PT・OTの皆さん、
症例発表してますか!
確か理学療法士協会の、新人プログラムの中にも、症例発表ってありましたよね。
その他にも、研究会や学会に所属していれば、学術大会や報告会などで、挑戦する機会は多いのではないでしょうか。
そこで今日は、症例発表をする際の、スライドの作り方、発表の方法などを、まとめて解説しちゃおうと思います。
内容は、初めて発表する人、発表経験が少ない人に向けた、ゆるめの内容です。また長文なので、肩の力を抜きながら見て下さい!
症例発表について
実習中の症例レポートは、やらされていた感がありましたが、セラピストの症例報告は、
【症例発表の内容】
こんな治療で良い結果が出たよ!
こんな珍しい疾患を体験したよ!
こんな工夫で障害を乗り越えたよ!
このように、医学の進歩に貢献する、前向きな気持ちで実施されています。
そして、発表の形式は2つあります。
掲示板に症例の情報を貼り付け、その前で来場者とディスカッションする。
壇上でスライドを表示しながら、参加者に向けて発表する。
スライド作成の場合、細かなルールは発表する研究会や、学会により異なるので、指定されたルールに従って準備して下さい。
今回は、口述発表になりました。
スライド作成と話し方
それでは、架空の症例を使って、模擬的に症例発表を進めてみます。
ドキドキするな~。
ははっ、頑張って。
タイトル
1枚目には、タイトルと所属を書きます。
座長がタイトルと、所属の説明をしたら、時計が動き始めるので開始となります。
え~それではお願いします。
ここでは、落ち着いて、
それでは、発表を始め
させて頂きます。
と言って、次のスライドをポチしよう!
はじめに
まず最初は、全体的な流れを「はじめに」で伝えます。
どんな病気(障害)に対し、何をしてどうなったのか?まず聞き手に、注目するべき点を絞って伝えて下さい。
まず、はじめに
この導入により、聴いている人に大まかな結末を予測させます。よって、ここはじっくりと時間を掛けて良いでしょう。
スライドは、キーワードを
時系列に並べて記載しよう。
説明と同意
私は、このスライドを必ず入れます。
続いて、倫理的配慮と
利益相反についてです。
症例報告の場合、倫理審査は
必ずしも必要ではないよ。
症例紹介
では、ようやく症例紹介になります。
ここでは、一般情報、医学情報、社会情報を混ぜつつ、単語だけをスライドでOKです。
続いて、症例紹介です。
そして、スライドを進めよう。
[ポチっとな]
症例紹介の情報は、箇条書きで表示し、スライドは2~3枚で済ませましょう。
現病歴
現病歴とは、この病気の歴史と、入院するまでの経緯を、簡単にまとめる場所です。
大きな出来事を、時系列に並べて記載します。
発表では、1つずつ読み上げるのではなく、文章にして説明すると良いと思います。
続いて、現病歴です。
現病歴は、その人の歴史。
単語やキーワードだけを並べるよりも、なんかドラマ仕立てにした方が良い気がします。
理学療法評価
理学療法評価は、全部の検査結果を記載しようとすると、どうしても量が多くなります。
ダラダラした記載にならないよう、以下の2つを意識して、スライドを作るようにしてます。
オーソドックスな検査結果を載せ、全体像をイメージさせる。
テーマに沿った部分を強調し、症例らしさを表現する。
欲張って多くの情報を載せようとすると、スライドの枚数が、とんでもない数になります。
慎重に選定しなきゃね。
今回は、中枢疾患ということで、神経学的な所見から載せてみました。
では続いて、理学療法評価です。
[ポチっとな]
え~、また
その他にも、身体機能の情報を載せたいところですが、残りは質疑応答で補足します。
この辺で一旦撤退して、動作やADL面に移りましょうか。
え~、動作レベルでは
[ポチっとな]
え~、また
姿勢や動作では、画像とか動画を挿入したいところです。しかし、画像や動画の掲載は、主催者側が制限をすることが多いです。
年々厳しくなっているね…。
画像や動画の扱いは慎重に!
ICF分類
では、ここで一旦、情報を整理しましょう。
各項目に分けることで、症例の置かれている全体像を、あらためて伝えます。
では、ここで症例の情報を
ICFで分類します。
本来なら、健康状態、心身機能と身体構造、活動と参加など、全ての項目を載せたいところですよね。
ただし、欲張ると小さい記載になるので、スライドでは不向きなんですよね…。
生活機能と生活背景の、
2つの項目でまとめよう。
統合と解釈
このスライドは、少し難しいです。
ICFで分類した情報から、原因となっていること、アプローチの優先順位、などを説明していきます。
当然、挙げ出したらキリがないので、ここは言いたい事を1つに絞って下さい。
では、発表を再開します!
[ポチっとな]
続いて、統合と解釈に移ります。
いや、少ないよね…。
でも仕方がない!
プログラム
では、自宅復帰に向けて、課題をクリアするための方法を説明しましょう。
[ポチっとな]
こちらが、リハプログラムです。
もちろん、その他にもたくさんやってます。痙縮筋に対するアプローチ、その他の動作練習もプログラムに入ってますよ。
発表後の質疑応答で、何とでも説明できるので、スライドは端的に絞っておきます。
ゴール設定
では、リハプログラムで達成したい、今後の目標を提示していきます。
[ポチっとな]
ゴール設定はこちらです。
ここでは、達成基準と期間を、具体的に説明できるといいですね。
経過
それでは、どのように変化があったのか、週単位で経過を載せていきましょう。
[ポチっとな]
それでは経過に移ります。
ここでは、良くなったことだけじゃなく、悪化してしまったことも書いてOKです。
大きな変化があったものは、
全て記載しておこう。
考察
では、その経過を踏まえて、どのような考察に至ったのか説明しましょう。
[ポチっとな]
では、考察に移ります。
よって、本症例においては、
どこに原因があって、なぜその結果になったのか、考察でプレゼンして下さい。
その後は、まとめスライド、結語スライドを使って、締めくるのもOKです。
以上で、発表を終わります。
ご清聴ありがとうございました。
とりあえず、無事に終われたようです。
症例発表の注意点
では最後に、スライド作成と発表に関して、何個か注意点を書いておきます。
スライド作成の注意点
まず、文字は詰め込み過ぎに注意です。そして半角や全角、フォントなどは全体を通して統一しましょう。
もし、書き方がよく分からない場合は、とりあえずキーワードの箇条書きでOK。
派手なアニメーション機能は、
使わない方がいいかも?
もし、カチカチっとしたスライドが作りたい人は、「内科医たくゆきじ」さんの、この記事がおすすめです。
やはり、ドクターの発表は違うね。
時間を守ること
社会人のモラルとして、発表時間は必ず守って下さい。与えられた時間の、前後30秒で終えられるのが理想です。
また、時間が足りない人は、
ご参照下さい。
を連打する場合が多いです。飛ばす位の情報なら、そもそも載せなくても大丈夫でしょう。
スライドを削ろう!
質疑応答のコツ
座長やフロアーから質問があった場合は、
ご質問ありがとうございます。
といってから、回答し始めましょう。
また、複数の質問をされることもあるので、聞き返さないようにメモを取って下さい。
最後まで気を抜かないように!
おわりに
今回の内容は、全ていち個人の経験談です。
本番の前には、施設内の予行演習会などで、色々な人から意見をもらいましょう。
本番は噛まずに伝えられるといいね!
ご清聴ありがとうございました。