こんにちは、理学療法士で
学校教員のダイ吉です!
皆さんは、軽介助や中等度介助って言葉を、しっかりと使い分けていますか?
なんか、簡単なものは軽介助?
って感じで使っています。
曖昧な基準で使っちゃうよね。
しかし、セラピストの仕事は、患者さんの動作を評価することです。だからこの部分は、しっかりと理解しておきたいところですね。
そこで今日は、色々とある介助量の種類と、基準について解説をしてみたいと思います。
介助量の種類
介助量は、以下の6つに分類できます。
完全自立と修正自立
まずは、自分1人でできる状態です。
どのような状況であっても、1人で確実に遂行できるものは「完全自立」と呼びます。
そして次に、特定の条件や環境であったり、予め準備や用意さえしてくれれば1人で遂行できるものを、「修正自立」と呼びます。
見守り介助
次は、介助の中でも、最も自立度が高い患者さんに使う「見守り介助」です。
これは、何かあった時のために、すぐに助けられるよう近くにいるだけの介助で、付き添い介助と呼ばれることもあります。
これって介助なんですか…?
うん、人の手が掛かることは
全部が介助に分類されるんだよ。
へぇ~そうなんですね。
声掛け介助
続いては「声掛け介助」です。
近くにいて手順を指示したり、危険を知らせるために声を掛けるだけの介助です。
そろそろリハビリの時間ですよ!
食後のお薬忘れないで下さいね!
こんな声掛けも介助になりますので、病院の中は、毎日が介助だらけってことですね。
軽介助
見守り介助・声掛け介助、どちらも患者さんとの距離がありました。でもここからは、患者さんに触れていきます。
中でも1番簡単なのが「軽介助」です。
転倒に備えて手を添えておく
軽く身体を引き上げてあげる
力が入りやすい方向へ誘導する
こんな感じの介助を指しますので、たとえ体格差があってもできる内容ですね。
中等度介助
もう少し介助の量が増えてくると、ネーミングが「中等度介助」に変わります。
内容としては、身体を抱えて立たせたり、ベッドから起き上がらせたりします。
体格差があると厳しいですよね。
女性じゃキツイ時もあるね。
患者さんとの体重差や身長差が大きい場合は、2人対応にするなど、安全面への配慮が必要になってきますね。
全介助
最後は全介助です。
これは非常にシンプルで、寝たきり状態の方に対する介助だと思って下さい。
食事であれば、スプーンに乗せて口に運ぶまでを介助者がやります。
移乗であれば、寝返り → 起き上がり → 立ち上がり → 方向転換 → 着座までを介助者が主体となって実施します。
全介助は介助者のパワーよりも
技術がモノを言うよ!
ですね、もっと練習しなきゃ。
軽介助と中等度介助の違い
軽介助と中等度介助の境界線は、明確な基準がある訳ではないので、あなた自身が決定していく必要があります。
その介助量の決定には、以下の3つを参考にして頂ければスムーズに評価できるはずです。
介助の数
介助量を決める場合、その動作を終えるまでの手順を相分けします。
【移乗動作の相分け】
1相:車イスを近づける
2相:立ち上がる
3相:方向転換をする
4相:車イスに座る
5相:フットレストに足を乗せる
この手順の中で、何個の介助が必要なのかカウントしてみましょう。
1~2個の介助で済むなら軽介助、3~4個なら中等度介助、全部なら全介助。
これなら客観的な指標になりますね。
協力動作の有無
介助量の決定で、セラピストが注意しなくてはいけないのが過介助です。
車イスのブレーキを外す
起き上がる前に布団を剥ぐ
どうせできないだろう、こんな憶測で、本来は必要じゃない介助をしていませんか?
軽介助か中等度介助で迷ったら、細かな協力動作が可能かどうか?この情報を加味して判断していきましょう。
動作の主導権
最後は、ざっくりとした分類方法です。
介助をしながら行った動作の主導権が、どちらにあったのかで判断していきます。
【動作の主導権】
軽介助 ⇒ 主導権が患者さんにある
中等度介助 ⇒ 主導権がお互い半々
全介助 ⇒ 主導権が介助者にある
主観的な分類になりますが、毎日介助をしている人なら、迷わずに答えられると思います。
この3つの情報を集めて、
介助量を決定していってね。
分かりました。
しっかり評価していきます。
おわりに
最終的な介助量の決定は、医師が行うはずなので、あまりこだわらなくても良いでしょう。
セラピストは必要な情報を提供し、介助量を下げて、自立度を上げるための手助けをしていけばいいのです。
そのためには、どんな動作も評価できるようになって下さい。そして、誰よりも介助が上手くなって下さい。
そうすれば、あなたの決めた基準が、その病院での基準になりますよ。
それでは、上手に介助量が
決められますように。