寝返り動作のメカニズム!身体を回転させる4つの方法

姿勢・動作
ダイ吉
ダイ吉

こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!

動作分析の中で、最も新人セラピストを悩ませるのが「寝返り動作」です。

動作が地味で一瞬で終わるため、いったい何を分析すればいいのか分からない…、という人も多いのではないでしょうか。

プク太
プク太

う~ん、たしかに分からん。

ダイ吉
ダイ吉

まず、分析ポイントを
理解するといいよ!

ポイントは、身体を回転させる方法です。これさえ理解できれば、寝返り動作なんて簡単に評価できますよ!

また、解説の後に「力試しテスト」を用意していますので、是非チャレンジしてみて下さい。

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寝返り動作について

いつ出来るようになるのか

生後間もない赤ちゃんは、自力で寝返りをすることができません。おおよそ、生後半年ほどで獲得すると思われます。

う~ん、う~ん…って頑張っている姿って、とても可愛いですよねw

ダイ吉
ダイ吉

つい手を出したくなっちゃう。

なぜ出来るようになるのか

成長により必要な筋力が付くこと、頸椎が生理的前弯になること、頸部の立ち直り反応が出現することで、寝返り動作が可能になります。

といっても、主な動きは回転運動です。

だから寝返り動作をするためには、臥位の状態で回転する力を作る必要があるのです。

正常な寝返り動作

姿勢や動作を分析する前に、まずは「正常」について確認しておきます。

ダイ吉
ダイ吉

正常な寝返りって何だろう?

プク太
プク太

え、骨盤が回転して…、
体幹回旋が…、う~ん。

動作って色々なパターンがあるから、どれが正常なのか判断が付きませんよね。そこで、私なりに正常な寝返り動作を定義すると、

「全ての環境・条件で寝返りができる」

こうなります。

 ✔ 右にも左にも寝返れる

 ✔ 柵が有っても無くても寝返れる

 ✔ 床でもベッドでも寝返れる

このように、いつでも・どこでも・何回でも、確実に動作が成功することが「正常な動作」の絶対条件なんですね。

ダイ吉
ダイ吉

この定義は、全ての姿勢と
動作や歩行に当てはまるよ!

寝返り動作のメカニズム

では、寝返り動作の分析ポイントである、回転する力の作り方について、様々なパターンを紹介していきます。

位置エネルギーの活用

寝返り動作は、臥位での運動です。

よって、広い支持基底面と低い重心位置で作られた、「安定」が邪魔をします。

そのため、場合によっては、不安定な姿勢を作る作業が必要になります。

図のように、上肢と下肢の位置が重心よりも高くなることで、位置エネルギーが生じます。

位置エネルギーとは、物体が高い位置にあるだけで、既に生じている力のことで、落下することにより消費します。

後は、その力を寝返りたい方に向けるだけで、重力により身体は回転運動を開始します。

まずこれが1つ目。

分節運動で回転する

物体というのは、固定と運動を入れ替えることで、エネルギーを生み出せます。

分かりやすいのが、ヘビの動きですね。

ヘビが前に進めるのは、このアコーディオン運動により、推進力を作っているからです。

プク太
プク太

ヘビの気持ち悪い動きにも
ちゃんと意味があるのね。

ダイ吉
ダイ吉

じゃあ、今度はこの仕組みで
回転する力を作ろうか。

では、まず上半身と下半身に分けて考えていきます。最初の運動は下半身を床に固定して、上半身を回旋させる動きになります。

次は入れ替わりましょう。上半身を床に固定して、下半身を回旋させます。

このように、2回の回旋運動により側臥位になる方法が、2つ目の「分節運動」を利用した寝返り動作になります!

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床反力を使った回転運動

続いての力は、「床反力」になります。

床反力とは、床に叩きつけたボールがバウンドするように、押したものがそれと同じ力で反発してくる力になります。

ちょっと動画を観てみましょう。

こちらは、腹臥位からの寝返りです。

プク太
プク太

肘の伸展で回転してるね。

ダイ吉
ダイ吉

いや、よく観察してごらん!

ぱっと見、肘の伸展で身体を持ち上げているように観えますが、動画のタイトルにC6と書いてありますよね。

C6だと肘の伸展はできませんので、手掌面を床に固定した状態から、大胸筋の収縮で閉鎖運動連鎖(CKC)を起こしているのでしょう。

プク太
プク太

お~、本当だ…。

あとその他にも、肘を床に押し付けたり、股関節の伸展で床を蹴るパターンもありますね。

これが3つ目の方法です。

遠心力を使った回転運動

回転する力!と言えば、陸上競技のハンマー投げが思い浮かびます。

先程の、位置エネルギーを使った方法の応用ですので、ちょっと動画で確認しましょうか。

観て頂いたように、遠心力というのは、回転する力に変換するのが簡単です。

頸椎損傷の患者さんのように、十分な回転力が作れない場合の、最後の寝返り方法として覚えておきましょう。

これが4つ目の方法になります。

寝返り動作を分析しよう

それでは、実際の寝返り動作を観察して、回転運動の作り方を分析していきましょうか。

お題の寝返り動作は、概要欄に痙性四肢麻痺の記載があった、この動画にしてみました。

繰り返し再生をしながら、どのような能力で回転する力を作っているか、じっくりと分析してみて下さい。

 

どうですか?

 

回転する能力は、分析はできましたか?

 

プク太
プク太

ちょっと待ってよ…。

ダイ吉
ダイ吉

じゃあ、あと1分ね。

 

 

それでは、答えを合わせてみましょう!

 

まずは、両上肢のプッシュアップで、頭部を高い位置に移動させています。

そして、頭部の重さで作られた位置エネルギーを、寝返り側に向けることで、回転する力に変換していますね。

回転スピードがゆっくりなのは、右下肢が邪魔をしていることと、左下肢がカウンターウェイトになっているからでしょうか。

プク太
プク太

よしっ、だいたい合ってた!

ダイ吉
ダイ吉

う~ん、本当かよ…。

どうでした、意外と簡単でしたかね。

おわりに

寝返り動作は、重力を敵に回す動作です。

そのためセラピストは、回転力を生み出す方法と、効率の良い回転運動の条件を知っておく必要があります。

最初は難しいと思いますが、関節運動、筋の活動、重力、回転モーメント、床反力など、徐々に運動学の知識を絡めていきましょう。

ダイ吉
ダイ吉

それでは、寝返り動作分析が
上手にできますように!