こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日の内容は、整形外科的テストです。
恐らく、この検査方法は、評価学の実技で学ぶんじゃないでしょうか。
実技テストばかりで、
頭が一杯だよ…。
誰もが通る道だよね。
このテストは、スペシャルテストや、オルソペディック検査などとも呼ばれ、整形外科の医師が診断をするために使用します。
そこで今日は、セラピストがこのテストを実施する、目的について解説して行きます。
整形外科的テストの種類
ROM-tやMMTとは違い、整形外科的テストには、目的別の種類がいくつかあります。
【目的別の種類】
✅ 結合組織の損傷を調べるもの
例)ラックマンテスト・マックマレーテスト
✅ 神経や血管の圧迫を調べるもの
例)ファレンテスト・アドソンテスト
✅ 筋や神経の伸張性を調べるもの
例)SLRテスト・ラセーグテスト
✅ 関節の安定性を調べるもの
例)前方不安感テスト・アプリヘンジョンテスト
その他にも、筋のダメージや骨折に関するものもあるので、全部でざっと70種類くらいあるんじゃないでしょうか。
痛みを誘発する検査
このテストには、不可解な点があります。
それは、痛いと言っている人に、わざわざ痛いことをすることです。
例えば、上腕二頭筋長頭腱炎の検査に、ヤーガソンテストというものがあります。
肘を90°に曲げた状態で、前腕の回外運動に対し、検査者が抵抗を掛けます。
この時、結節間溝付近に痛みが出れば、回外筋である上腕二頭筋の炎症を疑います。
でも、痛みがあるって訴えている人に、わざわざ痛いことをさせて、そして「痛い」と言ったらカルテに陽性と書く。
ちょっとおかしいですよね?
えっ、どこかおかしい?
だって、よく考えてごらん。
整形外科の医師が、上腕二頭筋長頭腱炎の診断をして、その痛みへのアプローチとして、リハビリの処方を出したはずです。
わざわざ、診断を確認するために、もう一度患者さんに痛い思いをさせます?
う~ん、本当に必要あるのかな…。
セラピストがやる目的
もしも、陽性か陰性かを知りたいだけなら、この検査はするべきではありません。
ただし、リハビリでの治療前後における、効果判定に活用するのであればOKです!
例えば、先ほどの例であれば、上腕二頭筋の長頭に対し、何らかのアプローチをした後、
このように、治療による痛みの変化を確認する目的であれば、全く問題ないでしょう。
その他にも、股関節の屈曲拘縮を確認する検査に、トーマステストというものがあります。
被験者を背臥位にさせて、検査と反対の足を両手で把持します。
そのまま股関節を屈曲させた時、骨盤の後傾に伴い、検査側の下肢も持ち上がれば陽性。
この場合、股関節が伸展域に可動しないため、屈曲拘縮ありという判定になります。
ただしこの検査も、屈曲拘縮がある or ないのかを調べるのではなく、治療の効果判定に活用するべきでしょう。
例えば、腸腰筋のストレッチをする前とした後で、検査結果を比べてみましょう。
このように、即時的な効果が得られれば、屈曲拘縮ではなく、腸腰筋の伸張性低下が原因だったという判定になります。
なるほど、1回だけじゃ
意味がないんだね。
どんな評価も治療の前後で
実施しないとダメだね。
ここまでやれば、患者さんだって、多少の痛みは我慢して付き合ってくれます。
ただ、「痛いですか?」と聞き、「わかりました」だけで終わったら、関係も壊れるわっ!
だから、使用する際は気を付けましょう。
おわりに
セラピストは整形外科的テストをしますが、法律上は診断をすることができません。
よって、靭帯が切れている!この筋に炎症がある!など、断定してはいけないのです。
だから、医師の元で行う治療の効果判定に、整形外科的テストを活用していきましょう!
それでは、良い治療結果が
残せますように。