こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日のテーマは、車イスのサイズ選びです。
理学療法士は、車イスを導入をする際に、身体との適合性についてよく相談されます。
車イスの作成なんかも
やるんでしょ?
うん、最初の設計から
手伝うこともあるんだよ。
でも、車イス仲介業者の人に聞くと、ほとんどのセラピストは、業者に丸投げらしいです。
・合いそうな車イス持ってきて
・身体に合わせて作ってあげて
う~ん、これってちょっと無責任ですよね。
ということで今日は、対象者に適合した車イスを選ぶための、身体計測についてお話します。
身体に合う車イス
車イスの作成でも、レンタル品でも、身体に適合していないものはNGです。
座面の位置が高くて1人で立てない。車輪が大きいから、漕ぐとすぐに疲れる…。
導入してから、このようなクレームが出れば、患者さんとの信頼関係に傷が付きます。
う~ん、誰にでも合う
訳じゃないんだね。
数センチの差が、重大なミス
につながることもあるよ。
導入前にちゃんと計測し、納品の際には、しっかりとチェックアウトしてあげたいですね。
身体計測をする場所
車イスを選ぶ前に、理学療法士が計測したい部分は、全部で5ヵ所あります。
①アームレストの高さ
まず1つ目は、アームレストの高さです。
硬い台に座らせて、肘関節を90°屈曲させた時の、座面から肘頭までの距離を計測します。
アームレストは、高すぎると疲れるし、低すぎると腕が乗せられません。
②座面の奥行き
次は、座面の奥行きを計測します。
計測する際は、骨盤をしっかり起こした状態で、仙骨後面から膝窩までを計測します。
座面の奥行きは、長いと膝窩に負担が掛かり、短いと姿勢が安定しません。
③座面の高さ
続いての計測は、座面の高さになります。
計測する際は、股関節と膝関節を90°屈曲させた状態で、膝窩から床面までを計測。
座面は、高すぎても低すぎても、1人で立ち上がれなくなるので、慎重に測りましょう。
また、厚めクッションを使う場合や、足漕ぎをする人は、あえて低めに設定して下さい。
なるほど、人によって良い
良い高さは変るんだね。
用途や環境によっては、目安の
数値も変化させないとね。
数値だけに捉われないよう注意!
④バックレストの高さ
続いては、背中側の計測に移ります。
バックレスト(背もたれ)の高さは、骨盤を起こした状態の、座面から肩甲骨下角を計測。
左右差がある場合は、低い方の計測値を目安にしますが、ケースバイケースですね。
⑤座面の横幅
最後の座幅は、臀部の幅で決定します。
計測は座った状態で、両側の大転子間の距離を計測します。この時に、2冊の本で挟むと計測しやすいです。
デコボコしてても大丈夫。
ほう~、これなら計測も楽だね。
横幅が狭すぎると、圧迫による褥瘡のリスクになり、幅が広すぎると安定しない…。
ここもしっかりと計測してあげましょう!
納品時のチェックアウト
業者に依頼して、はい終わり!ではなく、対象者の納品時にも立ち会いたい所です。
理学療法士、業者、本人が協力して、この車イスで問題ないかチェックしましょう!
【納品時のチェック項目】
✅ 依頼した通りの車イスであるか
✅ 座った時に圧迫する場所はないか
✅ 座った時に隙間が空きすぎてないか
✅ フットレストの操作が1人で可能か
✅ 自走した時に腕は疲れないか
納品時は、車イスの使用方法や注意点など伝え、その他にも気になることについて、色々と相談に乗ってあげましょう。
うん、これでもう安心だ。
やっぱ理学療法士って
何でもできるね。
理学療法士の知識の無さ、やる気のなさで、患者さんが損をするのは避けたいからね。
おわりに
PT人生の中で、車イスの作成に関しては、12~13台ほど担当しました。
中には、申請が降りない、納品時に状況が変わったなど、色々なトラブルも経験しました。
車イスだけじゃなく、杖や装具の導入なんかでも、業者に丸投げするのは格好が悪いので、チャンスがあれば率先して担当してみてね。
それでは、身体に合う車イスが
納品できますように!