下肢の支持性を鍛える!平行棒で出来るステップ訓練を紹介

セラピスト
ダイ吉
ダイ吉

こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!

本日のテーマは、ステップ訓練です。

患者さんの歩行や、階段昇降を鍛える時、私は平行棒内でステップ訓練をさせます。

ということで、下肢の色々な筋が鍛えられる、とっておきの訓練方法を紹介しますね。

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平行棒内でステップ訓練

準備は平行棒の中に、10~20cmの台を置くだけです。

その後は、片足を乗せさせて、前後にゆっくりとステップをさせてみましょう!

この時、上肢は軽く触れるだけ!

下肢の筋力を使わせるよう、手に力が入っていないか、横でチェックして下さいね。

プク太
プク太

すごいシンプルな運動だね。

ダイ吉
ダイ吉

これが結構、いい訓練なんだ。

では、このステップ訓練の効果を、相に分けて解説していきますね。

鍛えられる下肢の筋

まず最初は、台に上るまでの相です。

【この相の筋活動】

 ✅ 大腿四頭筋の求心性収縮

 ✅ 大臀筋の求心性収縮

 ✅ 遊脚側の前脛骨筋

軸足は主に伸展運動になるので、大殿筋や大腿四頭筋が鍛えられます。反対側は、クリアランス確保の練習にもなっていますね。

 

続いて、台から降りる相です。

【この相の筋活動】

 ☑ 腸腰筋の遠心性収縮

 ☑ 大腿四頭筋の遠心性収縮

 ☑ ヒラメ筋の遠心性収縮

軸足の筋は、ブレーキを掛けるために、遠心性収縮に切り替わります。

ここで下肢が耐えられず、ドスンと落ちてしまう人は、少し上肢を使って制御させます。

プク太
プク太

なるほど、だから平行棒なんだ。

ダイ吉
ダイ吉

必要な分だけ、支えられるからね。

続いて、バックステップの相です。

【この相の筋活動】

 ✅ 腸腰筋の求心性収縮

 ✅ 大腿四頭筋の求心性収縮

 ✅ ヒラメ筋の求心性収縮

ここでは、股関節屈曲、膝関節伸展、足関節底屈という、協調的な運動が求められます。

 

そして、最後は後ろ向きに着地する相です。

【この相の筋活動】

 ☑ 大臀筋の遠心性収縮

 ☑ 大腿四頭筋の遠心性収縮

 ☑ 前脛骨筋の遠心性収縮

最後も急激な落下を防ぐため、遠心性収縮に切り替えて、ブレーキを掛けてますね。

簡単な動作にみえて、筋力の訓練以外にも、筋活動の切り返しや協調運動が学習できます。

ダイ吉
ダイ吉

お手軽かつ単純で、
色々な効果があるよ。

プク太
プク太

これは使える訓練かも。

もし平行棒が空いてたら、ちょっと試しにやってみて、効果を実感してみて下さいな。

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この訓練に向いてる人

この訓練に向いている人は、下肢の支持性に不安があったり、段差を降りるのに自信が無い人に向いていると思います。

平行棒を掴んでいるので、上肢で負荷を変えられるし、何よりも安心感がありますよね。

左右10回×3setもやらせれば、かなり下肢に負荷を掛けることができます。そして、セラピストも楽できます。

ダイ吉
ダイ吉

う~ん、最高かも!

少しだけ、手抜きの訓練を挟んでもいいよね?

おわりに

ということで、平行棒 + 段差を使って、下肢全般を鍛える訓練方法を紹介しました。

自立度の高い患者さんなら、イスを後ろにおいて、自主訓練にすることもできます。

もし、リハプログラムのネタが切れたら、このステップ訓練をやってみて下さいね。

ダイ吉
ダイ吉

それでは、良いリハビリが
提供できますように!

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