ハムストリングスの筋力を評価!分離検査に挑戦してみよう

検査・評価
ダイ吉
ダイ吉

皆さんこんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!

リハビリ職のコメディカルは、患者さんの診断をすることはできません。

しかし、身体を評価することで、どこがダメージを受けているのか、どこが動作を阻害しているのかを、把握することができます。

そこで今日は、ハムストリングスを、内側と外側の筋力に分離するテストを紹介します。

プク太
プク太

なんか、難しそうだね…。

ダイ吉
ダイ吉

いや、全然楽勝だと思うよ!

では、簡単に解説していきますね。

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ハムストリングスとは

ハムストリングスは、筋肉の名前ではなく、以下の3つの筋肉の総称になります。

内側ハムストリング
 半膜様筋(はんまくようきん)
 半腱様筋(はんけんようきん)

外側ハムストリング
 大腿二頭筋(だいたいにとうきん)
 ※長頭と短頭が存在

作用は、いずれも膝関節の屈曲と、膝伸展位での股関節伸展運動になります。

太ももの裏側のストレッチをした時、痛くてつっぱる感じは、ハムストリングスの伸張によるものですね。

内側ハムストリングの検査

検査肢位は腹臥位です。膝関節を屈曲させた位置から、検査者が抵抗を掛けていきます。

以下の手順でやってみましょう!

ポイントは、① 内② 内③ 外 です!

内側ハムストリングスを検査するのですから、内から始まります。

内側の指差し確認

最初の「内」は指差し確認です!

今から行う検査は、内側ハムストリングスの検査なんだよ!という宣言をするものです。

面倒臭がらず、必ず指差し確認をしましょう!

ダイ吉
ダイ吉

指差しと同時に大きな声で

「内」と発声してね。

下腿の内旋

2番目の「内」は、下腿の捻じれです。

検査では下腿を内旋させますが、その動きは分かりづらいため、つま先が内側を向くように誘導をして下さい。

外側への抵抗

最後の「外」は、抵抗を掛ける方向です。

つま先が内側を向いている状態で、検査者は内果を押さえながら、外側に誘導するように膝関節を伸展させていきます。

この時、被験者は半膜様筋半腱様筋を活動させ、抵抗に打ち勝とうとします。

プク太
プク太

だから内側ハムストリング
の分離検査になるのか。

ダイ吉
ダイ吉

うん、そういうこと!

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外側ハムストリングの検査

今度は反対の、① → ② → ③ です!

外側ハムストリングスの検査なので、先ほどとは逆で「外」から始まります。

外側ハムの指差し確認

やはり最初の「外」は、指差しから!

これは、手続き記憶やエピソード記憶として、忘れにくくするのが目的です。

だから恥ずかしがらずに、指差し確認と発声をしながら、練習して下さいね!

下腿の外旋

続いては、下腿の外旋です。

つま先が、外を向くような操作になります。

関節運動としては、足関節が外転運動をするようなイメージです。

ダイ吉
ダイ吉

可動性はわずかなので、
力任せにしちゃダメだよ!

内側への抵抗

最後の「内」は、抵抗を掛ける方向です。

被験者の外果を押さえ、内側へ誘導しながら、膝関節を伸展させるような抵抗を掛けます。

この時、被験者は大腿二頭筋を収縮させて抵抗します。外側の腱が浮き上がっているか、触って確認しましょう。

しっかり触知できれば、分離テスト成功!

なぜ分離検査をするのか

学校の授業で習ったけど、臨床ではどんな時に役に立つのでしょうか?

それは肉離れなどで、ハムストリングスにダメージを負った時に、内側と外側に分離してストレスを掛ける時に使用します。

急性期にはやりませんが、慢性的な痛みを確認する際、内側と外側を分けて評価できるのは、とても意義があると言えるでしょう。

また、神経の髄節にも差があります。

  筋肉 髄節
内側 半腱様筋 L4~S2
半膜様筋
外側 大腿二頭筋 (長頭) L5~S3
大腿二頭筋 (短頭) L5~S2

もし、L4~ L5付近で神経症状がある場合、内側と外側のハムストリングスのパワーに、差が生じるはずです。

他の評価と組み合わせれば、動作観察や歩行分析の考察に役立つかもしれませんね。

ダイ吉
ダイ吉

知っておいて損は無いよ。

おわりに

それでは、最後におさらいしておきましょう!

内側ハムストリングスの分離検査は、
  ① 内 → ② 内 → ③ 外 

外側ハムストリングスの分離検査は、
  ① 外 → ② 外 → ③ 内

練習でしっかり覚え、知識と技術を磨いて臨床に挑みましょう!

ダイ吉
ダイ吉

それでは、ハムストの分離検査が
上手にできますように。