こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日のテーマは、立位姿勢の改善です。
立位時に骨盤が後傾する理由は、脊柱の可動域や筋の短縮など、様々な要因があります。
そこで今日は、骨盤を前に起こす役割を持つ、腸腰筋のエクササイズに焦点を当て、即時的に立位姿勢を改善させる方法を紹介します。
腸腰筋の役割
腸腰筋は、股関節を屈曲させる、大腰筋と腸骨筋を合わせた総称でしたね。
そして、股関節の屈曲は、大腿骨が骨盤に近づくような動きです。
でも、このように大腿骨が固定側になると、骨盤が前方に引っ張られることになります。
起始と停止の役割が、
逆転するってこと。
そっか、骨盤が大腿骨に
近づいているんだね。
立位時に、この腸腰筋がサボっていると、骨盤が後傾してしまい、姿勢が悪くなります。
SLRで腸腰筋を鍛える?
股関節の屈筋群を鍛える訓練に、SLRがあります。SLRは、臥位で下肢を伸展位にした状態から、上に持ち上げる運動でしたね。
確かに、SLRでも腸腰筋が活動します。
しかし、一緒に余計な筋も活動してしまうため、効果的に鍛えられるとは言い難いですね。
もう一点大事なことは、骨盤を前傾位にした状態で、腸腰筋を使う必要があります。
そんな運動、複雑過ぎない?
いや、簡単な訓練があるんだ。
では、絶対に骨盤が後傾しない状態で、腸腰筋だけを鍛えるエクササイズを紹介します。
肋木で腸腰筋を鍛える!
方法は、肋木に背を向けた状態で、上の段を掴ませてみましょう。そうすると、自然と骨盤前傾位が保持されますよね。
この状態で、股関節を屈曲させればOK!
この運動だと、以下の条件が揃います。
✅ 立位のまま運動したい
✅ 骨盤前傾位で運動したい
✅ 腸腰筋だけを鍛えたい
骨盤前傾位で、背骨より前にある筋を促通すれば、重心はイヤでも前に行きますよね。
プク太くんもやってみて。
うわ~、これきっついな…。
筋が発揮しにくい状態で、筋の活動を促す。これが、リハビリで必要な訓練ですね。
この訓練の効果
さて、この訓練の理論を解説した所で、実際の効果はどうでしょうか。
この運動をすると、骨盤を前傾させるだけの、腰椎と股関節の可動性がある方なら、即時的に立位姿勢が変わるはずです。
また、見た目で分からなくても、エクササイズ前後で重心動揺計を使用すれば、重心が前方偏移するのが確認できるはずです。
セラバンドや、重錘で負荷を掛ければ、より効果的な訓練になるので、試してみて下さい。
う~ん、筋肉はただ鍛える
だけじゃダメなのか…。
どの位置で、どのタイミングで
活動させるのか意識しよう。
おわりに
今日紹介した訓練は、患者さんからのコメントも良かったので、主観的にも客観的にも効果が体感できると思います。
姿勢が崩れる要因というのは、その他に可動域やバランス、心理的不安など、多岐に渡るはずですので、その中の1つという位置づけです。
姿勢が改善せずに悩んでいる人は、ダメ元で患者さんにやらせてみて下さいね。
それでは、無事に姿勢が
改善しますように!