こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
リハビリの評価では、臥位、座位、立位などの姿勢分析をすることがあります。
でも、なぜ姿勢を評価するのでしょうね?
いや、なんとなく雰囲気で…。
最初は、レポートのために
仕方なくやるって感じだよね。
実は、私も理学療法士になった1年目は、なぜ姿勢を評価するのか?って疑問を持ちながら、日々の臨床に出ていました。
だから新人セラピストや、実習中の学生達も、きっと同じ悩みを抱えているはずです。
そこで今日は、猫背のクセに患者さんの姿勢に文句をつける私が、姿勢の評価について解説をしてみようと思います。
正常な姿勢とは
立位、座位、臥位で「正常」における定義は、こんな感じじゃないでしょうか。
いかなる条件でも、姿勢を環境に適合させることができること。
ちょっと、以下の例を見て下さい。
このように、どんな条件でも問題ない場合、正常な姿勢と判断できますよね。
だから、骨盤を後傾しないと座れない、腰が痛くてうつ伏せになれない、といった場合は姿勢に異常があると判断できます。
みんなも正常な姿勢でしょ?
姿勢の評価ポイント
姿勢の評価は、患者さんのアライメントを、スケッチするだけでは不十分です。
これから紹介する2つの項目は、姿勢を評価する際に絶対に確認しましょう。
環境に合わせられる能力
人間は、生まれた時から姿勢制御が備わっており、必要に応じて姿勢を変化させます。
同じ姿勢でいれば、圧力により身体がダメージを受けるため、座り直したり、寝返りをすることで防御をしているんですね。
また、生活場面によって変わる環境に対し、姿勢を変化させて対応しています。
坂道になれば、前傾姿勢で歩きます。また、電車で駅に止まる時は、反対に体重を寄せて踏ん張るはずです。
このように、姿勢を変化させる能力は、必ず評価して欲しい項目になります。
姿勢を保持する能力
次の評価ポイントは、適合した姿勢を保持する能力になります。
プク太くん、立位姿勢の
ランドマークは?
え、ランドマーク?
ランドマークは指標という意味で、立位姿勢では、以下の配列が望ましいとされています。
この通りにアライメントを整えると、脊柱の弯曲や骨盤の傾きが生理的な形になります。
でも、疲れるんだけどね…。
しかし、円背などで前傾姿勢になると、外耳孔が前に移動してアライメントが崩れます。
じゃあ、頭部を後ろに移動
させればいいんじゃない?
よし、ちょっとやってみよう。
それでは、直線上に外耳孔が来るよう、徒手でセッティングしてみましょう。
すると、
今度は肩甲帯が後ろに移動しちゃいました。
これにより、姿勢を保持するための、腹筋群と下肢に余計な筋活動が生じます。
ということで、この時点で、
・頸椎の前弯が減少している
・胸椎の後弯が増強している
・腰椎の前弯が減少している
・股関節に屈曲拘縮がある
この辺りの機能低下が疑わしくなります。
でも、後ろに倒れないために、腹筋群の活動で身体を前に引っ張り、膝が曲がらないよう、下肢の筋力で踏ん張る能力も分かりました。
ということで、2つ目の評価ポイントは、セッティングした姿勢に対し、どのような能力で保持をするのかを調べることです。
ふ~ん、姿勢も奥が深いね。
やりごたえのある評価だよ。
姿勢の評価では、この2つをやってみよう!
おわりに
さて、姿勢の評価に対して、少しだけ前向きになれたでしょうか。
今までイメージできなかった人は、きっとこのような表記で終わっていたでしょう。
※悪い例
[立位姿勢の評価]
頭部:中間位
上肢:両肩関節軽度屈曲位
肩甲帯軽度外転位
体幹:軽度前傾位
骨盤:軽度後傾位
下肢:股関節軽度伸展位
膝関節伸展位
足関節軽度底屈位
これじゃ、どんな姿勢なのか、どこに問題が隠れているのか分かりませんよね…。
だから、正常な姿勢を理解し、変化させる能力と、保持する能力を分析してみて下さい。
きっと評価が楽しくなりますよ。
それでは、姿勢の評価が
上手にできますように!
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