こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日のテーマは、位置覚の検査方法です。
この検査は、学生達も苦労しているようで、実習先でも上手くできない人が多いです。
深部感覚の検査は
ムズいよ…。
まずは2つの検査を
理解しようね。
ということで、位置覚の検査である、再現法と模倣法のやり方と、2つの違いについて解説してみたいと思います。
位置覚とは
位置覚は、自分の手や足が「どの位置にあるのか」を感じ取る能力です。
筋の引っ張られ具合や、関節の角度を空間的に感知して、自分の四肢の位置を把握します。
この能力のお陰で、暗闇の中で手元が見えなくても、身体を安全に動かすことができます。
へぇ、深部感覚って
大事なんだね。
だから、しっかりと
検査しなきゃね。
位置覚の検査(再現法)
では、再現法の手順から紹介します。
まずは、被験者を閉眼させて、検査側の上下肢を他動で操作して止めておきます。
最初はシンプルな動きが良いでしょう。
自分の下肢の位置を覚えたら、一度、ニュートラルポジションに戻してあげます。
元に戻したら、さっきの位置まで自分で運動するよう、口頭指示を与えてみましょう。
この時、先ほどの位置を再現できればOK!
大きくズレたり、違う動きをしたらNGです。
5~10回ほど実施して、その正解率を検査するのが再現法になります。
ズレたか、ズレてないか
微妙な時は?
多少なら、許容範囲だよ。
実際、健常者でも微妙にズレるため、色々な人で練習をしながら、自分の中での判断基準を明確にしておきましょう。
位置覚の検査(模倣法)
まず、模倣法では再現法と同様に閉眼させた状態から、検査したい方の上下肢を他動で動かします。
その状態で、反対の足で模倣するよう、口頭指示を与えて下さい。
検査する側の上下肢はそのまま保持し、反対側でどれだけ上手に模倣できるかを観察します。
そのまま、ニュートラルポジションに戻さずに、次の課題に移っていきます。
屈曲/伸展、外転/内転、外旋/内旋を組み合わせて、連続した課題を与えていきましょう。
ただし、両下肢を挙げるなどの、体幹に負担が掛かる課題は、あまり連続しないで下さい。
また、動かす範囲は、痛みのないように愛護的に検査してあげましょうね。
検査側の上下肢は、ずっと
持ったままで良いの?
そうだね、連続課題なので
持ったままでOK!
被験者の体力に合わせて、5~10回の課題を実施して、その正解率を検査しましょう。
2つの検査の違い
再現法も模倣法も、どちらも位置覚の障害を見抜く、深部感覚の検査になります。
ただし、被験者の上下肢が重度の麻痺などによって、動かせない場合もあります。
そんな時は、麻痺側の位置覚を頼りに、非麻痺側で模倣させるしか方法がないですよね。
よって、2つの検査の使い分けは
【再現法の適応】
筋力低下や重度の麻痺がない場合
【模倣法の適応】
筋力や麻痺の左右差が顕著な場合
このようになります。
じゃ、最初に再現法から
やれば間違いないね。
それでダメだったら、
模倣法に移行だね。
どちらも出来るように練習しておき、患者さんの状態に合わせて使い分けましょう!
おわりに
さて、本日は深部感覚である、位置覚の検査方法を紹介してみました。
実習生にやらせてみると、片麻痺でもない患者さんに対して、いきなり模倣法をやり始める学生もいました。
手順を丸暗記していたら、患者さん相手に通用しないので、なぜこの方法で検査するのか?これを理解するよう練習して下さいね。
それでは、位置覚の検査が
上手にできますように。