こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日のテーマは、国家試験に必ず出るけど、つい後回しにしてしまいがちな小児学です。
だって、原始反射と姿勢反射は、出現時期や消失など、覚える事がたくさんですもんね。
これ覚えるのが多くて
やる気出ないんだよな~。
う~ん、単語帳でコツコツと、
覚えるしかないね。
そこで今日は、単語帳にひと工夫!
国家試験の小児学対策として、絶対に覚えられる方法を、紹介してみようと思います。
単語帳の作り方
小児の反射で、覚えることは4つです。
【小児の反射で覚える項目】
① 反射の名前と内容
② 統合されるレベル
③ いつ出現するか
④ いつ消失するか
ただし、この4つを単語帳に書いてしまうと、ごちゃごちゃして、見づらくなります。
ということで単語帳の表面には、①を文字で書いて、②は色を塗るだけにします。
皮質レベル、中脳レベル、脳幹レベルなど、文字で書く必要はありません。
色を思い浮かべた時に、
思い出すようにするんだよ。
あ~、最初に色を分けて
おくってことか。
大脳皮質は赤、中脳レベルは青など、色分けをしておけば、覚える項目が1つ減ります。
そうすることで単語帳の裏面は、
このように、シンプルな内容で済むため、暗記に集中できるようになります。
手間と時間が掛かるから、
友達と分担して作ろう!
原始反射と姿勢反射
では単語帳を作る用に、原始反射と姿勢反射の一覧を載せておきますね。
大脳皮質で統合されるもの
大脳皮質で統合される原始反射は、バビンスキーだけです。残りは、生涯持続する姿勢反射が多いですね。
反射の種類 | 出現時期 |
バビンスキー反射 | 出生時より1~2歳 |
背臥位での傾斜反応 | 6ヵ月~生涯持続 |
四つ這いでの傾斜反応 | 9ヵ月~生涯持続 |
座位での傾斜反応 | 12ヵ月~生涯持続 |
膝立ちでの傾斜反応 | 15ヵ月~生涯持続 |
原始反射がイメージできない人向けに、バビンスキー反射の動画を貼り付けておきますね。
ふふ、可愛いなぁ~。
勉強のストレスも
吹っ飛ぶね。
中脳で統合されるもの
続いては中脳で統合される反射です。
反射の種類 | 出現時期 |
ランドゥー反射 | 3ヵ月~2歳 |
下肢保護伸展反応 | 6ヵ月~生涯持続 |
前方パラシュート反応 | 7ヵ月~生涯持続 |
側方パラシュート反応 | 8ヵ月~生涯持続 |
後方パラシュート反応 | 9ヵ月~生涯持続 |
臥位での立ち直り | 3ヵ月~生涯持続 |
座位・立位での立ち直り | 6ヵ月~生涯持続 |
ランドゥー反射は、お腹を抱きかかえると、頭を持ち上げて反り返ろうとする反射です。
生後3ヵ月ほどで出現しますが、最初は動画のように力強い反り返りではありません。
動画のようにしっかりと反り返るのは、生後6ヵ月くらいなので、引っ掛け問題に注意!
脳幹で統合されるもの
脳幹レベルは、原始反射ばかりですね。
反射の種類 | 出現時期 |
引き起こし反射 | 出生時から2~5ヵ月 |
モロー反射 | 出生時から5~6ヵ月 |
非対称性緊張性頸反射 | 出生時から4~6ヵ月 |
緊張性迷路反射 | 出生時から5~6ヵ月 |
吸啜反射 | 出生時から3~5ヵ月 |
口唇探索反射 | 出生時から5~6ヵ月 |
対称性緊張性頸反射 | 5ヵ月頃から1歳頃まで |
よく出題されるモロー反射は、赤ちゃんの頸部を、急激に伸展させて反射を誘発します。
落下しないよう、母親を掴まえようと、慌てて手をバタつかせる動きをします。
このような動きは、ひとりで座れるようになる頃には不要となるため、生後6ヵ月ほどで出現しなくなります。
脊髄で統合されるもの
最後は脊髄レベルで統合される反射です。
反射の種類 | 出現時期 |
交叉性伸展反射 | 出生時から1~2ヵ月 |
自動歩行反射 | 出生時から2ヵ月頃まで |
陽性支持反応 | 出生時から2ヵ月頃まで |
ガラント反射 | 出生時から2~3ヵ月 |
手の把握反射 | 出生時から4~6ヵ月 |
足の把握反射 | 出生時から9~10ヵ月 |
ガラント反射も3点問題で出題されます。
めっちゃ可愛いですよね、ガラント反射。
擦られるとお尻を振るのは、お母さんの産道を通るための反射だといわれています。
なるほど!だから早めに
消失するんだね。
そういうこと!
もう必要ないもんね。
単純暗記はつまらないので、無理やりにでも興味を持った方が楽しいよ!
国試風の練習問題
では、ありがちな問題を作ってみました。
Q:図のような姿勢を取り始めた時期に、出現している可能性が高い反射はどれか。
※つかまり立ち=9~10ヵ月頃
1.モロー反射
2.緊張性迷路反射
3.ガラント反射
4.手の把握反射
5.ランドゥー反射
では、回答と解説は最後に書いておきます。
もし単語帳を使って、すべての反射のことを覚えておけば、超簡単なラッキー問題ですね。
おわりに
小児学の授業では、原始反射や姿勢反射以外にも、多くのことを学んできたと思います。
でも、この分野って範囲が広すぎる…。
脳性麻痺や二分脊椎など、手を広げればキリがありませんよね。
だから、効率の良い単語帳を作って、こつこつと積み上げて対策をして行きましょう!
それでは、国家試験に反射の
問題がたくさん出ますように!
[練習問題の解答と解説]
正解:5のランドゥー反射
つかまり立ちは、9~10ヵ月頃から。
よって1~4の反射は、この時期には消失している可能性が高い。