こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!
本日は、腕神経叢の覚え方です。
腕神経叢の構成や走行を覚えておくと、末梢神経障害や脊髄損傷の国試対策になります。
でも、大変なんだよね…。
大丈夫!とっておきの
覚え方を教えるよ。
ということで今日は、まだ腕神経叢を覚えていない学生に向け、超絶簡単な覚え方を紹介したいと思います。
腕神経叢とは
腕神経叢は、頸髄の神経が協力して作る、上肢に指令を送るためのネットワークです。
ではまず、3ブロックに分かれている、大まかな構成から紹介してみます。
神経根(しんけいこん)
まず最初は、頚髄から出る5対(計10本)の神経根です。これは運動神経なので、脊髄の前根から出ています。
C5から開始なんだね。
うん、その上の神経根だと
頸神経叢になるんだよ。
では、神経根の行く先を見てみましょう。
神経幹(しんけいかん)
1~2本の神経根が、合流や分枝するための準備に、神経幹を構成します。
ここでは上・中・下の、3本の神経幹があることだけを覚えましょう。
神経束(しんけいそく)
続いて、さらに2回目の合体・分枝では、呼び名が神経幹から神経束になります。
神経幹よりも、複数の神経が束ねられており、外側神経束は上肢の外側へ向かい、内側神経束は内側に進みます。
後神経束は名前の通り、腋窩を通って上腕の後ろを走行しています。
さらに進むと、末梢神経に
名前が付いてくるよ。
はわわ、難しそう…。
では、個別に神経を覚えて行きましょう。
腕神経叢の簡単な覚え方
腕神経叢はまるで迷路のように、色々な神経が混ざるため、すぐに頭がパニックします。
そこでまず、5つの頸神経を人に例えます。
✔ ゴロー(C5~C6)くん。
✔ ナナ(C7)ちゃん。
✔ カズヤ(Th1~C8)くんです。
数字をそのまま名前に
変換してみてね。
この男女3人組の、関係性を見てみましょう。
橈骨神経の覚え方
最初に覚えるのは、橈骨神経です。
橈骨神経は、C6~C8の3本で構成されており、上肢の伸展筋群を支配してくれます。
ここでは、仲良く手をつなぐ、3人の姿を思い浮かべましょう(ゴローとカズヤは片手)。
走行としては、後神経束を通っているため、腋窩から上肢の後面に向かっています。
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筋皮神経の覚え方
次に覚えるのが、筋皮神経です。
この神経は、上腕前面にある上腕二頭筋、烏口腕筋などを支配しており、C5~C7で構成されています。
ゴローくんが、ナナちゃんを誘い、強引にデートに連れていく姿を思い浮かべましょう。
そして、筋皮神経は外側神経束を通ったので、上肢の外側に向かい走行します。
尺骨神経の覚え方
取り残されたのがカズヤくん。
誰にも会うことなく、ぼっち道へ…。
む、ムゴイ…。
C8とTh1で構成された尺骨神経は、小指に向かって走行している神経になります。
尺骨神経は、内側神経束を通過しているので、上肢の内側に向かって走行しています。
腋窩神経の覚え方
続いて、三角筋などの肩周囲の筋を支配する、腋窩神経(C5~C6)の解説です。
3人で遊ぶ約束をしていたのに、ゴローが仲間外れになっています。ふてくされたゴローは、腕の後ろに引きこもります。
橈骨神経と同じく後神経束を通るため、上肢の後面を走行します。腋窩から裏側に入り、肩関節に巻き付いているイメージですね。
正中神経の覚え方
最後は、正中神経(C5~Th1)です。
仲良く外側神経束を歩いている2人に、内側神経束を通ってきたカズヤくんが気づきました。
あちゃ~、カズヤくんも
引く気はないみたい。
その先に進むと合流です。
モメなきゃいいけど…。
やはり…、三角関係問題が勃発です!
ゴローくんもカズヤくんも、両手でナナちゃんを引っ張るもんだから修羅場に…。
ということで、正中神経は全員が関与しているため、頚髄のレベルはC5~Th1となります。
そして、外側と内側の神経束を通ったため、正中神経は上肢の中央を走行しています。
神経の走行を再確認
では、5つの神経の構成が分かったところで、走行を再確認してみましょう。
外側神経束からの筋皮神経は、上肢の外側に伸びています。後神経束を通る2つの神経は上肢の裏側を走行しています。
内側神経束を通る尺骨神経は、やはり上肢の内側(尺側)を走行していますね。
このように、腕神経叢を覚える際は、神経束の経路を覚えることで、神経がどこに向かい、どのあたりの筋を支配するのかが分かります。
プク太くん、分かった?
うん、この5つの神経は
バッチリだよ!
ここまで完璧にできたら、次は長胸神経や肩甲上神経など、残りの細かい神経を勉強していきましょう。
おわりに
さて、国家試験に向けて、腕神経叢を簡単に覚えるための方法を紹介しました。
腕神経叢は、末梢神経損傷や絞扼性神経症状、脊髄損傷などで役立つ知識です。
実際に試験に出たら、落ち着いて空いているスペースに、腕神経叢を書いてみましょう。
それでは、腕神経叢が
覚えられますように!