こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日のテーマは、ADLの評価です。
リハビリの中で、ADLの評価といえば、
なぜか、こんな暗黙の了解がありますよね。
うん、実習先でそう習った。
まぁ間違いじゃないけど、
少し足りないよね。
点数化よりも大事なことは、実用的なADLに向けて、何が問題なのかという部分です。
そこで今日は、ADLを評価する上で知っておきたい、しているADLを低下させる、3つの要因について解説していきます。
2つのADL
まずは、軽く2つのADLのおさらい!
できるADL
できるADLは、最大能力のことです。
☑ やろうと思えばできる
☑ やれと言われればできる
☑ 本気になればできる
日常生活の動作において、このようなレベルにある活動を、できるADLとしています。
ほう~、最大能力ね。
姿勢も歩行も、まず最大能力を
把握しないと始まらないよ。
しているADL
反対に、以下のようなレベルであれば、しているADLとして分類されます。
✅ 普段からしている
✅ 無意識にしている
✅ この方法でしている
しているADLは低下しやすく、そして向上しにくいという、やっかいな特徴があります。
反対に、できるADLの方は
変化しやすいんだよね。
また、その日のコンディションや、本人のやる気によって大きく左右されるため、この2つを完璧に分けることは難いです。
しているADLが低下する要因
一般的には、この2つに差がない程、良い活動レベルだとされています。
では、しているADLが低下する要因には、どのようなものがあるのでしょうか?
物的環境要因
まず1つ目は、ADLを評価する場面と生活の場面に、物的環境の差がある場合です。
例えば、バリアフリーの病院にいる間は、車いすを使って移動に制限がない人も、
自宅に帰った途端、移動に制限が掛かる。
最大能力が出せないことで、介助が必要になるため、しているADLが低下します。
心理的要因
続いては、やる気や自信といった、心理面の影響を受ける場合です。
慣れたリハビリ室や、信頼できる人がいる状況だと、人は最大能力を出しやすくなります。
反対に、慣れない環境や、悪いイメージが先行してしまう時は、最大能力が出せません。
特に、一度でも転倒経験がある人は、移動に関するADLは大きく影響を受けます。
高い場所で足が動かなく
なるのと一緒だね。
落ちたらどうしよう…、
変な想像をしちゃうよね。
やはり、運動でもリハビリでも、メンタル面の影響は無視できませんね。
人的要因
最後は、ADLの場面に関わる人物の、技術や知識・対象者との関係になります。
例えば、自分1人で出来る動作も、
介護者の過介助によっては、ADLのレベルが、大きく低下することもあります。
このように、家族や周囲の人間の関わり方も、ADLを評価する上で必要な情報です。
なるほど、しているADLは
色々な影響を受けるね。
評価する人の能力によっても、
違う結果になるからね…。
目の前の患者さんだけを、FIMで点数化しただけでは、不十分だといえますね。
ADL評価の心得
では最後に、この2つのADLを評価する上で、重要な心得を述べておきますね。
とにかく最大能力を把握せよ!
最大能力が発揮できる条件を調べよ!
Barthel Index や FIMは、あくまでもADLを数値化し、客観的に記録するためのもの。
それだけで、ADLのアプローチになるなら、こんな楽な職業はないですよね。
セラピストなら、ADLは
しっかり評価してね!
よし、とにかくADLに関する
情報をしっかり集めるか!
おわりに
FIMは良い部分もありますが、依存しやすくなるという、デメリットがあります。
セルフケアが3点 ⇒ 4点になった!
確かに良いことですが、新人セラピストの場合、点数を上げることを目的にしがちです。
患者さんの最大能力を見極め、影響する因子を評価していれば、点数は放っておいても上がるので、もっと患者さんのことを観ましょう。
それでは、ADLの評価が
捗りますように!