二関節筋のストレッチでリハビリの評価を体験してみよう!

検査・評価
ダイ吉
ダイ吉

こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!

本日のテーマは、二関節筋のストレッチです。

複数の関節をまたぐ、二関節筋を理解することは、評価をする上で強い味方になります。

プク太
プク太

評価に関係あるの?

ダイ吉
ダイ吉

うん、もの凄い重要だよ。

そこで今日は、二関節筋のストレッチを例に、評価の流れを解説してみます。

まだ「評価」という言葉に不慣れな、実習生や新人セラピストは必見ですよ!

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評価って何なの?

学生時代、「評価」という言葉が分からず、とても苦労した経験があります。

プク太
プク太

え、評価ってROMとか
MMTのことでしょ?

ダイ吉
ダイ吉

いや、それは検査だから…。

検査は、出てきた結果を基準や正常値に当てはめ、良い・悪いを判断する作業です。

しかし評価は、「知りたいこと」を自分で決め、仮説を立ててそれを証明することです。

【評価の流れ】

現象を見つける

仮説を立てる

検証をする

プク太
プク太

う~ん、難しそうだな。

ダイ吉
ダイ吉

じゃあ、一緒にやってみよう。

百聞は一見にしかず、評価を見てみましょう。

評価を体験しよう

では二関節筋を使い、評価を進めていきます。

もし可能なら、ペアで体験してみて下さい。

現象を見つける

現象とは、痛みがある、立てない、動かないなど、異常と思われるもの全てです。

今回の現象は、これにしましょう。

腹臥位での、膝屈曲制限です。

これに対し、なぜ膝の屈曲に制限が起こっているのか、これを評価していきます。

仮説を立てる

この状態から仮説を立てると、無限に広がってしまうので、きっと上手く行きません。

ある程度、試してから仮説を立てます。

この状態からストレッチをしたところ、特に変化はありませんでした。

プク太
プク太

じゃあ、大腿四頭筋は
無関係ってことか。

ダイ吉
ダイ吉

う~ん、もうちょっと
工夫をしてみよう。

セラピストの足の上に、患者さんの大腿部を乗せて、今度は股関節伸展位で伸長してみます。

すると、さっきまで余裕だったストレッチも、伸ばされる痛みの訴えに変わりました。

ダイ吉
ダイ吉

大腿直筋を分離した
ストレッチだね。

プク太
プク太

似てるけど、全然違うね。

ということで、仮説を立てましょう。

【仮説】大腿直筋の伸張性低下により膝に屈曲制限が生じている

これで終わりではありません。この後、実際に仮説を検証していきましょう。

検証をする

では、大腿直筋の伸張性を向上させるため、持続的なストレッチをしてみましょう。

10秒、20秒…。

痛みや抵抗感が和らぐまで、ゆっくりと時間を掛けて伸長させていきます。

その後もう一度、可動域を確認したところ、先ほどの可動域制限が改善していました。

大腿直筋を伸ばしたら、膝の屈曲制限が無くなった。だから、立てた仮説の通り、これが原因だったということが判明しました。

知りたいこと(現象)が分かったので、これで評価は無事に終了です。

あとは、ストレッチ方法や頻度を吟味し、プログラムに取り組み入れればOKですよ!

ダイ吉
ダイ吉

この現象、仮説、検証が、
評価の基本だからね。

プク太
プク太

なるほど、検査とは違うね。

これを怠るセラピストは、へなちょこです。

どんな些細な現象も、しっかりと評価をして、真実を見極めて下さいね。

おわりに

さて、今回は二関節筋を使って、評価の流れを解説してみました。

このような検証作業をしていると、原因だけではなく、プログラムや改善経過なども、バッチリ把握することができます。

曖昧な予想だけで進めるのは、評価ではありません。必ずこの手順を守って、正確な評価を心がけて下さいね。

ダイ吉
ダイ吉

それでは、リハビリ評価が
上手に進みますように!