こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日のテーマは、離床のメリットです。
寝たきりの人や覚醒が低い人に対し、ベッドに座らせたり、車イスに乗せて本当に意味があるの?という意見を耳にします。
なんか、無理やり起こされて
少し可哀そうかも…。
そう見えるかもしれないけど、
ちゃんと意味があるんだよ。
ということで今日は、寝たきりの人に対して、離床させた時に得られる効果について、解説をしてみようと思います。
寝たきりの人へのリハビリ
意識レベルが低かったり、自分で身体が動かせない人も、リハビリの処方が出ます。
その際、健康状態がよっぽど悪くない限り、離床を進めるように指示されます。
離床って、病室から
出せってこと?
いや、少しでもいいから、
身体を起こせってこと。
病棟から移動させ、リハビリ室に連れてくることもありますが、体調の変化が激しい人は、ベッドサイドでも実施します。
では、身体を起こしたり、車イスに乗せることで、どのような効果があるのでしょうか?
離床させるメリット
寝たきりの人は、立ったり座らせるだけでも、以下のような効果が期待できます。
覚醒を上げる
まず、最初に思い浮かぶのは覚醒です。
ベッドに寝かせていると、傾眠してしまう人は、小まめに起こす方が良いでしょう。
覚醒が低い人を離床させるには、必ずドクターに相談をして、安静度を確認してから実施するよう心がけましょう。
横隔膜を下げての呼吸
臥位の時は、横隔膜に重力が掛からないため、動きが小さくなります。
そのため、リハビリで抗重力位を取らせることで、横隔膜をしっかり下げた、深い呼吸をさせることができます。
骨に負荷を与える
身体構造の要である骨は、使わないと、徐々に脆くなってしまいます。
そして、骨は長軸に圧力を掛けることで、丈夫になるとされていますので、寝ているだけではなく、やはり起き上がった方が良いのです。
体重を掛けるだけで、
負荷になるんだね。
うん、そういうこと!
循環器系へ負荷を与える
寝ている時は、重力に逆らうことがないため、循環器系が楽をしています。
たまに起こすことで、脳血流量が低下した際の、自律神経の仕事っぷりを確認します。
やはり人間は、ある程度の負荷を掛けることで、丈夫になっていきますからね。
背中に貯まった痰を出す
臥床傾向が強い人は、排痰できない場合が多いですよね。その状態で寝つづけると、溜まった痰は背中側に隠れてしまいます。
また、後ろに胸郭が広がらないため、背中側は無気肺になりやすいのです。
呼吸器へのダメージを予防するためにも、ぜひ起こす機会を増やしてあげましょう。
サクション前に、座位訓練を
しておくと効果的だよ。
そっか、溜まっていた痰が
移動しやすくなるのね。
離床訓練をした後は、看護師さんにお願いしてみると、いいかもしれないよ!
家族が喜ぶ
最後は、家族のQOLを上げることです。
お見舞いや、リハビリ見学に来た家族は、起きている姿や、立っている姿を見ると、とても安心すると思います。
いつもベッドで横たわる家族を見るよりも、離床している姿の方が希望が持てますもんね。
だから、ギャラリーがいる時は、リハビリスタッフは気合が入ります。
喜ぶ顔が見たいもんね。
うん、そうだね。
リハビリ見学は、遠慮なくどうぞ!
おわりに
さて、寝たきりの人を離床させる、リハビリの効果について触れました。
結構なメリットがありますが、なぜ起こすの?なぜ車イスに乗せるの?など、病棟スタッフから疑問の声が出ることもあります。
そんな時、しっかり理解を得られるためにも、セラピストがその効果を示して下さい。
迷ったら起こす!立たせる!
それでは、寝たきりの人の
離床が捗りますように。