こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!
本日のテーマは運動療法です!
リハビリの運動療法には、様々な種類がありますよね。でも実は、同じ運動に見えても効果が違ったりするんです。
色々あって分かりにくいね。
そこで今日は、リハビリでよく見かける運動療法を、1つずつ紹介していこうと思います。
運動療法とは
運動療法は、運動で治療することです。
言葉を付け足すと、「患者さんの頑張り」によって効果が得られるものになります。
物理療法や薬物療法とは違い、患者さん自身が運動を頑張ることで、身体の細胞や免疫によって回復させる効果を狙っています。
徒手でやる運動療法
紹介する運動療法は以下の4種類。
では、1つずつ紹介していきますね。
他動運動について
まず、最も簡単な他動運動です。
Passive exercise(パッシブ・エクササイズ)と呼ばれるもので、脱力した患者さんの身体をセラピストが動かします。
ROM-exやストレッチを見学したことない、っていう人はいませんよね。
患者さんは何もしていないのに
運動療法って呼べるの?
こまけーことは良いんだよ。
なんで僕が怒られるのさ…。
まぁ、関節が運動しているってことで…。
効果は、筋や靭帯を伸張させることでの拘縮予防や、筋の柔軟性の維持と向上です。
自動運動について
続いては自動運動です。
Active exercise(アクティブ・エクササイズ)と呼ばれるもので、患者さんの力で重力と戦ってもらう運動になります。
ここでのセラピストの役割は、フォームをチェックして代償運動の確認をしたり、運動する回数などを設定します。
この運動は主に筋力を維持させたり、力をこめる練習のために実施することが多いです。
自動介助運動について
ちょっと難しいのが自動介助運動です。
これは、Active assisted exercise(アクティブ・アシステッド・エクササイズ)と呼ばれ、セラピストが介助をしながら運動させます。
図のように、患者さんの力+セラピストの力が合わさり、ようやく目的の関節運動が可能となりました。
徐々にアシストを減らすことで、筋の使い方を学習させることができます。
抵抗運動について
最後は抵抗運動です。
Resistance exercise(レジスタンス・エクササイズ)とも呼ばれる運動で、患者さんの自動運動に何らかの負荷を掛けていきます。
上の図では、患者さんが股関節を屈曲させ、下肢を挙上しようとする力に対し、セラピストが押し下げるような力を加えています。
運動に負荷を与えることで、筋力や筋出力の向上を目指します。
漸減と漸増の組み合わせ
抵抗運動には、徐々に負荷を軽くする漸減(ぜんげん)と、徐々に負荷を強くする漸増(ぜんぞう)の組み合わせがあります。
すごく簡単に解説すると、こんな感じです。
【漸減抵抗運動】
疲労に合わせて負荷を軽くすることで、きっちり最後まで追い込む。よって、筋肥大と筋持久力Upが期待できる。
【漸増抵抗運動】
徐々に筋肉に刺激が入ることで、さぼっている筋線維が参加しやすくなる。よって、最大筋発揮の質が向上する。
患者さんの反応や目的を考慮し、色々と組み合わせてみて下さいな。
おわりに
さて、自動運動・他動運動・自動介助運動・抵抗運動の違いはイメージできましたか?
それぞれ期待できる効果が違います。最初は「患者さんが頑張れる運動」を優先し、徐々に負荷量と回数を調整してみて下さい。
それでは、運動療法が
上達しますように。