ということになります。
ベッドサイドリハとは
ベッドサイドは、一般病室・個室・ICUなど、入院患者さんのベッド空間です。
ここでリハビリをする理由は、医師からの指示、患者さんの希望、病棟スケジュールなど、様々なパターンがあります。
一度、見学に入った時は、
ドキドキしたよ。
アウェーって感じだね。
ナースステーションや、病棟の雰囲気に飲まれないよう、まず落ち着く必要がありますね。
リスク管理をしよう
では、入室してからのリスク管理について、1つずつ解説していきます。
バイタルチェック
まずは、基本中の基本のバイタルです。
血圧計やパルスオキシメーターは、リハビリ室のを持参するか、病棟から借ります。
当日のバイタルは、病棟のカルテに書いていることもありますが、自分でチェックするほうが確実です。
【バイタルのリスク管理】
・医師が指定する中止基準を確認する
・患者さんの「大丈夫」はアテにしない
・高血圧などの基準を知っておく
まぁ、この辺りはベッドサイドに限らず、リハビリ室でも一緒ですね。
ルートの管理
ベッドサイドでは、点滴をしたままリハビリを実施することが多いです。
見学に入ったら、まず針が刺さっている場所と、チューブの位置を把握して、以下の項目に注意していきます。
【点滴のリスク管理】
・針が動くような関節運動をしない
・チューブを曲げて閉塞させない
・点滴を心臓より低い位置にしない
・引っ掛けて点滴台を倒さない
・力を入れさせ過ぎると逆流する
ヘタをすると、閉塞や気泡流入で、点滴チェッカーがエラーを出すことがあります。
もし、エラー音が鳴ったら、
慌てずに看護師さんを呼ぼう。
尿カテーテルとウロバック
点滴の次は、ウロバックです。
大抵の場合、ベッドの柵に引っ掛けられているので、すぐに気が付くはずです。
当然ですが、引っ張るのは厳禁です。
その他、以下の点に注意しましょう!
【ウロバックのリスク管理】
・高い位置にすると逆流する
・衛生面から絶対に床に置かない
・チューブを曲げて閉塞させない
私の場合、リハビリをする前に、透明のチューブに貯まっている尿を、全てバックに流しておきます。
そうすれば、余計なリスクが減りますよ。
マーゲンチューブと胃ろう
意識障害や嚥下障害があると、栄養や薬を体内に入れるために、鼻や胃にダイレクトに管を挿入している場合があります。
あぁ、見たことあるよ、
そういう理由だったんだ。
当然、リスク管理が必要だよ。
【経管栄養のリスク管理】
・栄養中はリハビリはできない
・栄養直後は逆流の可能性が高い
・チューブや胃ろうには触れない
これらの処置がされている方は、栄養に時間が掛かるため、リハビリを組む時間には配慮する必要がありますね。
酸素による管理
チューブ関連は、まだありました。
きっと中には、鼻カニューレやマスクで、酸素投与されている患者さんもいるでしょう。
これは、人工呼吸器とは違い、ただ血液に溶けやすい酸素を送っているだけです。
外れたら即危険!という訳ではありませんので、落ち着いて対応しましょう。
【酸素関連のリスク管理】
・リハビリによる、SpO2の低下
・チューブが柔らかいので閉塞に注意
・酸素投与量と残量の確認
当然、パルスオキシメーターは、近くに置いておく必要がありますね。
酸素投与量の確認方法は、メモリを見ます。
もしも、3Lと表示されていれば、1分間に3Lの酸素流量があるという意味です。
酸素の量が、減りましたね?
なんて質問ができるとイイネ。
お、それいいね!
使おうっと。
このように、ベッドサイドリハでは、患者さんがつながれている管や計器を確認し、どんどん質問をしてみて下さいね。
おわりに
さて、今回はリスク管理ついて解説しました。
まずは、実習の見学で経験を積み、患者さんの健康状態を守れる人間になりましょう。
そうすれば、きっと患者さんや病棟スタッフから「あいつなら大丈夫!」と、信頼されるセラピストになれるはずです。
インシデントを予防するためにも、常にリスク管理には気を配りましょう。
それでは、ベッドサイドリハが
安全に実施できますように!