
こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!
バレー徴候とMingazzini試験。
これらの検査は有名なのに、臨床では決め手として使われることは多くありません。

確かに、やっている先生は
あまり見たことないや。

うん、教科書にはちゃんと
載っているんだけどね。
神経内科領域では、検査の流れで行われることがある一方、整形外科や脳外科ではほとんど行われないのが現実です。
ということで、バレー徴候とMingazzini試験について、今回は判定結果の捉え方と臨床での位置づけを整理したいと思います。
バレー徴候の位置づけ
バレー徴候は、教科書では一般的な検査として扱われていますが、臨床での使われ方は診療領域によって大きく異なるのが実情です。
神経内科領域では、医師も含めて検査の流れの一部として確認されることがありました。

一方で、整形外科や脳外科(回復期)では、ほとんど実施されない検査でもあります。

最も使うのは、救急の
ドクターかも。
このような背景から、バレー徴候は単独で判断するための検査ではなく、位置づけが限定された確認手段と考えるのが現実的です。
検査方法(手順と陽性所見)
バレー徴候とMingazzini試験は、どちらも隠れた麻痺(不全麻痺)を判別する検査です。
では、検査の手順と陽性所見を紹介します。
上肢のバレー試験
まず最初は、上肢が動かしづらいと訴える人に行う検査、上肢のバレー試験です。
【検査方法】
手掌面を上にて両手を前に出し、その状態のまま閉眼させる。
【陽性所見】
もし不全麻痺がある場合は、前腕が回内もしくは落下し始める。


落下は分るけど、なんで
回内しちゃうの?

回外筋よりも、回内筋の
筋緊張が強いからだよ。
当然、腕が落下しながら、同時に回内する場合もありますので、見落とさないように!
下肢のバレー試験
続いては、下肢が動かしづらいと訴える人に行う、下肢のバレー試験です。
【検査方法】
腹臥位にて両側の膝関節を、45~55°に屈曲させる。
【陽性所見】
もし不全麻痺がある場合は、膝屈曲位が保てずにつま先が落下し始める。

検査が陽性の場合、すぅ~~って感じで、ゆっくり落下してきます。
Mingazzini試験
最後は、ちょっとマニアックな名前が付いている、「ミンガチーニ試験」です。
ミンガツィーニ、ミンガズィーニ…、好きな発音で良いと思います。
【検査方法】
背臥位で両側の股関節と膝関節を90°屈曲させる。
※体幹筋が弱い場合は片方ずつ検査
【陽性所見】
もし不全麻痺がある場合は、膝関節が保持できずに踵が落下し始める。


へぇ、ミンガチーニか、
初めて聞いたかも。

いつか使う場面がくるから、
覚えておくと良いよ。
どちらも、検査方法を考えた、バレーさんや、ミンガチーニさんの名前が付けられているようですね。
判定結果の捉え方
バレー徴候やMingazzini試験が陽性だったとしても、それだけで病名診断が確定するわけではありません。
分かるのは、「不全麻痺があるかも?」という可能性が示唆されるところまでです。
実際、バレー徴候が陽性でも、
・どのレベルの障害か
・何の疾患なのか
・どの程度の重症度か
までは判断できません。逆に、陰性だからといって麻痺が否定できるわけでもない点にも注意が必要です。
つまり、判定結果は「答え」ではなく、次に何を確認すべきかを考えるための材料と捉えるのが現実的です。
臨床でどう使う?
臨床では、経時的な変化をみる目的では、一定の意味を持つ場面があります。
たとえば、運動療法や物理療法の前後で、
② バレー試験で落下速度が低下
→ このリハビリは効果がある
また、ステロイド治療開始の前後で、
② バレー試験で落下する範囲が小さい
→ この薬物療法の効果があった
さらに、細かな筋力評価を行う前に、全体としての変化を把握するスクリーニングとして位置づけると分かりやすいと思います。
このように、数値化や厳密な判定を目的とするのではなく、臨床経過を追うための確認という位置づけで使うと良いでしょう。
おわりに
バレー徴候やMingazzini試験は、それ単独で診断や重症度を決める検査ではありません。
判定結果は、確認材料の一つです。

この検査の結果だけにとらわれず、深部腱反射や筋緊張検査などと組み合わせながら、臨床全体の流れの中で評価につなげていく。
その距離感こそが、この検査を臨床で活かすポイントだと思います。

それでは、不全麻痺が
見つけられますように!
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