下腿三頭筋のストレッチ!効果的な手の位置と体重の掛け方

セラピスト
ダイ吉
ダイ吉

こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です。

リハビリの場面で、セラピストが患者さんのアキレス腱を、一生懸命伸ばしている姿を見たことありませんか?

プク太
プク太

あ~、実習で良く見たかも。

ダイ吉
ダイ吉

大抵のセラピストがやるよね。

あれって簡単に見えるかもしれませんが、実は手のポジションや、体重の掛け方にコツがあるんですよね。

そこで今日は、効率良く下腿三頭筋を伸ばす、ストレッチ方法を解説していきます。

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下腿三頭筋について

下腿三頭筋は、Gastro(ガストロ)とも呼ばれる、腓腹筋の外側頭と内側頭、ヒラメ筋の3つを合わせた筋群になります。

ヒラメ筋は、足関節を底屈させる単関節筋ですが、腓腹筋は二関節筋のため、膝関節の屈曲にも作用します。

形状は羽状筋(うじょうきん)のため、パワーに特化している反面、斜めの筋線維がストレッチを難しくさせる原因にもなります。

またどちらの筋も長いため、ストレッチをするには、起始部と停止部を効率良く引き離す必要がありますね。

プク太
プク太

へぇ、そんな秘密があったんだ。

ダイ吉
ダイ吉

秘密も何も、解剖学の授業で
勉強したはずなのに…。

下腿三頭筋の伸ばし方

それでは、下腿三頭筋のストレッチ方法を解説していきます。

効果的な手の位置

まず、患者さんの踵を持つ手から。

悪い例の典型は、下の図のように、踵骨を指で包み込む持ち方です。

この場合、指の力だけで保持するため、アキレス腱を引っ張ろうとすると、指の力が足りずにすっぽ抜けそうになります。

そこで、おすすめする持ち方は、下の図のように、小指を踵骨に引っ掛ける方法です。

患者さんの踵を「こんにちは」させます。

この時、アキレス腱を握りしめるのではなく、小指だけに力を入れて、示指、中指、薬指は添えるだけでOKですよ。

プク太
プク太

指が長くないと無理じゃない?

ダイ吉
ダイ吉

いや、女の子でも平気だよ。

この持ち方は、女性でも可能です。

ちなみにこの写真は、身長150cmほどの、小柄な女の子の手です!

体重の移動方法

では、ストレッチを掛けていきます。患者さんの足関節を、しっかりホールドしましょう。

まずセラピストは、上腕三頭筋のパワーで肘を伸展位で保持します。その後は、患者さんの方に倒れるように体重を掛けて下さい。

ダイ吉
ダイ吉

肘は伸ばしたままで我慢!
あとは体重で伸ばすイメージね。

プク太
プク太

なんか、腕がプルプルする…。

最初は無駄な力が入っているので、きっとすぐに疲れてしまうでしょう。

でも、練習で体重移動のコツを掴めば、楽々にストレッチができるはずですよ!

腓腹筋は最後に伸ばす

上記の手順でしっかりと体重を掛けたら、そのまま二関節筋のストレッチに移行します。

最初は患者さんの膝を曲げておき、セラピストが体重を掛けたあとに、ゆっくりと膝を伸展させることで腓腹筋が伸長されていきます。

この時、アキレス腱の張力が強くなるため、底屈してくる足関節に力負けします。

プク太
プク太

やばっ、戻される…。

ダイ吉
ダイ吉

しっかりと体重を掛けて!

負けずに足関節を背屈させられれば、患者さんは「ううっ!」と顔をしかめると思います。

効率良くストレッチできている証拠ですね。

マッサージの併用

線維の方向がバラバラで、長い筋肉の下腿三頭筋は、ストレッチだけでコンディションを整えるのは至難の業です。

そのため、マッサージを併用していきます。

下腿三頭筋は、第2の心臓と呼ばれるだけあって、全身の循環血流量を左右する、とても重要な筋肉なんですよね。

だから近位から遠位部まで、しっかりと筋肉を揉みほぐてあげましょう!

恐らく全員の人が圧痛を訴えると思います。

だから力任せに握りつぶすのではなく、筋腹が逃げない程度の強さから始めましょう。

ダイ吉
ダイ吉

自分の足で練習してみてね。

プク太
プク太

自分のふくらはぎを掴んだら、
気絶しそうな程痛かった。

おわりに

ストレッチは、経験が全てです。

大きい身体の人、小さい足の人、手足が長い人、様々な体格の患者さんを経験することで、少しずつやりやすい方法が見つかります。

今回のターゲットの下腿三頭筋は、足関節の動きを左右する重要な筋です。

ストレッチで効果が良い出せるよう、しっかり練習を続けて下さいな。

ダイ吉
ダイ吉

それでは、下腿三頭筋が
上手にほぐせますように!

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