
こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!
バレー徴候とミンガッチーニ試験は、目立ちにくい“不全麻痺”を確認する検査です。
名前や姿勢が似ているため、
-
バレー徴候はどうやる?
-
陽性だとどうなるの?
-
結局この2つは何が違う?
と混乱しやすいところです。
この記事では、検査方法・陽性所見・両者の違いについて図で簡単に整理します。
バレー徴候とは?
バレー徴候は、軽度の不全麻痺を確認するために用いられる検査です。
上肢のバレー試験
✅ 検査方法
手のひらを上にして両上肢を前方へ伸ばし、その状態で閉眼してもらいます。
✅ 陽性所見
不全麻痺がある場合、麻痺側の上肢が回内したり、徐々に落下したりします。

腕が下がるだけでなく、同時に前腕の回内も観察することがポイントです。
下肢のバレー試験
✅ 検査方法
腹臥位で、両側の膝関節を45~55°程度屈曲して保持してもらいます。
✅ 陽性所見
不全麻痺がある場合、膝屈曲位を保てず、麻痺側のつま先がゆっくり落下します。


すぅ~っと、落下するよ。
ミンガッチーニ(mingazzini)試験とは?
ミンガッチーニ試験も、下肢の不全麻痺を確認する検査です。
✅ 検査方法
背臥位で、両側の股関節と膝関節を90°屈曲して保持してもらいます。
✅ 陽性所見
不全麻痺がある場合、下肢を保持できず踵がゆっくりと落下します。

もし、体幹の筋力が弱い場合には、片側ずつ検査すると負担が少ないです。
下肢バレーとミンガッチーニの違い
分かりやすい違いは、以下の3つ。
検査の姿勢
-
下肢バレー試験:腹臥位
-
ミンガッチーニ試験:背臥位
膝の屈曲角度
-
下肢バレー試験:45~55°
-
ミンガッチーニ試験:90°
陽性所見
-
下肢バレー試験:保持できなくなり、つま先がゆっくり落下
-
ミンガッチーニ試験:保持できなくなり、踵がゆっくり落下
これで、整理して覚えてください。
陽性なら何が分かる?
バレー徴候やミンガッチーニ試験が陽性でも、それだけで疾患名や障害部位、重症度まで確定できるわけではありません。
分かるのは、
「不全麻痺が存在する可能性がある」
というところまでです。
そのため、深部腱反射や筋緊張、MMTなど、ほかの評価結果と組み合わせて判断します。

筋力低下とはどう見分ける?
観察するときは、左右差や落下の仕方にも注目します。
不全麻痺では、一側の上肢・下肢が徐々に落下することがあります。
さらに、
-
深部腱反射
-
筋緊張
-
病的反射
-
MMT
などの所見も合わせて確認することで、単純な筋力低下なのか、中枢神経系の障害が疑われるのかを考えていきます。
臨床ではどう使う?
バレー徴候やミンガッチーニ試験は、単独で診断を決めるための検査ではありません。
神経内科や救急などでは検査の流れの中で確認されることがありますが、PTが日常臨床で頻繁に使う検査とは限りません。
そのため、
「不全麻痺を確認するための一つの材料」
くらいの位置づけにしておきます。
レポートにはどう書く?
実習などで記録する場合は、検査名だけでなく、姿勢と実際に観察された所見を書きます。
例えば、
左下肢にミンガッチーニ試験を実施したところ、開始後に左下肢の保持が困難となり、踵の緩徐な落下を認めた。
この程度でも、何を確認して何が起きたのかが伝わります。
まとめ
バレー徴候とミンガッチーニ試験は、不全麻痺を確認するための検査です。
覚えておきたいポイントは、
上肢バレー:上肢の回内・落下を見る
下肢バレー:つま先の落下を見る
ミンガッチーニ:踵の落下を見る
の3つです。
陽性所見だけで診断するのではなく、MMT・深部腱反射・筋緊張などと組み合わせて評価していきましょう。

それでは、不全麻痺の検査が
上手に進みますように!
👉 検査やバランス評価のまとめ



