こんにちは、理学療法士で
学校教員のダイ吉です!
今日は、リハビリの実習対策です!
実習で作成する症例レポート。中でもハードルが高いのが、他部門からの情報収集ですね。
どんなことを質問すればいいの?
こんな事、聞いたら怒られるかな?
きっと、判断できないことが多くて、難しいと感じている人も多いと思います。
ドクターの前で緊張して、
上手に質問できなかったよ…。
最初の実習なんかだと、
特にそうなっちゃうよね。
そこで今日は、情報収集を上手に進めるためのコツを、難易度別に解説していきます!
他部門情報とは
現在、医療はチームアプローチの時代。より良いサービスを目指し、他職種と治療方針やゴールなどを共有するのが当たり前。
ある調査によると、医療従事者はいつでも多忙なため、他部門とのディスカッションが圧倒的に不足しているそうですね。
情報共有が不足すると、
リハビリ → 動作を1人でやらせよう
看護師 → 要介助で転倒予防を優先
こんな正反対の方針で介入してしまい、現場も患者さんも混乱しちゃうことも…。
それを防ぐためには、他部門の連携が必要!
実習生なら時間はたっぷりあります。患者さんの不利益にならないためにも、しっかりと他部門からの情報を集めましょう!
他部門情報の収集
それでは、質問していく内容を、部門ごとに解説していきますね。
Dr.からの情報
いきなりのラスボス登場です。
ひえぇぇぇ…。
ふふっ。ここでミスしたら、
実習が中止になるかもよ!
というのは嘘で、しっかりと事前の準備しておけば、何も問題ないから大丈夫です。
でも、大変忙しい人なので、ダラダラと質問をしないよう注意しましょう!
Dr.に質問すること
[疾患に関すること]
投薬状況、画像診断、予後予測
[リハビリに関すること]
注意点、禁忌事項、中止基準
[入院期間に関すること]
ゴール設定、治療方針
リハビリを進めるにあたっての注意点、医師がリハビリに期待している点、最低でもこの2つは確認したいところですね。
Nrs.からの情報
続いては、看護師さんです。
看護師さんの場合、受け持ちが日ごとに変化するので、担当であったとしても全ての状態を把握している訳ではありません。
よって、本当に細かい質問には答えられない場合もあります。その辺りを考慮して、質問内容を決定していきましょう。
Nrs.に質問すること
[ADLに関する事]
トイレや入浴時の介助量など
[部屋での活動について]
介助の頻度、服薬管理、トラブルなど
[夜間について]
睡眠状況、夜間の介助について
[入院中に関すること]
ゴール設定、看護方針
やはり、倫理的・時間的に確認が難しい入浴やトイレのこと、深夜の行動に関する質問をするべきでしょうかね。
リハビリ職からの情報
続いては同門スタッフ。
PTの学生であれば、OTやSTの見学もお願いしましょう。その後、時間をもらって質問すれば、とても効率的に進められますよ。
リハスタッフに質問すること
[ADLに関して]
トイレ動作や更衣動作の動きなど
[言語機能に関して]
嚥下機能、構音や発話など
[高次脳機能に関して]
認知機能、注意機能、構成機能など
[ゴールと方針]
どのような介入で、何を目指すのか
同じリハビリ職ということで、気軽に質問できるので難易度は低めといえますね。
MSWからの情報
MSWは主に社会福祉士さんのことです。
メディカルソシャルワーカーは、保険関連だけではなく、経済状況や転帰先の調整などを担ってくれています。
MSWに質問すること
[転帰先の情報]
次の病院や新しい施設の情報など
[経済状況に関して]
保険の種類や財産管理など
[家族との関係]
キーパーソン、介護への意欲など
実は、知りたい情報は、カルテ記載されていることが多いため、時間を取ってまで情報収集をする必要がないかもしれません。
SVと相談してみましょう。
ケアマネからの情報
こちらは、病院外のスタッフ。
もし担当症例の患者さんに、ケアマネージャーが付いているのであれば、そこからも色々な情報が得られます。
ケアマネに質問すること
[自宅の情報]
段差、就寝環境、手摺りの有無
[退院後のこと]
新しい介護用品の導入など
[サービスについて]
デイケアや、訪問リハなどの導入
病院にケアマネが来ない場合は、MSWを通して質問するか、バイザーに許可をもらってケアマネに電話で質問しちゃいましょう。
大切な情報源なので、是非とも収集して欲しい相手です。学生だからといって、遠慮してはいけませんよ!
家族からの情報
身内からの情報も集めておきましょう。
患者さんのDemandが、必ずしも家族の希望と一致しているとは限りません。
お見舞いに来た時がチャンスですが、あまり来ない場合には電話をかけてみましょう。
家族に質問すること
[病前の状況]
動作や歩行の能力、認知機能など
[退院後のこと]
どのような介助をしてくれるか
[家族の意向]
自宅に帰らせるか、施設に入るかなど
もし、在宅復帰を目標にする方ならば、家族の意向はできるだけ早く確認したいですね。
入院前の状況や家屋環境
が聞けるといいね!
同室者からの情報
同じ病室の人からも情報収集!
実は、病院の中で「しているADL」を誰よりも観察しているのは、一緒の部屋に入院している患者さんなんですよね。
同室者から得られる情報
[病室での行動]
自主訓練はやっているか
社会性のある行動をしているか
迷惑行為やトラブルについて
[その他の情報]
リハビリに対する意見
恋人の存在など
病室では本音トークが飛び交うので、愚痴などの情報でも何でも簡単に手に入ります。
昼寝ばかりしていないか、自主訓練はしているのか、レポートを書くための「お宝」が眠っているかもしれませんね。
質問はキャッチボール方式で
他部門情報の聴取では、あれはどうですか?これはどうですか?と単発の質問を繰り返すのはやめましょう。
Aさんが自宅に帰るまでの
OTのゴールはなんですか?
家事動作の耐久性で、台所で
20分ほど立ちながら料理が
行えるようになることだね。
PTでも耐久性について訓練を
続けていますが、入院時と
比較して経過はどうですか?
このように、具体的な質問をして、かつ相手の答えに対して質問をするなど、会話のキャッチボールを意識して下さい。
うん、かなり難しいよね…。
おわりに
実際に働くと、以下のことに気づきます。
自分が知りたいことを知るためには、どうすれば良いのか!この強い気持ちが行動力となり、良い評価や治療につながるんですよね。
だから、実習中も情熱的に取り組もう!
その想いが、きっとバイザーにも良い印象を与えられると思いますよ。
それでは、他部門情報が
上手に収集できますように。