こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日のテーマは、姿勢の安定性です。
姿勢の評価をする際、アライメントや関節角度の確認だけで、終わっていませんか?
え、それ以外にもあるの?
バランス能力も大事なんだよ。
姿勢なのにバランス…?
実は、動作や歩行と一緒で、姿勢もバランスの影響を受けています。
患者さんの姿勢を評価するなら、運動学的にバランスを、理解しておく必要がありますよ。
姿勢とバランスの関係
姿勢の評価では、左右差があるとか、前傾しているとか、見た目だけで判断しがちです。
姿勢は静的な評価とされていますが、実は重力と戦うために、常に関節運動を制御しているんですよね。
気を抜くと関節は、好きな方向に回転しだすため、止まっているように見えても、関節の動きを調整しながらバランスを取っています。
完全な静的な評価とは
言えないかもね。
う~ん、止まっていても
運動をしているのか。
姿勢が安定する条件
ということで、姿勢の評価に欠かせない、安定する条件を解説していきます。
支持基底面が広い
身体を支える面積が、広ければ広いほど、姿勢というのは安定します。
閉脚立位よりも開脚立位、座位よりも臥位といったように、支持基底面の広さは、最もバランスに影響を与える項目ですね。
うん、これは知っている。
まぁ、基本中の基本だね。
徐々に難しくなってくるよ!
重心の位置が低い
支持基底面の広さが同じでも、重心の位置が低いほど、物体は安定します。
人間の身体の中で最も重いのは頭部です。
そのため、良い姿勢を取ろうとすると、重心が高くなるためバランスは悪くなります。
重心が中心に近い
重心の高さが同じでも、支持基底面の中心に近づくほど、姿勢は安定します。
姿勢によっては重心が身体の外に出るため、左右非対称の姿勢では、重心と支持基底面との位置関係に着目しましょう!
質量が大きい
同じような条件でも、物体の質量が大きいほど安定します。
この仕組みは、重力を味方に付けることで、外力からの影響を受けづらくなるからです。
重たい力士の人は、多少押されても、ビクともしませんもんね。
プク太くんの体重なら、
姿勢が十分に安定するね。
うっさいな~、
放っておいてよ。
接地面の摩擦が強い
身体を支える接地面と、触れている身体の部位との、摩擦抵抗もバランスに影響します。
当然ですが、床面がつるつる滑る場合、踏ん張りが効かないため、姿勢は不安定になります。
フローリングに立つ時、靴下よりも裸足の方が安定するのは、摩擦が強くなるからです。
なるほど、摩擦も大事なのか。
結構、見落としがちな項目かも。
精神面の乱れが無い
最後は、メンタル面の影響です。
人って、転んだらケガをする、落ちたら死ぬ、こんなプレッシャーに弱いですよね。
普段は難なく取れる姿勢も、精神面が乱れることで、安定を保てなくなることがあります。
患者さんに「動くな」と
言うのもストレスかもね。
えええぇ、それじゃ姿勢の
評価ができないじゃん。
う~ん、姿勢の評価をするのは、患者さんとの信頼関係が出来てからかな…?
おわりに
紹介した6つの因子ですが、どれか1つでも崩れると、各関節が無駄な回転運動を始めて不安定になります。
だから、姿勢の評価をする際は、静止が当たり前と思わず、支持基底面と重心との関係を見極めるように進めていきましょう!
そうすれば、後は勝手に分析が進むはず。
それでは、姿勢とバランスの
評価が上手くいきますように!